
通電せずに注水やエア抜きの作業ができる。手動開閉機能がついた熱動弁。
※この記事は2020年2月5日に公開した記事ですが、修正し2020年11月4日に再度公開しました。
手動で開閉できるから通電せずに循環液注入
循環液注入やエア抜きの作業は、1回路毎に注水するのがセオリーです。「熱動弁(手動開閉付) (品番:HP370M)」は電源がOFFの時にバルブが「閉」状態なので、循環液の注入またはエア抜き作業の際は、回路またはゾーン別に取り付けたコントローラまで行き、スイッチを入れ熱動弁に通電させて「開」の状態なるまで数分間待たなければなりません。作業が完了したら、コントローラまで行ってスイッチを切り、熱動弁が「閉」になるまで数分間待つことになります。この作業を回路の数だけ繰り返すので、エア抜き作業が1日で終わらないこともあります。
手動で弁を開閉できる画期的な熱動弁(品番:HP380M)
「熱動弁(手動開閉付) (品番:HP370M)」は、アクチュエータ部分を40°程度回転させると、瞬時に熱動弁を「開」の状態にすることができます。もちろん作業終了後は、その逆に回すだけで熱動弁を「閉」の状態に戻せます。この機能により、ヘッダーから注水している現場はヘッダーから、熱源機から注入する現場は熱源機から、それぞれ離れることなく効率よく作業が行えます。
品番 | ねじ | 突入電流 | 消費電力 | コード長 |
HP370M | R1/2 | 1A | 3W | 25cm |
手動開閉機能の使い方

通常使用時の状態。非通電状態では「閉」になっている。

手動でバルブを「開」にした状態
アクチュエーターの厚みはバルブボディと同じ30mm。重量は290gと従来品より約20%も軽量。

熱動素子が入っているアクチュエーター部分は、一番大きい場所で同じ30mmととてもスリムです。ねじ込む際に必要になるスパナなどの工具を入れることが容易です。
温水暖房用のねじ込みヘッダーの枝管のピッチは60mm以下とスペースが限られます。「熱動弁(手動開閉付) (品番:HP370M)」のアクチュエーター部は小型化されているので作業性がよく、重量は約290gと同じR1/2接続の「熱動弁(品番:HP305K)」と比較して20%も軽量なので、ヘッダーを壁掛設置する場合の施工が容易になります。
使用できる流体の温度は0~90℃と温水暖房に最適
近年は住宅性能が向上し、温水の温度も低く設定されることが増えてきました。しかしながら少ない放熱端末で暖房感を得る為に、高い送水温度を要求されるケースもあります。「熱動弁(手動開閉付) (品番:HP370M)」は、0~90℃の流体に対応しており温水暖房用途では十分な耐熱温度を有しているといえます。もちろん流体には不凍液を使用してOKです。
熱動弁と合わせて使用したい「回転ニップル(品番:OS-406)」
コンパクトサイズの「熱動弁(手動開閉付) (品番:HP370M)」ですが、配管ピッチが狭いヘッダーなどでは本体を直接回して施工することは難しい場合があります。そんな時にオススメしてるのが「回転ニップル(品番:OS-406)」。ヘッダーや熱動弁と同じテーパねじ仕様なのできちんと勘合し漏水のリスクを低減します。
回転ニップル(品番:OS-406)
品番 | ねじ | 全長 |
OS-406 | R1/2✕Rc1/2 | 48.5mm |
まとめ
軽量、コンパクトでアクチュエーターに通電させることなく手動で弁を「開」にできる画期的な「熱動弁(手動開閉付) (品番:HP370M)」を使用すれば、循環液注入やエア抜き作業の工程を電気工事の進捗に振り回されずに任意で設定することができます。また、熱動弁の動作時間を待つ無駄な時間も削減できるので、施工時だけでなく、メンテナンス時にもこれまで以上に効率の良い作業を行うことができます。

大宮彰大

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