狭小住宅の室外機問題を解決！既存室外機に二段置用架台を被せる設置方法

2024.06.17

佐々木瞭

昨年の夏は特に厳しく、40℃を超える酷暑日も観測されました。しかし、今年はそれを超える「観測史上1位の暑さ」になると予想がされています。その影響で、エアコンがこれまで設置されていなかった部屋だけではなく、廊下や洗面所、玄関といった各スペースへの増設の動きがみられています。その際に問題となるのが、室外機の設置場所です。特に狭小住宅の場合、限られたスペースに室外機ユニットを設置するのは一筋縄ではいきません。本稿では、既存の室外機ユニットの上に「二段置用架台」を被せて設置する方法について詳しく解説していきます。

1. 二段置用架台を被せて設置する効果とメリット

二段置用架台を被せて設置する効果とメリット

降雪地帯以外では、エアコンの室外機を固定するために「プラロック」や「設置台」のような樹脂製架台を一般的に使用します。砂利地の場合には、安定感があるコンクリート製の「スライドベース」が好まれます。このような状況の中でエアコンを増設する場合、室外機ユニットを横に並べて設置するのが一般的ですが、窓、植栽、日射の影響や他の障害物の存在でこの配置が難しい場合もあります。しかし、プラロックやスライドベースに固定してある既存の室外機ユニットの上から「二段置用架台」を被せて設置することで、縦のスペースを活用して設置できるようになります。

二段架台を被せて設置する方法

室外機ユニットの増設を考慮する際、適切な二段架台の選定が非常に重要です。まず、既設の室外機ユニットの外径寸法を正確に測定します。この寸法が二段架台のタテフレーム、ヨコフレーム（※図2参照）の間に収まることが大前提となります。適切なサイズの二段架台を選んだ後、下段の室外機ユニット積載フレームを取り外した状態の二段置用架台を被せます。最後に上段に新しい室外機ユニットを固定することで施工が完了します。

図１：二段置用架台を組立後、既存の室外機に被せれば省スペースで施工できます。

室外機の外径寸法を考慮した二段置用架台の選定基準

二段置用架台の選定において、室外機のサイズと重量が最も重要な要素です。さらに、上から被せて設置する場合、既設の室外機ユニットの外径寸法も考慮する必要があります。選択した二段置用架台の内部寸法と室外機の外径寸法が一致しないと、設置が難しくなるため注意が必要です。以下に、ベストパーツオンラインで受注当日に出荷している二段置用架台におけるタテフレーム、ヨコフレームの内部寸法、そして上段の室外機ユニット積載フレームの高さ寸法を含んだ「据付可能寸法」を示します。この情報をもとに、適切な選定と確実な施工を目指しましょう。

図２：架台のタテフレーム内部寸法をa、ヨコフレーム内部寸法をb、上段の室外機ユニット積載フレームまでの高さ寸法をc、地面から下段フレームまだの高さをdと表しています。

品番	据付可能寸法
	幅a(㎜)	奥行b(㎜)	高さc(㎜)	下段フレーム高さd(㎜)
C-WG-S	700	300	619～758	54～374※
C-WG	744	320	702～841
C-WG-L	844	360
C-WJ-LH2	827	359	805～1025	53～373※
C-WJ-LLH	893
C-WZJ-2	727	319	645～865
C-WZJ-L2	827	359
C-WZJ-LH			805～1025
C-WZJ-LLH	893		645～865
PC-NJ38	951	418	740	239
PC-NJ310			938
PC-NJ68	1151	438	738
PC-NJ610			938

※「クーラーキャッチャー」（品番がC-で始まるもの）は、既設の室外機ユニットの配管と干渉しないよう、上段の室外機ユニット積載フレームの高さを上記の範囲内で調節することができます。

クーラーキャッチャーの二段置用架台のラインナップ

粉体塗装仕上げ

「二段置用架台（粉体塗装仕上げ）」は1台から当日出荷です！

品番	室外機固定寸法		W	D	H
	幅	奥行
C-WG-S	300～650	140～320	770	374	822
C-WG	300～700	160～340	814	394	906
C-WG-L	400～800		914	434
C-WJ-LH2	400～750	200～380		433	1089
C-WJ-LLH	400～800		980

溶融亜鉛メッキ仕上げ

「二段置用架台（溶融亜鉛メッキ仕上げ）」は1台から当日出荷です！

品番	室外機固定寸法		W	D	H
	幅	奥行
C-WZJ-2	300～650	160～340	814	393	929
C-WZJ-L2	400～750	200～380	914	433
C-WZJ-LH					1089
C-WZJ-LLH	400～800		980

まとめ

この夏は特に厳しい暑さで、エアコンの増設の動きが高まりましたが、狭小住宅等の限られたスペースでの室外機ユニットの設置が課題となっています。この記事では、既設の室外機ユニットの上から「二段置用架台」を被せて設置する方法をご紹介しており、適切な架台の選定とそのメリット、そしてベストパーツオンラインで取り扱っている二段置用架台の詳細についても解説しました。この情報を参考に、スペースを効率的に活用したエアコン設置を検討してみてください。

※この記事は2023年9月14日に公開した内容ですが、校正し直し2024年6月17日に再度公開しました。