熱動弁からの結露や放熱をガッチリ封じるEPDM製の専用断熱材
2022.07.20
冷温水空調システムの制御に欠かすことのできない熱動弁。流体が触れる金属製のバルブ部分と、そのバルブを操作する樹脂製のアクチュエータ部で構成されます。金属部分は熱伝導率が高いため、流体の温度に近くなり冷水を流すと熱動弁周囲の湿度によっては結露します。露出部分であれば大きな問題はありませんが、隠蔽部ではクレームの原因となります。本稿では熱動弁の結露や放熱をガッチリ封じる専用断熱材をご紹介いたします。
目次
日本サーモスタット社HP305K、HP405K専用の断熱材
熱動弁も一般的なバルブや配管同様に現場で断熱材を加工し、断熱施工を行います。しかし、熱動弁やバルブは形状が複雑であるため、熟練した技術と時間を要する手間の掛かる作業です。
HP305K、HP405K専用なので取付がカンタン
弾力のあるEPDM断熱材でできた「熱動弁専用断熱材」は、上方にスリットを広げて熱動弁を挟み込むように取り付けします。「熱動弁専用断熱材」内部も熱動弁のサイズに合わせて加工されているので気持ちいいくらいジャストフィット。取り付けた後は、スリットを「プロテープ(品番:PRO-TP)」や「エアロテープ(品番:ART-035010)」で塞いで仕上げてください。
品番 | 適合熱動弁 |
D-HP305K | HP305K |
D-HP405K | HP405K |
アクチュエータ部の放熱の邪魔をしない設計
「熱動弁専用断熱材」の上方には四角の大きな開口があります。これは熱動弁のアクチュエータ部を露出するためです。アクチュエータ部は通電による発熱があるため、正常な動作のためには、放熱を行えるようにする必要があります。
独立気泡のEPDM断熱材だから吸水性がなく結露に強い
「熱動弁専用断熱材」に使われている素材は、EPDM(エチレンプロピレンゴム)系独立気泡合成ゴムフォーム。耐熱温度が-200℃~125℃と幅広く、反発力がありシール特性や断熱性に優れるEPDMを、気泡が独立しており吸水性がない状態にした発泡体です。
まとめ
冷温水空調システムの制御に欠かすことのできない熱動弁。流体が触れる金属製のバルブ部分は熱伝導率が高いため、流体の温度に近くなり冷水を流すと熱動弁周囲の湿度によっては結露します。HP305K、HP405K専用断熱材を使えば、熟練した技術と時間を要する熱動弁の断熱工事が必要なくなります。なお、この断熱材を用いてカバーしたい部材があれば、お気軽にお問合せください。若干のお時間と、数量によっては多少費用がかさむ場合もございますが、加工してお届けいたします。
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大宮彰大
営業部所属:ベストパーツ株式会社
2008年入社(36歳)
温水暖房分野を担当し2013年4月完成のベストパーツ株式会社社屋の冷暖房部材選定を行う。
MAIL:omiya.shota@best-parts.jp
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