冷媒管の被覆表面結露を【断熱粘着テープ】で解消できる?

冷媒用被覆銅管から滲み出る水滴が天井や壁面を濡らす問題に直面されたことはありませんか?これは漏水ではなく、冷媒管の表面結露によるものです。この問題は運転の度に繰り返され、放置すれば室内環境に影響を及ぼす可能性があります。

配管をやり直せない場合に使いたい【断熱粘着テープ】

冷媒用被覆銅管に表面結露が現れたら、設置環境の露点に対して断熱材の能力が不足しています。それを解決する最も効果的な方法は、より断熱性能の高い冷媒管で再度配管し直すことですが、実際はやり直せない場合がほとんどだと思います。そんな時にお使い頂きたいのが「断熱粘着テープ」。テープ自体が断熱材でできているため部分的な巻き増し作業が可能です。

連成計

なぜ断熱材の表面が結露するの?

断熱材の能力不足が原因

では、なぜ断熱材の表面で結露が起こるのでしょうか?主な原因は、冷媒用被覆銅管内を流れる低温の冷媒による配管表面の温度低下です。通常、これらの管は約8㎜厚のポリエチレンフォームなどの断熱材で被覆されています。しかし、高温多湿の環境下では、この断熱材の表面温度が露点を下回り、結露を引き起こすのです。

冷媒用被覆銅管の露点グラフを確認しよう

下図は因幡電工の冷媒用被覆銅管φ6.35~φ12.7の防露性能グラフです。例えば、液側がφ6.35×保温材厚8㎜の被覆銅管「ネオコイル 20m(品番:NC-220-S)」を用いた場合、相対湿度65%・管外温度30℃・管内温度0℃の環境下では結露しますが、液側がφ6.35×保温材厚20㎜「ネオコイルKHE 20m(品番:NC-220-KHE)」であれば結露しないことが見て取れます。

図:防露性能グラフ

連成計

断熱材の厚みを増すことで解決

冷媒管の表面結露を防ぐには、断熱材の厚みを増すことが効果的です。例えば、8㎜厚の断熱材を使用している冷媒管を20mm厚に変更することで結露問題が解決する可能性があります。しかし、既存の冷媒管を交換するのは現実的ではない場合が多いです。そこで役立つのが「断熱粘着テープ」です。このテープを使って結露が発生している部分の断熱材を増し巻きすることで、カバー範囲と厚みが増し、結露や水滴の問題を効果的に防ぐことができます。ただし、施工時には断熱材がつぶれないよう注意し、適切な強さで巻いてください。

断熱粘着テープ

断熱粘着テープの断熱部は、冷媒管の断熱材と同様の30倍発泡ポリエチレンフォームからできています。軽量・断熱・緩衝性に優れており、高い性能と施工のしやすさが人気の秘密です。以下に、断熱粘着テープのタイプとその仕様を示します

因幡電工の製品

ご使用の際は剥がれ防止のため、巻端部を粘着テープで巻き止めしてください。

「断熱粘着テープ(品番:DHV-5010/DHV-5020/DHV-7510/DHV-10010)」1巻から当日出荷可能です。

品番 厚み 長さ
DHV-5010 3㎜ 50㎜ 10m
DHV-5020 50㎜ 20m
DHV-7510 75㎜ 10m
DHV-10010 100㎜ 10m

東レぺフ加工品の製品

ご使用の際は剥がれ防止のため、巻端部を粘着テープで巻き止めしてください。

「断熱粘着テープ(品番:PND-50W/PND-75W/PND-100W)」1巻から当日出荷可能です。

品番 厚み 長さ
PND-50W 3㎜ 50㎜ 10m
PND-75W 75㎜
PND-100W 100㎜

まとめ

近年の高温多湿傾向で、今まで問題なかった現場でも表面結露の不具合が発生した事例が見受けられます。また、隠ぺい部で発生しやすいため発見が遅れがちになり、多額の処理費用が発生する事態に陥る恐れもあります。無駄な経費を出さないよう、冷媒管設置環境の最悪条件を想定して適切な保温材厚みを選定しましょう。万が一、冷媒管表面に結露が発生した場合は、断熱粘着テープをご利用ください。

※この記事は2020年5月11日に公開されましたが、校正し直し2023年5月22日、2023年12月18日に再度公開しました。

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佐々木 克仁

2001年ベストパーツ株式会社(旧東北綜合器材株式会社)入社。2002年より営業職。分類は給水給湯を担当。1976年生まれ。
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