都市ガス用の配管用シール剤の選択:チューブタイプ vs ハケ塗りタイプ
チューブタイプシール剤とハケ塗りタイプシール剤の比較
業界のニーズに応じた最適なシール剤を選ぶために、まずはガス事業者に人気のあるチューブタイプシール剤と伝統的なハケ塗りタイプシール剤の主要な違いを見ていきましょう。ここでは、スリーボンドの「配管シール剤(品番:TB4320B)」と日本ヘルメチックスの「配管シール剤(品番:G-1)」の2つの製品を具体例として比較します。内容量の違いは一目瞭然ですが、施工性や保管のしやすさなど、その他の違いも詳しく検証します。
配管用シール剤(品番:TB4320B) | 配管用シール剤(品番:G-1) | |
外 観 | ||
施 工 | 付属の回転ノズルで塗布 | 付属のハケで塗布 |
内容量 | 230g(約158ml) | 500g |
色 | アイボリー | グレー |
主成分 | アルキッド樹脂 | 合成樹脂系 |
施工性の良い回転塗布ノズル付きのチューブタイプシール剤
スリーボンド社の特長である回転塗布ノズル付きのチューブタイプ配管用シール剤は、チューブを回転させたり持ち手を変えたりせず、誰でも簡単にネジ部にシール剤を塗布できます。
「無溶剤不乾性都市ガス配管用シール剤(品番:TB4320B)」の特長
TB4320Bは、キッド樹脂を主成分とした一液性無溶剤ガス配管用シール剤です。都市ガス専用で、10Aから80Aまでの配管に使用可能です。不乾性のため化学的に安定しており、作業性にも優れています。
使用期限は製造後約7か月となっていますので注意が必要です。また、施工はしやすい反面、価格がハケ塗りシール剤よりも高い点がネックとなることもあります。
品番 | 使用用途 | 色 | 容量 | 耐熱温度 |
TB4320B | 都市ガス | アイボリー | 230g | -30〜60℃ |
コスト面に優れたハケ塗りタイプシール剤
ハケ塗りタイプのガス配管用シール剤は、作業性や運搬性、価格面での大きな違いは少ないものの、種類が豊富です。これらの製品はそれぞれに特徴とメリットがあり、信頼性と実績のある製品を選ぶことが重要です。ここでは、具体的な製品の特徴を示し、さまざまなタイプの流体に適したシール剤の選び方についてアドバイスします。
市場で広く認知されている「配管用シール剤(品番:G-1)」の特長
日本ヘルメチックス社が製造する「配管用シール剤(品番:G-1)」は、LPガス、都市ガス、天然ガスの密閉封止に広く使用されています。この製品の最大の魅力は、屋内外問わず使用できる高い耐候性です。長年の信頼と実績があり、業界内で高く評価されています。最近は、アイボリー色の外面被覆鋼管に対応した「配管シール剤(品番:G-1-IV)」を使用されるお客様が増えてきています。
このシール剤の利点の一つは、刷毛が蓋の裏側に取り付けられていることです。これにより、使用しない時も最適な状態で保管され、いつでも即座に使用できます。また、無溶剤不乾性粘着形であるため、時間が経っても硬化や劣化の心配がありません。配管が振動や衝撃にさらされてもシール性を維持し、必要に応じて容易に取り外すことが可能です。
ただし、このシール剤は気化状態のLPガスには使用できますが、液化状態のLPガスや燃料油には適していない点に注意が必要です。製品の使用期限は製造から約1年間であるため、使用する際には期限を確認することが大切です。
品番 | 使用用途 | 色 | 容量 | 耐熱温度 |
G-1 | 都市ガス・天然ガス・LPガス(液化状態を除く) | グレー | 500g | -30~50℃ |
G-1-IV | アイボリー |
幅広い用途に対応する「配管用シール剤(品番:G-2)」
日本ヘルメチックス社の「配管用シール剤(品番:G-2・G-2-IV)」は、LPガス・都市ガス・天然ガスの配管に適したハケ塗りタイプの製品です。このシール剤の半乾性粘着形態は、塗布後に表面がわずかに硬化し、液化状態のLPガスや燃料油配管にも使用可能な多用途性があります。硬化時間が長くても作業性への影響は少ないため、さまざまな状況での利用が可能です。なお、使用期限は製造から約1年であり、使用前に確認することが重要です。
品番 | 使用用途 | 色 | 容量 | 耐熱温度 |
G-2 | 都市ガス・天然ガス・LPガス | グレー | 500g | -40~70℃ |
G-2-IV | アイボリー |
まとめ
楠功央
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