ヒューズ機能とは?ヒューズガス栓の仕組みを解説
ヒューズガス栓の基本構造を確認
ヒューズガス栓はその名の通り、規定流量以上のガスが流れると、ガスを止める機構(ヒューズ)の付いたガス栓のことです。メーカーや商品により仕様に差はありますが、基本的なヒューズの構造は規定流量以上のガスが流れると下記の断面図のようにヒューズボールが上昇し、ガスの流れを止めるといったものです。
ヒューズガス栓の種類
ヒューズガス栓は下図のように、大きく分けると、「LA(LB)型ヒューズ&可とう管ガス栓」、「ON・OFFヒューズ&可とう管ガス栓」「ガスコンセント」に区別されます。それぞれ何が違うのか確認をしていきましょう。
LA(LB)型ヒューズガス栓
LA(LB)型は、最も一般的な形のヒューズガス栓です。以下のように、配管の入口側の仕様・出口側の仕様・安全機構といった大きく3つの選定ポイントがあります。
①配管の入口側の仕様の違い
- 配管方式
- LA型(縦配管)
- LB型(横配管)
- 接続方法
- 入口側自在式:狭い場所での作業に適しており、施工順序を問わず取り付けが容易です。
- 入口側固定式:自在式よりも価格が安く、施工場所や予算に応じて選定することができます。
②配管の出口側の仕様の違い
- 配管出口側の口数の違い
- 一口
- 二口
- 器具とガス栓の接続方法
-
- タケノコ口:器具とガス栓をゴム管で接続する場合
- コンセント口:器具とガス栓をガスコードで接続する場合
③安全機構の仕様の違い
ガス漏れによる事故防止のため、中間開栓時にガスが流れない仕組みが内蔵されており、安全機構の仕様を2種類からお選びいただけます。
- ON・OFF式:全開の位置に回さないとガスが流れず、中間開閉時のガス漏れを防止する機構
- リターン式:中間開閉の状態でつまみから手を離すと内蔵されたリターンばねが作動し自動的に全閉の位置につまみが戻ることでガス漏れを防止する機構
■「ON・OFF式」と「リターン式」については、詳しくはこちらのブログでご確認ください。
LA型ヒューズガス栓の一例
品番 | 入口側 | 出口側 | ゴム管長さ |
G013Z-12P | Rc1/2(固定) | 9.5φホースエンド(自在) | 5m以下 |
LB型ヒューズガス栓の一例
品番 | 入口側 | 出口側 | ガスコード長さ |
GPL-4FOCC | Rc1/2(自在) | コンセント口(自在) | 5m以下 |
ON・OFFヒューズ&可とう管ガス栓
ヒューズガス栓と可とう管ガス栓が一体化されたガス栓です。ヒューズガス栓から可とう管ガス栓が分岐されているため、近くに可とう管ガス栓での接続が必要な器具がある場合、新たに配管する必要がなく、一系統で配管できます。ただし、可とう管ガス栓側にヒューズはありませんので注意が必要です。
ON・OFFヒューズ&可とう管ガス栓の一例
品番 | 入口側 | 出口側左 | 出口側右 |
PL-712OR | Rc1/2(自在) | Rc1/2 | φ9.5ホースエンド(自在) |
ガスコンセント
ガスコードに対応した露出型のガス栓です。設置後にも水平方向に360°、二口の場合はコンセント口の各々が垂直方向にも360°回転するため機器に合わせて自在に調整が可能です。
露出型ガスコンセントの一例
品番 | 入口側 | 出口側 | 作動流量(Kℓ/h) |
G053A-12P | Rc1/2 | コンセント口 | 1.2 |
品番 | 入口側 | 出口側 | 作動流量(Kℓ/h) |
G054A-12P | Rc1/2 | コンセント口 | 1.2 |
まとめ
ヒューズガス栓は、ガスコンロやガスストーブなどの燃焼器具の近くに設置され、接続されたガスコードやゴム管が外れた際にガス漏れを防ぐ安全装置です。今回は、ヒューズガス栓の機構の仕組みの解説を踏まえた上でLA(LB)型ヒューズガス栓、ON・OFFヒューズ&可とう管ガス栓、ガスコンセントなどの種類について説明し、それぞれの特徴や選定ポイントを解説しています。是非、ヒューズガス栓の基本構造を理解した上で、それぞれの現場の器具やヒューズガス栓を選定してください。
楠功央
最新記事 by 楠功央 (全て見る)
- 狭小スペースに最適な「壁寄り」「壁ピタ」オイルタンク - 2024年11月14日
- 純正品のガスフレキ用サドルと汎用品は何が違う?詳細を知り使い分けましょう。 - 2024年11月7日
- 自立式ボンベストックで現場の課題を解消! - 2024年10月31日