パイプレンチによるバルブ開閉作業

コーナーレンチ選定:歯形形状の違いとポイント

コーナーレンチの選定は、その歯形形状の違いを理解することから始まります。白鋼管用、被覆鋼管用、白・被覆鋼管兼用と、使用する管の種類によって適したコーナーレンチが異なります。本稿では、これらの違いと、選定時の重要なポイントであるくわえ部の歯形形状について、詳しく解説します。

適切なコーナーレンチの選び方:管種別歯形形状の理解

適切なコーナーレンチを選ぶためには、管種に適した歯形形状を理解することが欠かせません。例えば、被覆鋼管専用のコーナーレンチは、強いくわえ力を持ちながらも、被覆材を傷つけない設計が施されています。さらに、施工業者様にとっては、工具の重量も重要な選定基準です。かつては重い工具が多かったですが、現在では軽量で取り扱いやすいアルミ製が主流となっています。

コーナーレンチの歯形形状:白管・被覆管用の違いと特徴

パイプレンチのくわえ部分の歯形形状

コーナーレンチの刃部分の形状は、使用する管の種類に応じて異なります。白管用コーナーレンチの歯は粗く仕上げられており、滑りやすい白鋼管や丸ニップルでもしっかりとくわえることができます。一方、被覆管用の歯形形状は細かく作られており、被覆鋼管の表面を傷つけることなく締め付けが可能です。そして、白鋼管と被覆鋼管の両方に対応する兼用型は、これらの中間の形状をしており、幅広い管種に対応する汎用性を持っています。このように、コーナーレンチの歯形形状を理解することは、適切な工具選定において非常に重要です。

白鋼管専用アルミコーナーレンチの特長

白鋼管に特化したアルミコーナーレンチは、くわえる部分の粗い歯形形状により、滑りやすい白鋼管や丸ニップルも確実にグリップします。これにより、作業の効率が大幅に向上し、安全性も高まります。アルミ製でありながら強度と耐久性を備えているため、長期的な使用にも適しています。

CWALADシリーズ:軽量で高性能な白鋼管専用アルミコーナーレンチ

CWALADシリーズのアルミコーナーレンチは、その軽量さと高い作業性で、特にガスや水道の鋼管作業に最適です。粗い歯形状により、手で滑りやすい配管をしっかりとくわえ、持ち運びや解体作業を容易にします。鍛造アルミ製の本体と鋼板製のフレームは、耐久性と強度を兼ね備えているため、荷重やひねりにも強く、長期間にわたり安心して使用できます。また、鉄製の「コーナーレンチスリムワイド(CWTシリーズ)」と比較して、約30g~150gの軽量化を実現し、運搬性と作業性を向上させています。

アルミコーナーレンチ(CWALADシリーズ)

「アルミコーナーレンチ(CWALADシリーズ)」は1丁から当日出荷です。

品番 管呼び寸法 口開き幅 重量 全長 刃幅
CWALAD25 8~25A 13~35㎜ 350g 250㎜ 18㎜
CWALAD30 10~32A 16~44㎜ 600g 300㎜ 20㎜
CWALAD35 15~40A 21~51㎜ 700g 350㎜ 22㎜
CWALAD45 25~50A 33~70㎜ 1200g 450㎜ 24㎜

CWTDAシリーズ:狭所作業に最適なアルミコーナーレンチ

アルミコーナーレンチスリムワイド(CWTDAシリーズ)は、狭所での作業に特化した設計です。刃幅をわずか13mmまで薄くすることで、隠ぺい部や壁際、天井などの狭い空間でのネジ回し作業が格段に容易になります。また、ガス工事でよく使われる白継手短ニップルや白エルボ継手など、掴みにくい継手にも適しています。同じアルミ製の「コーナーレンチアルミAD(CWALADシリーズ)」と比較しても、刃幅が35%薄くなっており、それに伴い重量も軽減されています。たとえば、300mmサイズでは600gの重量が475gになり、125gの差があります。

アルミコーナーレンチスリムワイド(CWTDAシリーズ)

「アルミコーナーレンチスリムワイド(CWTDAシリーズ)」は1丁から当日出荷です。

品番 管呼び寸法 口開き幅 重量 全長 刃幅
CWTDA250 8~25A 13〜41㎜ 350g 250㎜ 13㎜
CWTDA300 10~32A 16~48㎜ 475g 300㎜
CWTDA350 15~40A 21~60㎜ 580g 350㎜
CWTDA450 25~50A 33〜70㎜ 1110g 450㎜ 18㎜

CWTシリーズ:耐久性に優れた鉄製コーナーレンチ

コーナーレンチスリムワイド(CWTシリーズ)」は、鉄製でありながら刃幅を6~10mm程度薄く設計されており、ユニオンやエルボなど掴み幅の狭い継手をダブルレンチで締め付ける際にもレンチ同士が干渉しません。このシリーズは、一般的な鉄製コーナーレンチよりもコンパクトでありながら、JIS普通品相当の強度を備えています。アルミタイプと比較すると価格面で有利であり、強度と耐久性を求める作業に最適です。

コーナーレンチスリムワイド(CWTシリーズ)

「コーナーレンチスリムワイド(CWTシリーズ)」は1丁から当日出荷です。

品番 管呼び寸法 口開き幅 重量 全長 刃幅
CWT-250 8~25A 13~41㎜ 500g 250㎜ 13㎜
CWT-300 10~32A 16~48㎜ 650g 300㎜
CWT-350 15~40A 21~60㎜ 820g 350㎜

被覆鋼管専用アルミコーナーレンチの特性

被覆鋼管専用アルミコーナーレンチは、特に被覆鋼管の締め付け作業に最適化されています。このシリーズの歯形形状は細かく仕上げられており、被覆鋼管の表面を傷つけにくい設計になっています。また、メッキ管の締め付けにも使用でき、被覆材を傷めずに効率的な作業を実現します。被覆鋼管用のコーナーレンチは、ポリ・塩ビ系被覆にも適しており、精密な作業に必要な工具です。

CWPALADシリーズ:被覆鋼管作業に最適なアルミコーナーレンチ

アルミコーナーレンチ 被覆管専用(CWPALADシリーズ)」は、細かく精密な歯形状で被覆鋼管の締め付けや移動を傷つけずに行うことができます。特にポリや塩ビ系の被覆に適しており、きめ細やかな歯が被覆の傷を最小限に抑えます。これにより、締め付け後の後処理が不要になり、作業効率が大幅に向上します。また、コーナーレンチの機能に加え、狭所や溝の中など難しい場所での配管作業にも高い効果を発揮します。

アルミコーナーレンチ 被覆管専用(CWPALADシリーズ)

「アルミコーナーレンチ 被覆管専用(CWPALADシリーズ)」1丁から当日出荷です。

品番 管呼び寸法 口開き幅 重量 全長 刃幅
CWPALAD25 8~25A 13~38㎜ 380g 250㎜ 27㎜
CWPALAD30 10~32A 16~47㎜ 630g 300㎜ 31㎜
CWPALAD35 15~40A 21~53㎜ 790g 350㎜ 35㎜
CWPALAD45 25~50A 33~65㎜ 1270g 450㎜ 40㎜
CWPAL600 40〜80A 48〜102㎜ 3000g 600㎜ 45㎜
CWPAL900 65〜100A 76〜134㎜ 5600g 900㎜ 50㎜

白鋼管・被覆鋼管兼用型アルミコーナーレンチの利点

白鋼管・被覆鋼管兼用型アルミコーナーレンチは、その汎用性に優れています。白鋼管専用と被覆鋼管専用の歯形形状の中間を採用しており、白鋼管・被覆鋼管はもちろん、エンビ管までも幅広く対応可能です。これにより、さまざまな種類の管に適応し、工具の必要性を減らし、作業効率を高めることができます。特に、多様な種類の管を扱う作業現場においては、この一本で多くのニーズに応えることができるため、重宝されます。

CWVDAシリーズ:多用途対応のアルミコーナーレンチ

アルミコーナーレンチ 白管・被覆管兼用(CWVDAシリーズ)」は、亜鉛メッキ鋼管(白鋼管)やエンビ被覆管など、さまざまな配管材料に対応する多用途型コーナーレンチです。このシリーズは、従来のコーナーレンチと同じ刃幅を備えながらも、エンビ系一層被覆鋼管や継手の締め付けを容易に行うことができます。その汎用性は、限られた工具で幅広い作業を行いたいプロの施工業者にとって大きなメリットとなります。

アルミコーナーレンチ 白管・被覆管兼用(CWVDAシリーズ)

「アルミコーナーレンチ 白管・被覆管兼用(CWVDAシリーズ)」1丁から当日出荷です。

品番 管呼び寸法 口開き幅 重量 全長 刃幅
CWVDA250 8~25A 13~38㎜ 350g 250㎜ 18㎜
CWVDA300 10~32A 16~47㎜ 600g 300㎜ 20㎜
CWVDA350 15~40A 21~53㎜ 700g 350㎜ 22㎜
CWVDA450 25~50A 33~70㎜ 1200g 450㎜ 24㎜
CWVDA600 40~80A 48~92㎜ 3000g 600㎜ 30㎜
CWVDA900 65~100A 76~118㎜ 5000g 900㎜ 33㎜

まとめ

本稿では、白鋼管用、被覆鋼管用、および白・被覆鋼管兼用の各種コーナーレンチの選定において重要な歯形形状の違いを解説しました。白鋼管専用レンチは粗い歯形状で滑りやすい管をしっかりとくわえ、被覆鋼管専用レンチは細かい歯形状で被覆材を傷つけずに締め付けが可能です。一方、兼用型はこれらの特徴を併せ持ち、幅広い用途に対応しています。また、アルミ製のレンチは軽量で取り扱いやすく、長期的な使用にも適しています。適切なコーナーレンチを選ぶことは、作業の効率と安全性を大幅に向上させるため、このガイドを参考にして最適な製品を選定してください。

※この記事は2021年3月10日に公開しましたが、一部規格追加、修正を加え2024年1月23日に再公開しました。

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