ガスフレキ管とプッシュインパクトの真実
※この記事は2019年9月20日に公開しましたが、追記、修正し2023年5月18日に再公開しました。
プッシュインパクトで全メーカーのガスフレキに対応できる?
ガスフレキシブル管(以下「ガスフレキ管」)の登場で、住宅用低圧部配管はほぼガスフレキ管に統一されました。ガスフレキ管の製品仕様は、日本ガス協会と高圧ガス保安協会が作成した共通規格に基づいているので、桑名金属工業(旧日立金属)製の「プッシュインパクト」で全メーカーのガスフレキ管に対応できてとても便利です。
その上、桑名金属工業(旧日立金属)製品で統一すると、便利なだけでなく施工性と安全性を高められるので検討することをオススメします。
互換性があるガスフレキ管
「ガスフレキ管」および「ガスフレキ管継手」はJISではありませんが、都市ガスでは日本ガス協会が定めた「ガス用ステンレス鋼フレキシブル管(フレキ管)標準仕様書」、LPガスでは高圧ガス保安協会が定めた「液化石油ガス配管用フレキ管(フレキ管継手を含む。)基準」に基づいて設計製造されています。そのため、製品どうしは互換性があり、新旧製品はもとより他社製品とも互換性があります。
「ソフレックス🄬」ならではの安全機能
本品は、屋外はもちろん浴室内や浴室下部での露出配管は厳禁です。なぜなら、屋外露出配管の場合は紫外線や風雨、浴槽内では湯水や洗剤等の外的要因により被覆が傷んでしまい、後ほどご説明いたします「サンマップ」まで漏洩したガスを運ぶことができなくなるからです。ですから、「専用のさや管」や「エネモール」などの化粧カバーを一緒にご使用になることをオススメしております。
都市ガス用「ソフレックス🄬」ラインナップ
品番 | 規格 | 外径(φ) | 全長(m) |
K10-30S | 10A | 15.7 | 30 |
K15-30S | 15A | 19.9 | |
K20-30S | 20A | 25.7 | |
K25-30S | 25A | 32.3 |
LPガス用「ソフレックス🄬」ラインナップ
品番 | 規格 | 外径(φ) | 全長(m) |
K10-30S-L | 10A | 15.7 | 30 |
K15-30S-L | 15A | 19.9 | |
K20-30S-L | 20A | 25.7 | |
K25-30S-L | 25A | 32.3 | |
K10-60S-L | 10A | 15.7 | 60 |
K15-60S-L | 15A | 19.9 | |
K20-60S-L | 20A | 25.7 |
施工性だけでない!安全性を高める機構が魅力「プッシュインパクト」
どのメーカーの「ガスフレキ管」も「プッシュインパクト(桑名金属工業)」や「ネオジョイント(日本継手)」が使えるのであれば、ガスフレキ管とガスフレキ管継手の選定基準は価格だけと考えがちです。しかし、この後にご説明いたします桑名金属工業(旧日立金属)製の「プッシュインパクト」と「ソフレックス🄬」を組合わせるメリットを知ってから判断しても決して遅くありません。
都市ガス用片ねじソケット(プッシュインパクト)
品番 | ガスフレキ挿入口 | ねじ | 全長(mm) | 六角対辺(mm) |
FIS-1015 | 10A | R1/2 | 59 | 24 |
FIS-1515 | 15A | 65 | 29 | |
FIS-2015 | 20A | 71 | 35 | |
FIS-2020 | R3/4 | 72 | ||
FIS-2520 | 25A | 86 | 41 | |
FIS-2525 | R1 | 89 |
LPガス用片ねじソケット(プッシュインパクト)
品番 | ガスフレキ挿入口 | ねじ | 全長(mm) | 六角対辺(mm) |
FIS-1015L | 10A | R1/2 | 59 | 24 |
FIS-1515L | 15A | 65 | 29 | |
FIS-2020L | 20A | R3/4 | 72 | 35 |
FIS-2520L | 25A | 86 | 41 | |
FIS-2525L | R1 | 89 |
※片ねじソケット以外にも各種ラインナップがあります。
プッシュインパクトの安全性を高める機構
長期的な安全性能を担保するスプリング
第4世代「プッシュインパクト(桑名金属工業)」の安全機構のひとつは継手に内蔵されたスプリング(6)。施工後、このスプリングがパッキン(3)を「ガスフレキ管」に押し続けるため、経年でやせるパッキンの面圧が維持でき長期的なシール性能が期待できるというのは「プッシュインパクト」ならではの安全機能です。
また、「ガスフレキ管」を挿入すると、このスプリング(6)がリテーナ(4)という部品を押し上げカチッと音がしてロック機構が働きます。これにより第3世代の「ワンプッシュ」や現行の「ネオジョイント(日本継手)」に必要なスペーサーを取り外しナットを押し込む作業が不要となりワンアクションで素早く確実な施工が可能になりました。
継手だけでガスフレキ管のガス漏れが検知できる「サンマップ」
いつも「ソフレックス🄬(桑名金属工業)」を使って施工している方でも、このサンマップ(12)をご存じない方も少なくないと思います。サンマップ(12)とは、隠ぺい配管されたフレキ管に釘などが打込まれた際、継手部分だけでガス漏れが検知できるようにするための継手内部の小さな部品。継手の青いインジケータ(7)付近からガス漏れしている場合は継手接続部、継手付近の被覆を剥がしても水密パッキン(8)付近からガス漏れしている場合には釘などが打ち込まれた「ガスフレキ管」からガスが漏れていると判断できます。
このサンマップまで漏れたガスを運ぶ役割が「ガスフレキ管」の被覆の内側にある凹凸の溝。万が一フレキ管に釘打ち等で穴が開いた場合、漏れたガスがその溝を伝ってサンマップまで到達し、目視確認できない場合でも漏洩確認ができるような仕掛けなのです。現場でガス漏れが検知された場合、このことを覚えていれば無用な確認作業が必要なくなります。この安全機構こそ、桑名金属工業(旧日立金属)製の「プッシュインパクト」に「ソフレックス🄬」と組合わせるメリットです。
徐々に減る施工者依存度
従来の白鋼管や被覆鋼管などを用いたねじ接続配管の鋼管工法はもちろん、「ガスフレキ管」発売当初に使用していた「ガスフレキ管継手」は、工具によるナットの締め付けが必要でしたが、桑名金属工業(旧日立金属)が「ワンプッシュ」を発表してからガスフレキ管を挿入するだけで施工が完了するため、狭いスペースや短い工期にも充分対応できるうえ安全性にも非常に優れた製品になりました。
更に、第4世代と言われる「プッシュインパクト(桑名金属工業)」になると、旧世代の商品で危惧されていた「差し込み不足によるガス漏れの危険性」も、様々な工夫や改良で改善されています。
まとめ
「ガスフレキ管」と「ガスフレキ管継手」にはメーカー間の互換性があります。しかし、桑名金属工業(旧日立金属)製のガス用フレキ管「ソフレックス🄬(桑名金属工業)」にガスフレキ管継手「プッシュインパクト(桑名金属工業)」を組合わせて使えば、施工性の向上に加え、釘打ち等で穴が開いた隠ぺい部のガスフレキ管から漏れたガスを「サンマップ」を利用して漏洩確認ができるメリットが得られます。
永井達也
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