除湿型冷暖房パネルに用いる熱動二方弁にFCU用を採用する理由
小口径3/4Bでも最大動作差圧0.45MPaの余裕
「ON/OFF制御弁「HAV560シリーズ」(品番:HAC300+VAL561)」は、ファンコイルユニット用として設計されています。作動原理は、ONで開弁、OFFで閉弁する温水暖房用の熱動弁と同じですが、このモデルは差圧による弁漏れを発生しにくくする目的で最大動作差圧を0.45MPaまで高められています。
床暖房用より高い差圧でも動作する
どの熱動弁もセンサーとアクチュエーターが共存したワックスサーモエレメントでコンパクト設計である点は同じです。ONでサーモエレメントが伸びて弁を押し下げ、OFFになるとスプリングの力で弁を引き上げます。
戸建住宅の温水式床暖房回路に設置する熱動弁には、床暖房用といわれる最大動作差圧が0.1MPa程度の汎用品を用いることが一般的です。
一方、空調機やファンコイルユニット用の熱動弁は、能力の高い循環ポンプを想定しているので、内部の弁体と弁受を密着させるスプリングの強度を高く設定し最大動作差圧が0.45MPaを実現しています。最近、戸建住宅にも採用が増えている除湿型冷暖房パネルの場合、高さがあるので能力の高い循環ポンプを設置します。その場合、熱動弁には「ファンコイル用」を指定してください。ベストパーツなら、「ON/OFF制御弁「HAV560シリーズ」(品番:HAC300+VAL561)」であれば受注当日に出荷できます。
メンテナンス時にはアクチュエーターを取り外すだけで完全止水
「ON/OFF制御弁「HAV560シリーズ」(品番:HAC300+VAL561)は、OFFの間はスプリングの力で弁受けの下から弁を引き上げて閉弁する仕組みですから、そのスプリングが仕込まれているアクチュエーターを取り外すと閉弁します。例えば、冷房運転時に保守点検する場合、「床暖房用」のアクチュエーターを取り外した途端に冷水が流れ出し放熱端末での予期せぬ結露が発生します。その点、「ファンコイルユニット用」の熱動弁なら、アクチュエーターを取り外すだけで完全閉弁するので、メンテナンスが楽になります。
アクチュエーターの強制開バーで暫定運転も可能
「ファンコイルユニット用熱動弁(品番:HAC300+VAL561)」は、アクチュエーターに不具合があると、閉止してしまいますが、例えば暖房シーズンで常時バルブを開けておいても支障がない場合にはアクチュエーターについている「強制開バー」を使用することで通電していなくてもバルブを開放することができます。
室内温度調整器(品番:RAA41)ならワンタッチ結線
「FCU用アクチュエーター(品番:HAC300)」と「室内温度調整器(品番:RAA41)」の接続はとてもカンタン。「FCU用アクチュエーター(品番:HAC300)」からの2芯の内1芯を緑の端子台にある「Y」へ差し込み、分電盤からの2芯の内1芯を緑の端子台にある「L」へ差し込み、残る1芯ずつを直接結線します。
これだけで室内温度を元に冷房・暖房の制御を行うことができます。
ファンコイルユニット用アクチュエーター
品番 | 定格電圧 | 突入電流 | 最大消費電力 | コード長 | 基準価格 |
HAC300 | 100V/200V
(50Hz・60Hz) |
100V:1.5A以下
200V:3A以下 |
5W | 100cm | ¥9,300 |
FCU用バルブ
品番 | ねじ | 基準価格 |
VAL561 | Rc3/4 | ¥12,300 |
室内温度調整器(冷房暖房切替付き)
品番 | 室内温度設定範囲 | 定格電圧 | 基準価格 |
RAA41 | 8~30℃ | AC24~250V | ¥10,000 |
まとめ
戸建や小規模物件であっても除湿型冷暖房パネルを導入する場合、差圧が高くなり熱動弁から差圧漏れを繰り返すことがあります。こんなときは最大動作差圧の高い「ファンコイルユニット用」の熱動弁を採用しましょう。「床暖房用」が0.1MPaなのに対して「ファンコイルユニット用」は0.45MPaと設計に余裕が持てます。ベストパーツオンラインでは、「ON/OFF制御弁「HAV560シリーズ」(品番:HAC300+VAL561)」を当日出荷しています。また、冷房と暖房の切替機能のあるコントローラーは、機能と美観だけでなく施工性も良い「室内温度調整器(品番:RAA41)」をオススメしています。冷暖房システムを計画される際には、ぜひ検討に加えてみてはいかがでしょうか?
大宮彰大
最新記事 by 大宮彰大 (全て見る)
- 複雑な間取りにも対応する床暖房システム『キュア真打』 - 2024年4月1日
- スペースと予算を節約!CALEFFIの高性能コンパクト圧力計の魅力 - 2024年3月22日
- 広範囲に冷温水を効率的に循環させる【小型温水循環ポンプUPS】 - 2024年3月13日