近年、大規模な地震への備えがますます重要視されています。中でも、様々な物の落下・転倒防止は安全性を保つ大きな課題となっています。室内の転倒防止対策は実施していても、屋外の機器への対策が十分に行き届いていない場合もあります。ワイヤーロープは落下防止資材として、照明器具や屋外の看板、室外機の転倒防止、架台や給湯器の振れ止め、アンテナの取付けなどに幅広い用途で効果を発揮します。ワイヤーロープは適切な工具で施工を行えば、非常に信頼性の高い耐震対策手段となり、人的被害のリスクを防ぐことにつながります。

落下防止資材としての利点

耐震対策としてワイヤーロープは、優れた特性を備えています。

1. 高い耐久性：ステンレス素材は、錆びにくく耐候性に優れています。長期間の使用でも劣化しにくく、屋外に設置するエアコンや高効率給湯器の室外機などの耐震対策に適しています。
2. 優れた強度：ワイヤーロープは引っ張り強度が高く、地震などの揺れに対してもしっかり固定できます。重量のある室外機や給湯器の振れ止めとして効果を発揮します。
3. 柔軟性：ワイヤーロープは柔軟で、設置の際に形状を調整しやすく、限られたスペースや複雑な設置環境にも柔軟に対応可能です。
4. 美観：比較的細いため、目立たず、建物の外観を損ないません。

注意するべき点は？

ワイヤーロープには、注意すべき点もあります。

1. 確実な施工：ワイヤーロープを確実に固定するには、専用の金具（スリーブ）や工具（圧着工具）が必要です。また、切断時には専用のカッターが必要です。正しい施工手順を行わないと、固定力が弱まり施工不良につながります。
2. 取り扱い時：わずかでも破損（亀裂やキンク状態）が見られる場合は、強度が低下して破断する危険性があるため、使用できません。さらに、ロープの切断面や破断した箇所でけがをする可能性もあります。
3. 振動吸収性：ワイヤーロープはある程度の衝撃や振動を吸収しますが、現場や取付ける環境によっては補助的な振動吸収材を併用する必要があります（エアコン室外機の振動音が気になる場合など）。

安全に使用するためには事前に使用荷重を確認し、正しく守り、専用工具で確実に固定しましょう。

ステンレスワイヤーロープのラインナップ

ベストパーツオンラインでは、以下の2サイズのステンレスワイヤーロープをご用意しています。

ステンレスワイヤーロープは1巻から当日出荷いたします。

※荷物を吊り下げる用途には使用できませんので、あらかじめご了承ください。

ワイヤーロープをかしめる専用アイテム

強固なワイヤーロープをかしめる（圧着）ためには、専用のスリーブと圧着工具が必要です。アーム産業の「アームオーバルスリーブ」は、ワイヤーロープをスリーブの中に通し、専用圧着工具「アームスエージャー」を使用することで、現場でも簡単にかしめて固定用の台付ワイヤーロープを製作できます。

アームオーバルスリーブ（アルミ製かしめ）

アームオーバルスリーブ（アルミ製かしめ）は、適合するワイヤーロープの直径に応じたサイズをお選びください。

商品コード：OS-1B（2.0mm用）およびOS-3A（3.0mm用）は、1袋から当日出荷いたします。

※OS-1Bは在庫限りで商品コードOS-2.0に変更予定です。OS-3Aは在庫限りで商品コードOS-3.0に変更予定です。

アームスエージャー（ワイヤー圧着工具）

アームスエージャーはアームオーバルスリーブ専用の圧着工具です。ワイヤーロープの圧着だけでなく切断も可能なため、1丁で2つの役割をこなし、現場での作業がスムーズに行えます。

アームスエージャー（商品コード：HSC-350・HSC-600）は1丁からお取り寄せいたします。

まとめ

ワイヤーロープを使った固定は、非常に信頼性の高い耐震対策となります。ワイヤーロープは耐久性の高いステンレスワイヤーロープがおすすめです。施工する際は、正しい手順を守り、専用のスリーブや圧着工具を使用することで強度を高め、落下や転倒による人的被害を防ぐことができます。いざという時のために、事前に耐震対策を見直し、しっかりと補強しておくことをおすすめします！