水まわりのリフォームに使用されることの多い架橋ポリエチレン管。安価で接続も容易というメリットがある半面、管自体での小曲がり(直角)が取れないというデメリットもあります。そんな時に有効なのが今回ご紹介する「ペックスエルボ」です。

※2019年11月30日に公開した記事ですが、修正して2021年9月8日に再度公開しました。

仕上げの化粧カバーにエルボが入らない!?

公団などの集合住宅においてバランス釜を屋外壁掛式給湯器に入れ替える現場では、隠ぺい配管のルートが確保できずに屋内を通すのが一般的です。多くの場合、RMモールやリフォームダクトを用いて屋内の配管を化粧をしますが、少なからずエルボが化粧カバーに収まらないという問題が発生しています。

これはなにもエルボだけに限ったではなく、入隅や出隅、そして給水栓ボックスも同様です。

ペックスエルボなら化粧カバーにラクラク入る！

品番	呼び径	管相当長
PEL13	13A	0.6m
PEL16	16A	0.9m

そんな問題を解消する部材が「ペックスエルボ」。架橋ポリエチレン管や継手を製造する積水化学工業株式会社のエスロカッチトシリーズで、架橋ポリエチレン管を90°に曲げた商品です。管の両端が少し長めに取ってありますので、RMモールやリフォームダクト等のRや大きさに合わせてカットして頂き、ソケットやエルボを差し込んでご利用ください。

集合住宅リフォームの小曲がり配管に最適

構造に余裕のある戸建とは違い、集合住宅では配管の曲がりを小さく取らざるを得ません。給水栓ボックス内やクランク状の入隅や出隅が連続する場合など、配管取り回しに不安がある現場で効果的です。

圧力損失はエルボソケットと同程度

「圧力損失が心配」という施工業者様にうれしいのが、内径シールのエスロカチットＳ樹脂エルボと比較してもそん色ないという点。「ペックスエルボ」の相当管長は、13Aで0.6m、16Aで0.9mと優秀ですが、現場では両端に継手を接続して使用ために、エスロカチットＳ樹脂エルボを使用するのとほとんど変わらないというのが積水化学工業の見解です。

ペックスエルボ以外の選択肢も検討したい

ペックスエルボが省スペースで配管できる一方で、美観よりコストを重視した現場が多いという施工業者様もいらっしゃるはず。そうした方は何とか化粧カバーに収まるエルボソケットを検討した方が良いです。

積水化学工業株式会社　エスロカチットシリーズ

積水化学工業の「エスロカチットシリーズ」は、内径シール式ワンタッチ継手の代表と言えます。金属ボディモデルと樹脂ボディモデルの２種類ありますが、どちらも外装は透明で挿入深さを目視できるうえ、一定の差込代に達すると「カチッ」という音でも完了確認ができる機能が付いています。

品番	呼び径
SPL13	13A
SPL16	16A
SPL20	20A

三菱ケミカルインフラテック株式会社　エクセルイージーフィットクリアシリーズ

外径シール式だった「エクセルイージーフィット2」の後継機種として発売された内径シール式の「エクセルイージーフィットクリア」。とにかくコンパクトで安価なので、ぜひ一度お使いいただきたい商品です。

品番	呼び径
R-MZE-FJ-13	13A
R-MZE-FJ-16	16A
R-MZE-FJ-20	20A

株式会社オンダ製作所　ダブルロックジョイントPシリーズ

品番	呼び径
WPL3-13-S	13A
WPL3A-16-S	16A
WPL3A-20-S	20A

流量がしっかり確保できる外径シール式ワンタッチ継手の草分け。内径シール式が出始めの頃こそ外径シールはパイプに傷があれば漏水するなど否定的な意見が多かったのですが、流量が確保できる継手としてポジションを確かなものにしました。

競合他社に先駆けてボディを樹脂化して、軽量化とコストダウンを実現したダブルロックジョイントPシリーズ。継手とインコアが一体化した構造なので、内径シール式と同様に差し込むだけのカンタン施工です。

オンダ製作所では、低圧損モデルの「Revosシリーズ」も増えています。詳細は以下のリンクよりご確認ください。⇒流量不足の解決に超役立つ！架ポリ用ワンタッチ継手ならダブルロックジョイント「Revos（レボス）」

まとめ

水まわりのリフォームに最も多く使用されている架橋ポリエチレン管。一方で、狭い場所や小曲がり部分の仕上げに苦慮するケースがあります。それを解決する1つの方法が「ペックスエルボ」。給水給湯用のRMモールやリフォームダクトにもラクラク収まり、小曲がりでも難なく対応できるのが魅力です。しかし、エルボソケットで対応できるケースもございますので、使用する現場状況に合わせて使い分けしてみてはいかがですか？