塩害地域のサビ止めには作業性と防錆性を兼ね備えた「ローバル」がオススメ!
場所を問わずに施工できる「塗る亜鉛メッキ」
塩害地域で多く採用されている「溶融亜鉛メッキ」。溶融亜鉛メッキは、460℃以上の高温で溶かした亜鉛槽の中に鋼材を浸して、表面に亜鉛の被膜をつくっているので、特定のメッキ工場でしか処理できません。そのため、古くなってメッキが剥がれてきた際には、サビ止めによる補修が必要です。「常温亜鉛メッキ」とも呼ばれる「ローバル」は、場所を問わずに塗るだけで高い防錆効果が得ることができます。
溶融亜鉛メッキの最高グレードである「HDZ55」と同等の防食性能
HDZとはJIS H8641による溶融亜鉛メッキの品質を定めた規格です。「HDZ55」は、その中でも最高グレードで、1㎡あたりのめっきの付着量が550g以上のもので、海岸沿いの塩害地域などの過酷な腐食環境下で求められる規格となっています。ローバルは鉄面であれば80㎛以上を塗布、亜鉛メッキ面であれば40㎛以上塗布することで「HDZ55」同等の性能を発揮することが証明されています。
種類 | めっき付着量 | 適用例 |
HDZ35 | 350g/m²以上 | 都市地帯のような標準的な環境の箇所、及び塗装の下地となる場所 |
HDZ45 | 450g/m²以上 | 工場地帯のようなやや腐食環境で厚めっきが必要な個所 |
HDZ55 | 550g/m²以上 | 海岸のような過酷な腐食環境下で特に厚めっきが必要な個所 |
1液タイプで作業性が抜群
配合の必要がない1液タイプですので、ふたを開けて攪拌するだけで塗布が可能です。また、プライマーを必要としませんので亜鉛メッキ面に直接塗布することができ塗装工程を大幅に削減しています。
対象素材 | |||
鉄 | 〇 | ZAM | 〇 |
溶融亜鉛メッキ | 〇 | スーパーダイマ | 〇 |
電気亜鉛メッキ | 〇 | エコガル | 〇 |
ステンレス | 〇 | ユニクロメッキ | 〇 |
ガルバリウム鋼板 | 〇 |
最強の防錆性能とコスパを誇る定番品「ローバル」
品 番 | 仕様 | 亜鉛含有量 | 乾燥時間 | 容量 |
R-1000 | ハケ塗り | 96% | 約30分(23℃) | 1kg |
R-300 | スプレー | 300㎖ |
防カビ・抗菌性能も兼ね備えた「ローバルアルファ」
金属亜鉛以外の顔料(アルミなど)を一切使用せず、亜鉛末をリン片状に特殊加工することで溶融亜鉛メッキに近い金属感のあるシルバー色を再現した「ローバルアルファ」 。加えて、特殊加工を施した亜鉛顔料は「防カビ」「抗菌」に効果のある活性亜鉛イオンとなり、カビや菌の繁殖を抑制します。単品での使用の場合は、膜厚80μmを確保するよう塗布してください。広範囲での塗装や腐食環境の厳しい場所にはローバルを下塗りしてからの使用をおすすめいたします。
品 番 | 仕様 | 亜鉛含有量 | 乾燥時間 | 容量 |
RA-0.7KG | ハケ塗り | 92% | 約60分(23℃) | 0.7kg |
RA-420ML | スプレー | 420㎖ |
シルバー色仕上げでローバルの上塗りに最適な「ローバルシルバー」
アルミ顔料を配合することで、落ち着きのあるシルバー色を再現した「ローバルシルバー」。単品での使用の場合は、膜厚80μmを確保するよう塗布してください。広範囲での塗装や腐食環境の厳しい場所にはローバルを下塗りしてからの使用をおすすめいたします。
品 番 | 仕様 | 亜鉛含有量 | 乾燥時間 | 容量 |
RS-0.7KG | ハケ塗り | 83% | 約45分(23℃) | 0.7kg |
RS-420ML | スプレー | 420㎖ |
他社の塗料で上塗りが可能な「エポローバル」
ローバルのさび止め能力はそのままに、他社塗料(弱溶剤形)による上塗りに対応した「エポローバル」。1液形特殊エポキシ樹脂を使用することで、ローバルに比べ耐熱性と耐溶剤性が向上しています。錆対策に加えて、美観性やデザイン性を求める場合に最適です。
品 番 | 仕様 | 亜鉛含有量 | 乾燥時間 | 容量 |
ER-1KG | ハケ塗り | 96% | 約30分(23℃) | 1kg |
1回塗りで膜厚80μmを形成できる「厚膜ローバル」
JIS溶融亜鉛メッキ規格の最高グレードであるHDZ55と同等のさび止め効果のある厚い塗膜(80μm)を1回塗りで形成することができる「厚膜ローバル」。屋外での使用もジェット噴射で風に流されにくく、作業時間を大幅に短縮できます。
品 番 | 仕様 | 亜鉛含有量 | 乾燥時間 | 容量 |
HR-420ML | スプレー | 96% | 約30分(23℃) | 420㎖ |
塗装のポイント
- 広い範囲の場合は、「サンダー」や「ディスクグラインダー」を使用し、狭い範囲の場合は「ワイヤーブラシ(品番:H-5)」やサンドペーパーを使用して、水分・油分・黒皮・サビ・古い塗膜を除去し、きれいな金属面を露出させます。
- 塗料が全体が均一になるよう十分に混ぜます。
- サビ止め能力は膜厚に比例しますので、あまり塗り伸ばさず2回塗りを必ず実施して下さい。たっぷり塗るためにも、腰が柔らかく塗料含みが良い「目地刷毛」や「ローラー」をお選びください。
まとめ
「亜鉛メッキ」を扱いやすい1液タイプの塗料で実現した「ローバルシリーズ」。高温か常温かを問わず、古くなった亜鉛メッキのリフレッシュや補修はもちろん、メッキの代替や鉄のサビ止め塗装に至るまで、50年以上の永きにわたり様々な分野で使用されています。使用するにあたって気を付ける事は、塗る前にサビをしっかり落とすこと、必ず1回塗って乾燥後にもう1回塗る2回塗りをすることです。これだけで、現場にいながら亜鉛メッキを施すことができる「ローバルシリーズ」は、最もカンタンで確実、そして実績も十分なプロ用の防食処理と言えます。
佐々木瞭
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