ヒューズガス栓の「ON・OFF」と「リターン式」って何が違うのか?
※この記事は2018年10月28日、2020年9月4日に公開した記事ですが、新商品を追加して2023年5月2日に再公開しました。
末端で使うヒューズガス栓の安全機構は2種類ある
ガスコンロ、ガスストーブ、ガス炊飯器など、ユーザー様が日頃から使用する燃焼機器の近くに設置されているのがヒューズガス栓です。ユーザーが触れる機会の多いヒューズガス栓は、大きく分けると「ON・OFFヒューズガス栓」、「リターン式ヒューズガス栓」、「LA(LB)型ヒューズ&可とう管ガス栓」、「ガスコンセント」に区別されます。その中でもつまみを押し回してガスを流す「ヒューズガス栓」にフォーカスして説明します。
中間開閉時のガス漏れ防止方法が違う
この機能はヒューズガス栓のつまみが全閉か全開でなければガスを流さないので、例えば大地震で何かが飛んできてぶつかったとしてもガスが流れることを防ぎます。
つまみが中間開栓ではガスが流れない仕組みの「ON・OFF」
「ON・OFF」とは、全開の位置につまみが来ないとガスが流れず、中間開閉時のガス漏れを防止する機構を指します。この「ON・OFF」は藤井合金製作所、光陽産業、伊藤鉄工等のガス栓メーカーの多くが採用している機構であり、中間開栓の状態になってしまってもガスが流れないので非常に安全性の高い機構です。例えば、お子さんとキッチンでよく一緒に料理をするご家庭にはお子さんのガス栓の閉めが不十分だったり、いたずらでガス栓を中間開閉の状態にしてしまってもガス漏れの心配がないので安心してガス栓を使用することができるでしょう。
品 番 | 形状 | メーカー | 接続口径 | |
入口側 | 出口側 | |||
G015ZU-12P | LB一口 | 光陽産業 | Rc1/2(自在) | φ9.5ホースエンド(自在) |
G015AZU-12P | コンセント(自在) | |||
G013Z-12P | LA一口 | Rc1/2 | φ9.5ホースエンド(自在) | |
G025ZU-12P | LB二口 | Rc1/2(自在) | φ9.5ホースエンド(自在) | |
G025AZU-12P | コンセント(自在) | |||
G023Z-12P | LA二口 | Rc1/2 | φ9.5ホースエンド(自在) | |
FV022U-L | LB一口 | 藤井合金 | Rc1/2 | φ9.5ホースエンド(自在) |
FV023U-L | コンセント(自在) | |||
FV024U-L | LA一口 | φ9.5ホースエンド | ||
FV624A-L | コンセント | |||
FV292U-L | LB二口 | φ9.5ホースエンド(自在) | ||
PL-2FOC | LB一口 | 伊藤鉄工 |
Rc1/2 |
コンセント(自在) |
PL-6FOC | LA一口 | コンセント(自在) | ||
GPL-8FO | LA二口 | Rc1/2(自在) | φ9.5ホースエンド(自在) |
内蔵されたリターンバネが中間開栓を防止する「リターン式」
「リターン式」は、中間開閉の状態でつまみから手を離すと内蔵されたリターンばねが作動し自動的に全閉の位置につまみが戻ることでガス漏れを防止する機構のことを指します。この「リターン式」を採用している代表的なメーカーがUTICブランドで知られる高橋産業です。「ON・OFF」に比べて製造コストが安価な点と、ガス栓の閉栓に力があまり必要ない点が特徴です。中間開閉の状態で手を離すと自動で全閉の位置に戻るので、わざわざ全閉の位置まで手でつまみを回す必要もなく、力を入れづらい位置にある場合は閉栓を楽に行うことができます。また、つまみを回す力が弱くなってきているご高齢の方のお住いのガス栓としてはリターン式のメリットを生かせます。
品 番 | 形状 | メーカー | 接続口径 | |
入口側 | 出口側 | |||
UTIC-103H | LB一口 | 高橋産業(UTIC) | Rc1/2(自在) | φ9.5ホースエンド(自在) |
UTIC-101H | Rc1/2 | φ9.5ホースエンド(自在) | ||
UTIC-101C | Rc1/2 | コンセント(自在) | ||
UTIC-102H | LA一口 | Rc1/2 | φ9.5ホースエンド(自在) | |
UTIC-102C | Rc1/2 | コンセント(自在) | ||
UTIC-203H | LB二口 | Rc1/2(自在) | φ9.5ホースエンド(自在) | |
UTIC-201H | Rc1/2 | φ9.5ホースエンド(自在) | ||
UTIC-201C | Rc1/2 | コンセント(自在) | ||
UTIC-202H | LA二口 | Rc1/2 | φ9.5ホースエンド(自在) | |
UTIC-202C | Rc1/2 | コンセント(自在) |
使用しないガス栓のつまみには「ガス栓誤操作防止カバー」をつけて安全を確保!
オススメはコストパフォーマンスに優れたUTIC製
ヒューズガス栓は衝撃などで開栓することはありませんが、誤操作やいたずら対策としてつまみにカバーを付けることが推奨されています。例えば、二口ヒューズガス栓の片方だけを使用している場合は、普段使っていない方のガス栓に「ガス栓誤操作防止カバー」をオススメしてはいかがでしょうか。地域や自治体によって異なりますが、保安検査で指摘されるポイントとして挙げられています。
品 番 | 適 合 | 入数(個) |
UTIC-GSC-1 | ホースガス栓つまみ全般 |
100 |
CM-21 | 500 | |
CM-20Y | 外径φ34までのガス栓つまみ | 100 |
まとめ
「ON・OFF」と「リターン式」のいずれもつまみの押し回しが必要なうえ、中間開閉時ではガスが流れない安全機構があります。敢えて言えば安全性はつまみが全開になるまでガスが流れない「ON・OFF式」、操作性とコスト競争力は僅かに「リターン式」の方が有利です。双方にそれぞれ違ったメリットがありますので、実際にガス栓をお使いになるユーザー様の家族構成やライフスタイルに合わせたヒューズガス栓の選定をしてみて下さい。なお、誤操作やいたずら防止のために、使用しない「ヒューズガス栓」のつまみには「ガス栓誤操作防止カバー」をつけることをオススメします。
永井達也
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