給湯器の施工費は追い焚き部材でコストダウン
※2019年3月15日に公開した記事ですが、修正して2020年9月8日に再度公開しました。
コストダウンのキーワードは樹脂化ですが・・・
近年、コストダウンのキーワードは樹脂化です。しかし、給水圧がかかる部分の樹脂化には、大きなリスクが伴います。よって、給湯器の施工費圧縮は、給水圧がかからない追い焚き部材の樹脂化に留めておく方が無難です。
約7割も軽い!樹脂製の循環金具
樹脂製は耐久性に不安があるという方に…”PPS”なら大丈夫!
樹脂製は金属製の部材と比較して「耐久性が低いのではないか?」「凍結したら割れる上に解氷作業もできないのではないか?」など、心配や不安の声があるのも事実です。一方で、2012年から業界に先駆けて樹脂ボディの循環金具を取り扱っている私共に、凍結割れや破損によるクレームは未だ1件もありません。今や多くの給湯器メーカーが樹脂製の循環金具を純正採用していることが信頼性の高さを物語っています。
耐熱性・耐久性・強度に優れた強化樹脂”PPS”
樹脂循環金具のボディには、強化樹脂のPPS(ポリフェニレンサルファイド樹脂)を採用しています。耐熱性・耐薬品性・機械的強度に優れるうえ、強い寸法安定性を有しておりますので、耐久性は金属と変わりありません。また凍結については、熱伝導率が低く凍結に至るまで時間が長く掛かる事から、金属と比較して凍結しにくいと言えます。なお、凍結における力は1トンにもなると言われており、完全に凍結した際には金属、樹脂に限らず破裂はまぬがれません。
樹脂製循環金具がコストダウンにつながる4つの理由
金属と比較して価格が安い
最も単純かつ効果の大きいメリットは「製品価格」。材料の価格差に加え、共通部品の量産効果が働くためコストメリットが発生します。多くの機器メーカーの純正品も樹脂ボディに切り替わった今、その差は広がりつつあります。
材質 | 品番 | 接続方式 | 重量(実測) |
PPS樹脂 | SKJ-21LP | ねじ式(R1/2) | 162.53g |
金属(黄銅) | SKJ-21L | ねじ式(R1/2) | 489.16g |
軽量で運搬性が劇的に改善
金属ボディの循環金具と比較して樹脂ボディの循環金具は、重さが約7割も軽量で持ち運びや接続作業が容易です。万が一落とした場合でも、浴槽や浴室床に傷をつける心配がほとんどありません。
材質 | 品番 | 接続方式 | 重量(実測) |
PPS樹脂 | SKJ-21LP | ねじ式(R1/2) | 162.53g |
金属(黄銅) | SKJ-21L | ねじ式(R1/2) | 489.16g |
カンタンに入替え工事ができる
ボディと継手がクイックファスナーまたはクリップで接続されている樹脂ボディの循環金具は、エコキュートなど架橋ポリエチレン管で追い焚き配管する時の挿入作業で威力を発揮します。また、給湯器入替時の循環金具取替作業が容易です。
商品名 | 品番 | 適合配管 | 浴槽厚み | 浴室穴径 |
循環金具L型(13A樹脂管用) | SKJ-31LPT13 | 架橋ポリエチレン管13A | 15㎜以内 | φ50㎜ |
在庫削減効果も大きい
配管方向を指定しない「循環金具SL兼用型」のラインナップから選べば、在庫を半減できてコストダウンにつながります。
商品名 | 品番 | 接続方式 | 浴槽厚み | 浴室穴径 |
循環金具SL兼用型(G1/2) | SKJ-60LP | ねじ式(R1/2) | 15㎜以内 | φ50㎜ |
追い焚き配管を樹脂化してコストダウンする
「最適な追い焚き配管の種類と選び方」の記事でもご紹介いたしましたが、樹脂化によるコストメリットは循環金具だけではありません。銅管や巻フレキシブル管、EPDMゴムのハイブリッドホースを「スマートホース10A(品番:SMH-320)」に変えるだけで、大幅なコストダウンが可能です。
”PVC”の「スマートホース10A(品番:SMH-320)」なら、施工性を犠牲にせずコストダウンができる!
”10A架橋ポリエチレン管”の使用を認めている給湯器には、この「スマートホース10A(品番:SMH-320)」が使えます。他の追い焚き配管との違いは、巻き癖が少なく柔軟、そして軽量で運搬や取り回しが楽なことです。製品単価の安さはもちろんの事、少人数かつ短時間で効率よく仕事がこなせる、見えない部分までコストダウン効果のある追い焚き配管です。
ただし、15年以上同じ追い焚き配管を使い続ける可能性が高い現場では、期待寿命が長い特殊EPDM製の「ハイブリッドホース長尺タイプ(15A)(品番:BJH-420)」をご選定ください。
品番 | 全長 | 外径 | 内径 | 最小曲半径 | 最高使用圧力 |
SMH-320 | 20m | 16.0㎜ | 10.0㎜ | R100㎜以上 | 0.3MPa |
SMH-310 | 10m | 16.0㎜ | 10.0㎜ | R100㎜以上 | 0.3MPa |
まとめ
コストダウン圧力が高まり、あらゆる分野で樹脂化が進んでいます。しかし、給水圧がかかる部分の樹脂化には大きなリスクが伴います。よって、給水圧がかからない追い焚き部材の樹脂化に留めておく方が無難です。例えば、循環金具は樹脂ボディの「SL兼用循環金具(品番:SKJ-10LPT)」、追い焚き配管はPVCの「スマートホース10A(品番:SMH-320)」をお選びいただくと、在庫や施工時間短縮も含めてコストダウン効果が期待できます。
佐々木 克仁
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