室外機の積雪対策に使用する防雪屋根と防雪パネルの組み合わせ
架台に防雪対策を施せば、エアコンを買い替えても防雪効果は継続します
エアコンメーカーが推奨する防雪対策は「寒冷地エアコンへの買い替え」と「防雪フード」です。「防雪フード」は、エアコンの室外機に取付けるものですから、ユーザーがエアコンを買い替えるたびに、「防雪フード」も交換しなくてはなりません。しかし、架台側で対策をすれば、ユーザーの機器買い替えに関係なく、防雪効果が継続的に発揮されます。積雪地では「高置用架台」や「二段置架台」で積雪の対策をした上で、「防雪屋根」→「防雪パネル」→「前面用防雪パネル」の順で吹雪や落雪の対策を検討をしてください。
まずは室外機に合う架台の選定をする
ルームエアコンには「C-WZJ-L2」と「C-NZJ5-L2」
塩害地域や降雪地域でも安心して使用できる溶融亜鉛メッキ製です。室外機を二段置にするのはもちろんのこと、豪雪地帯では「二段置架台」を使用して一段目を積雪対策に、二段目にのみ室外機を置いて積雪への対策をします。「平地用高置架台」では、高さ約500mm程まで対応できるので、積雪があまり予想されないような地域では「平地用高置架台」で充分です。
品 番 | 品 名 | エアコン固定寸法 | 一段目有効寸法 | 基準価格 |
C-WZJ-L2 | 二段置架台 | W400~750/D200~380 | 奥行353×高さ747×幅834 | ¥13,250 |
C-NZJ5-L2 | 平地高置架台 | – | ¥6,600 |
室外機が大きめのエアコンを1段目に置く場合は、「LL」タイプ
モデルチェンジが行われる度に、年々大きくなっている寒冷地エアコンやエコキュートの室外機。そこでご紹介したいのが、「LLタイプ」の二段置用架台です。高さ、奥行はLタイプと同じですが、幅が900mmまで対応できるようになりました。代表例は、ダイキンのうるさらXの18畳~29畳タイプ。室外機の幅が850mmありますので、Lタイプの1段目には収まりません。パッケージエアコン用架台で施工しているというお話も耳にしますが、ルームエアコン用に比べてコストが倍近くかかってしまうので、リビングで使用するようなサイズのエアコンは「LLタイプ」を使用すれば、コスト削減が図れます。
品 番 | 仕上げ | エアコン固定寸法 | 一段目有効寸法 | 基準価格 |
C-WJ-LL | 粉体塗装 | W400~800/D200~380 | 奥行353×高さ747×幅900 | ¥12,650 |
C-WZJ-LL | 溶融亜鉛メッキ | ¥14,950 |
1段目にエコキュートの室外機を置く場合は、「C-WJ-LH2」
先程の「LLタイプ」や「Lタイプ」で幅や奥行はカバーできますが、室外機の大きさで最も変化があったのは主に「高さ方向」です。これは、温水暖房機では別に熱交換器を設ける必要が出てきたことや、熱交換器そのものの容量アップが主要因のようです。よって、一段目有効寸法の「高さ」を高くして、高付加価値の機器にも対応できるように設計したものがこの「Hタイプ」になります。奥行、幅は従来の「Lタイプ」と変わりませんが、高さが907mmと160mm程アップしております。よって、この「二段置架台(品番:C-WJ-LH2)」を使用すれば、現行のエコキュートや室外機式温水暖房機も1段目に収めることが可能です。
品 番 | D | H | W | 一段目有効寸法 | 基準価格 |
C-WJ-LH2 | 433 | 1089 | 914 | 奥行353×高さ907×幅834 | ¥14,400 |
「防雪屋根」や「防雪パネル」で積雪・吹雪の対策をする
「防雪屋根」で上部からの落雪や氷柱の落下を防ぐ
室外機上部への落雪や氷柱の落下を防ぐ「防雪屋根」。組み合わせが可能な平地高置用や二段置用架台の脚部のボルトナットを外して、防雪屋根の脚部をボルトナットで共締めするだけで取付できます。
品 番 | 室外機有効寸法 | |||
幅 | 奥行 | 高さ | 基準価格 | |
C-RZJ-L2 | 830 | 350 | 600~960 | ¥13,800 |
「防雪パネル」で室外機の背面と側面に雪や氷が付着するのを防ぐ
次に検討したいのは、「防雪パネル」を設置して室外機の背面と側面に雪や氷が付着するのを防ぐ対策です。向かって左側面と背面にある吸い込み口をカバーすることで、冬場の温まらない、夏場の冷えないというクレームを解決に導きます。ただし、「防雪パネル」は、必ず防雪屋根と組み合わせなければならず、単品使用はできません。
防雪パネルの品番 | 組合せ可能な防雪屋根の品番 | 基準価格 |
CE-RZJ-BP | C-RZG・C-RZJ | ¥12,100 |
「防雪パネル(小)」で配管接続側の右側面をカバーする
向かって右側面の配管接続側の側面も落雪や氷柱の落下から守りたいという現場には、「防雪パネル(小)」を組み合わせてください。
品番 | 組合せ可能な防雪屋根の品番 | 基準価格 |
CE-RZJ-BPLO | C-WZJ-L2・C-WZJ-LL・C-WJ-LH2・C-WJ-LL | ¥6,350 |
「前面用防雪パネル」でショートサーキットを防ぐ
吹き出し口がふさがっていると、室外機から吹き出された冷気を、室外機が吸い込み「ショートサーキット」という現象が発生します。積雪地では、住宅の屋根や室外機の上に積もった雪が、落下して吹き出し口をふさいでしまう場合が少なくありません。「前面用防雪パネル」を取付ければ、室外機前面の着氷や着雪を防ぎ屋外の熱を効率よく取り込むことができるため、「電気代が高くなった」、「暖房運転が停止してしまう」というクレームを解決に導きます。
全面用防雪パネルの品番 | 組合せ可能な架台の品番 | 基準価格 |
CE-RZJ-YL | C-NZJ-L2・C-NZJ5-L2・C-WZJ-L2・C-WJ-LH2 | ¥5,200 |
CE-RZJ-YLL | C-RZJ-LL・C-WJ-LL・C-WZJ-LL・CE-RZJ-BPLL・CE-RZJ-BPLO | ¥6,350 |
架台と防雪屋根の組み合わせ表
まとめ
エアコンの暖房運転やエコキュートの湯沸運転の際、室外機の吹き出し口が雪で塞がれてしまうと、性能を発揮できなくなる場合があります。室外機周囲の雪を取り除けば一時的に解決しますが、今年のように記録的な大雪に見舞われている積雪地では「高置用架台」や「二段置架台」を利用して室外機が雪に埋もれるのを避けるだけでなく、「防雪屋根」、「防雪パネル」、「前面用防雪パネル」の順で対策を検討をしてみてはいかがでしょうか?「寒冷地エアコンへの買換え」や「防雪フード」と違って、室外機用架台側で対策を打てば、ユーザーの機器買換えに関係なく、防雪効果が継続的に発揮されます。
佐々木瞭
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