
凍結防止対策のキホン!『保温チューブ』は2つのポイントを押さえて選ぼう
「流体温度」と「仕上げ方法」に注目
保温チューブを選定する際、対象となる配管の種類や太さ(外径)、取付ける環境に応じて保温材の厚みがどのくらい必要かの確認も重要ですが、これに加えてぜひ押えていただきたいポイントとして「流体温度」と「仕上げ方法」があります。
選定のポイント① 使用する配管の流体温度で選ぶ
メーカーにより微妙に異なる場合もありますが、ほとんどの場合は「使用温度」や「耐熱温度」という表現をとっています。これは「断続使用温度」と同義で、断続的ならこの温度まで耐えられるという意味で、メーカー各社ほぼ変わりありません。給水配管であれば~70℃、給湯配管に使用する場合は~120℃まで対応できる「給湯用」の保温チューブを選定するようにしてください。万が一使用温度を超える温度帯のものを使用した場合、急激な脆化や劣化が起こり性能の維持が困難になります。
給水用・給湯用は保温材の色で見分けられる
一般的に、保温チューブはポリエチレンフォームが白色であれば給水用(~70℃)と判別できます。被覆の色についてはグレー色が一般的です。一方給湯用(~120℃)の保温チューブは、ポリエチレンフォームの色は赤や茶系で、被覆は白~アイボリー系色であることがほとんどです。
給水用 | 給湯用 | ||
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裸タイプ | 被覆付タイプ | 裸タイプ | 被覆付タイプ |
耐熱温度:~70℃ | 耐熱温度:~120℃ |
※画像はいずれも東レぺフ加工品製の保温チューブです。
選定のポイント② 被覆付と被覆なしで選べる仕上げ方法
保温チューブの選定におけるもう一つの要素「仕上げ方法」。被覆なしと被覆付で全く異なりますので、ご自身のニーズに合ったものを選択してください。
被覆付は施工時間短縮に効果大!
被覆付の保温チューブの仕上げは、被覆の先端にテープがついており、剝離紙をはがして貼り合わせるだけと非常にカンタンなのが特徴です。時間や効率を重視される場合にはこちらをオススメします。一方で曲がり部の美しい処理が難しいという面もあるため、直管部が多い場合に使用すると良いでしょう。
被覆なしはテーピング仕上げが必要だが曲がり部もキレイ
被覆なしタイプの仕上げは、キャンバステープや絹目テープ、保温材用テープといった非粘着テープで行うのが一般的です。被覆付と比較して施工に時間がかかりますが、曲がり部の処理が比較的容易なため美観にこだわりたい場合にはこちらがオススメです。
給水用・給湯用保温チューブのラインナップ
ベストパーツオンラインでは、東レぺフ、イノアック、積水化学工業の3社の給水用・給湯用保温チューブを取り扱っております。性能に大きな違いはないため、使用感やコスト感、お手持ちのテープとの色味の相性などでお選びください。また、今回はご紹介しきれませんでしたが、より保温性能の高い保温材厚20㎜の保温チューブも各種取り揃えております。
(※積水化学工業製の保温チューブは、在庫なくなり次第順次同等品に切替予定です。)
まとめ
冷凍・空調配管の結露防止や断熱をはじめ、給湯器の凍結防止対策等でも広く使われている配管用断熱材。中でも発泡ポリエチレン製の保温チューブは、配管や流体の温度、保温材の厚みなどによって様々な種類が存在します。選定の際は、対象となる配管の種類や太さ(外径)を確認するのはもちろんの事、「流体温度」と「仕上げ方法」も大きなポイントとなりますので、現場の環境や条件に合わせてご選定ください。作業効率や施工時間短縮を重要視される場合は「被覆付」、曲がり部分の美しい仕上がりを望む場合は「被覆なし」がオススメです。
※この記事は、2023年1月4日に公開されたものを校正し、2025年2月27日に再公開しました。

鈴木 彩香

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