平成17年（2005年）に制定された石綿障害予防規則は令和2年（2020年）7月に改正され、アスベストの有無に関わらず一定条件以上の工事には事前調査と都道府県への届け出が義務化されました。さらに令和5年（2023年）10月には、有資格者によってアスベスト含有調査・分析を行うことが義務付けられました。リフォームや改築の場合でもアスベストの有無を事前に調査し、基準値を超える場合には適切なアスベスト除去対策を行う必要があります。アスベスト除去作業に従事する作業者は「石綿（アスベスト）取扱い作業従事者特別教育」を受講し、安全対策を徹底することが求められます。除去作業の際には、呼吸保護具（マスク）、保護メガネ、保護帽、保護衣（防護服）、作業手袋、作業靴などを着用、廃棄方法にも対策マニュアルが示されています。（出典：環境省「建築物等の解体等に係る石綿ばく露防止及び石綿飛散漏えい防止対策徹底マニュアル」引用）

アスベスト除去作業の対策用品とは？

石綿（アスベスト）による労働災害、作業者の健康を損なわないためにも徹底した安全対策が求められます。石綿除去作業レベルに応じた保護具の区分が設けられていますが、本稿ではリフォームや改築時にも使用可能なアスベスト対策用品をご紹介いたします。

呼吸保護具【取替え式防じんマスク】

アスベスト除去作業用の呼吸保護具（マスク）は、作業レベルにより区分1～4に分類されます。

• 区分1：面体形及びフード形の電動ファン付き呼吸用保護具等
• 区分2：全面形取替え式防じんマスク
• 区分3：半面形取替え式防じんマスク
• 区分4：取替え式防じんマスク

3M（スリーエム）社製取替式防じんマスクは厚生労働省国家検定RL3合格品で、区分3～4に対応しています。粒子補修効率99.9％以上で、ミクロの粉塵も通しません。軽量で、改築やリフォーム時のアスベスト清掃作業に適しています。重心位置が最適になるように設計されているため、着用時の負担が軽減され、視野を広く確保して作業性に優れた防じんマスクです。

3M社製取替式防じんマスク『60002097RL3、60002091RL3』は1個から当日または翌日出荷対応いたします。

保護衣【防護服・保護メガネ】

アスベスト除去作業用の保護衣（防護服）は、外部への持ち出し、二次感染のリスクを排除するために使い捨てタイプを選択し、アスベスト除去作業場所から退出の都度廃棄する必要があります。密閉性の高いJIS T8115タイプ5（浮遊個体粉じん防護）、欧州EN規格タイプ5（浮遊個体粉じん防護）同等以上のものをご選択ください。ベストパーツオンラインでは欧州EN規格に適合した3M（スリーエム）社製化学防護服をラインナップしております。帯電防止処理が施されており、アスベスト除去作業に使用できるほか、工場の清掃やメンテナンスなどにも使用可能です。

3M社製全身化学防護服『4520』は、1着単位でお取り寄せ可能です。4サイズ展開しています。

また、半面形の呼吸保護具を使用する場合は、目元を危険な浮遊粉塵から守る保護メガネ（JIS T8147適合品、通気孔無しのタイプ）の着用が推奨されています。顔に密着するゴーグルタイプのものはメガネタイプと比べると顔に密着するので隙間から粉塵が入るのを防ぐことができます。くもり止め加工が施されており、マスクを着用して作業する際もクリアな視界をキープできます。

山本光学社製保護メガネ『YG-6000BK』は1個からお取り寄せ可能です。

アスベスト廃棄物袋

アスベスト除去作業後の廃棄物袋は黄色または透明の内袋、透明無地の外袋、それぞれ大・中・小サイズ合計9種類をラインナップしています。黄色または透明の内袋は、内容物がアスベストであることと、アスベストに関する注意事項が印字されています。透明無地の外袋は同じサイズの内袋に被せて厳重に二重梱包して使用します。アスベスト廃棄物用袋は、全て0.15ｍｍと厚みがあるため破れにくく、万が一アスベストが外に漏れ出すのを防ぎます。ただし、アスベストの廃棄に関しては各市町村及び自治体によって異なります。ご確認の上、各市町村及び自治体の定める排出手順に従って適切に排出と処理を行って下さい。

サンキョウプラテック社製『アスベスト廃棄物袋』は1箱単位でお取り寄せ可能です。排出および処理方法に関しては各市町村および自治体の定める方法に従って下さい。

まとめ

アスベストは繊維がとても細かく飛散しやすいため、吸い込んでしまうと人体に悪影響を及ぼす危険性が高まります。そのため除去作業に従事する作業者は特別教育を受け、安全基準を満たした服装で作業を行うように義務付けられています。本稿でご紹介したほかにも、ヘルメットや作業靴、手袋などの保護具も必要です。アスベスト除去作業に対応した業務用バキュームクリーナーについてはこちらのブログにてご紹介しております。実施する作業内容に応じてマニュアルに基づいた適切な対策を行い、常に安全な環境を提供できるようにしましょう。