
舗装で違う。ロードヒーティング用架橋ポリエチレンパイプの選び方
※この記事は2019年1月22日に公開した記事を、2020年9月9日に修正しておりましが2022年11月25日に再度内容を修正し公開しました。
駐車場舗装の種類によって架橋ポリエチレンパイプを選ぶ
駐車場やアプローチの舗装の種類は様々。コストと工期を優先すれば「アスファルト舗装」、美観と耐久性を優先すれば「コンクリート舗装」、ひび割れしにくい「インターロッキング舗装」、いつでも緑色の「人工芝舗装」、安く泥汚れを防ぐ「敷砂利舗装」が代表的です。いずれにしても埋設配管なので腐食環境にありますが、中でも「アスファルト舗装」には注意が必要です。
舗装に合わせてパイプを選べばパイプの脆化は防げる
打設工程で加えられる熱と不純物が金属や樹脂に悪い影響を及ぼします。特に「アスファルト舗装」では、敷きならしから転圧の工程で約110℃~170℃にもなるため架橋ポリエチレンパイプが軟化・変形したり、不純物によって脆化が促進されることで漏水事故に発展する恐れがあります。一方、「コンクリート舗装」は敷きならし時でも約5℃ですから他の舗装や湿式の床暖房と同じ部材で対応可能です。このことから、ロードヒーティングに用いる架橋ポリエチレンパイプは、駐車場舗装の種類に合わせて「エクセルパイプFH」と「エクセルパイプRA」を使い分けることをご提案いたします。
コンクリート舗装する駐車場には「エクセルパイプFH」
「低圧暖房用架橋ポリエチレン管JPXA401」という床暖房用パイプの規格適合品である「エクセルパイプFH」は、コンクリート舗装のロードヒーティングに適しています。アスファルトと違ってコンクリートを打設する際は約5℃ですので、裸管を湿式の床暖房のように施工していただいて問題ありません。
品番 | 呼び | 外径(φ) | 内径(φ) | 肉厚 | 保有水量(ℓ/m) | 全長(m) |
XLFH-13 | 13A | 17.0 | 13.0 | 2.0 | 0.13 | 100 |
XLFH-13-300 | 13A | 17.0 | 13.0 | 2.0 | 0.13 | 300 |
XLFH-13-500 | 13A | 17.0 | 13.0 | 2.0 | 0.13 | 500 |
XLFH-16 | 16A | 21.5 | 17.5 | 2.0 | 0.24 | 100 |
XLFH-16-300 | 16A | 21.5 | 17.5 | 2.0 | 0.24 | 300 |
XLFH-16-500 | 16A | 21.5 | 17.5 | 2.0 | 0.24 | 500 |
アスファルト舗装する駐車場は「エクセルパイプRA」
「エクセルパイプRA」は、「エクセルパイプFH」に特殊アルミフィルムを巻き付けているもので、アスファルト舗装のロードヒーティングに最適です。なぜなら、特殊アルミフィルムには、無秩序でコントロールできない不純物を含むアスファルトによる架橋ポリエチレンパイプの脆化を防止する効果が期待できるからです。それでも、架橋ポリエチレン管が軟化しないよう、打設する際に約160℃~170℃にもなるアスファルトの温度を140℃以下で管理し、パイプ径を保つために冷水を循環させながら施工する必要があります。
品番 | 呼び | 外径(φ) | 内径(φ) | 肉厚 | 保有水量(ℓ/m) | 全長(m) |
XLRA-13 | 13A | 17.0 | 13.0 | 2.0 | 0.13 | 100 |
XLRA-16 | 16A | 21.5 | 17.5 | 2.0 | 0.24 | 100 |
パイプと継手はそれぞれ同一規格を使う
継手を選ぶ際には、「エクセルパイプFH」と「エクセルパイプRA」にはJIS規格がないので、「低圧暖房用架橋ポリエチレン管JPXA401」に既定のあるサイズの継手を組合せます。特に注意したいのは、輸入品はもちろん国産であってもJIS規格のパイプと「低圧暖房用架橋ポリエチレン管JPXA401」では肉厚が異なりますので、内径だけで判断してはならない点です。
黄銅継手ならコレ!
壁面にヘッダーボックスを設置する現場では、ヘッダー周りの継手は黄銅で問題ありません。例えば、「カポリ2🄬オスアダプタ(品番:KSJ1-1313)」は、パイプの肉厚にあわせてナットを締めつけるねじ込み式なので、O2ストップパイプにもオススメです。
品番 | 適合樹脂管 | Rねじ | 全長(mm) |
KSJ1-1313 | 13A | 1/2 | 41.0 |
KSJ1B-1316 | 16A | 1/2 | 41.0 |
KSJ1B-2016 | 16A | 3/4 | 44.0 |
埋設部には必ず青銅製継手を使用してください
ロードヒーティングで埋設部に継手を使用する場合は、必ず耐腐食性の高い青銅製の継手をご使用下さい。というのも、黄銅製の継手を使用すると地中の鉱物と反応し腐食が進行し漏水リスクが高まるからです。また、ヘッダーを埋設する場合にも同様に青銅製の継手を使用して下さい。
カポリ2🄬ソケット
品番 | 樹脂管 | 全長 |
KSJ3-10C | 10A | 47mm |
KSJ3-13C | 13A | 51mm |
KSJ3-16C | 16A | 51mm |
オスアダプタ
品番 | 樹脂管 | ねじ | L |
XL13A-1/2M-S | 10A | R1/2 | 46mm |
XL16A-1/2-M-S | 13A | 46mm |
まとめ
ロードヒーティングに使う架橋ポリエチレンパイプには、「エクセルパイプFH」と「エクセルパイプRA」の2種類があります。駐車場をコンクリート舗装する場合は約5℃程度ですので「エクセルパイプFH」、アスファルト舗装する場合は、アスファルトに含まれる不純物からパイプを保護する「エクセルパイプRA」ををお使いください。継手は、輸入品はもちろん国産であってもJIS規格のパイプと「低圧暖房用架橋ポリエチレン管JPXA401」では肉厚が異なりますので、「カポリ2🄬オスアダプタ(品番:KSJ1-1313)」や「オスアダプタ(品番:XL13A-1/2M-S)」がオススメです。

大宮彰大

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