「非粘着」「微粘着」「粘着」?エアコン配管に使う『冷媒管用テープ』の特徴とおすすめを総ざらい!

エアコン設置に携わる職人様にとっては常識かもしれませんが、エンボス被覆が施された冷媒配管やケーブル類を巻き付けてまとめる冷媒配管用テープの仕様には、「非粘着」「微粘着」(新非粘着)「粘着」というものがあります。本稿では、冷媒管用テープのタイプ別の特徴をおさらいしながら、おすすめの製品をご紹介します。

「使用感の好み」と「巻く場所」で使い分ける

巻直しが可能で安価な「非粘着」タイプと作業中に落としてもほどけない「微粘着」タイプは、冷媒管をケーブルやドレンホースなどとまとめ上げる目的に使用します。用途は同じですから好みに合わせて使い分けてください。一方で、「粘着」タイプは配管類に巻き付けたこれらのテープの端末処理に使用します。なお、屋外に露出する部分の処理には、耐候性が付与されているものを選びましょう。

巻直しが可能な「非粘着テープ」

接着剤がついていない「非粘着テープ」は、媒管をはじめとした被覆銅管のエンボス被覆の凸凹に沿うように密着するので隙間ができにくく、万一巻き直す場合にほどくのも容易です。

非粘着テープは種類も豊富ですが、エアコン配管に使うなら、外壁にマッチするようツヤ消し加工がされている「コーテープ」をおすすめします。なお、結露が心配な場所には防カビ剤入りコーテープ(商品コード:SKT-□-IV)を選ぶことで、カビの発生リスクを大幅に低減できます。

代表画像 因幡電工コーテープ 防カビ剤入りコーテープ
商品名 コーテープ#204(デンカ) コーテープ(因幡電工) 防カビ剤入りコーテープ(星朋商工)
幅50mm幅75mm 幅50mm幅75mm 幅50mm幅75mm
アイボリー・グレー アイボリー・グレー・ホワイト・ブラック・ブラウン・NEWアイボリー アイボリー

ほどけにくく作業性に優れた「微粘着テープ」

雨水の侵入を防ぐため、冷媒管用テープは下から上に巻き上げるのが基本です。このため高所作業となる場合が多く、うっかり取り落とすとテープが緩み一からやり直しということもありました。このような事態を解決したのが「微粘着テープ」「新非粘着テープ」と呼ばれるテープで、基材にテープを落としてもほどけない特殊加工を施してあるのが特徴です。なお、名称の違いはメーカーの違いによるものであり、基本的な特徴は同じと考えて問題ありません。

ちなみに、因幡電工の新非粘着テープ「ネオピタテープ」には、アイボリーとNEWアイボリーという一見ややこしいカラーバリエーションがあります。アイボリーは同社のスリムダクトSDおよびLDと近似色、NEWアイボリーは同社のネオコイルやペアコイルの被覆材と近似色となっていますので、仕上げ方によって選ぶことをおすすめします。

代表画像 ネオピタテープ(新非粘着)アイボリー
商品名 ライトタック#202(微粘着/デンカ)

ネオピタテープ(新非粘着/因幡電工)

幅50mm幅75mm 幅50mm幅75mm
アイボリー・グレー※1・ホワイト アイボリー・NEWアイボリー※2

※1:一部取り扱い終了品を含む ※2:幅75mmはアイボリー色のみ

非粘着テープの端末処理に「粘着テープ」

スタンダートなものからエアコン配管向けのものまで

非粘着テープ以上に多用途に活躍する粘着テープは、色、幅、長さまで多岐にわたります。日本で初めて工業化に成功し、第一回のJIS認可〈JIS C 2336〉を受け、電力や鉄道業界からも信頼を受けるデンカ株式会社の「ビニテープ」はその代表といえるでしょう。作業性、基材の伸び、手切れ性や巻き締まりのバランスの良さで長く支持されています。外壁や非粘着テープなどマッチするホワイト色やクリーム色がおすすめです。

一方、エアコン配管向けに開発された因幡電工の「HVシリーズ」は、テープ厚み0.18mmと標準的な粘着テープ(約2mm程度)と比べ薄くなっています。この0.02mmの違いが配管へのフィット感を向上させており、より優れた作業性と安定した仕上がりを実現しています。また、同社の耐候性が付与された粘着テープ「高耐侯性粘着テープ(商品コード:UVT-50)」は、冷媒管の断熱材が露出する場合の処置に最適です。

代表画像 ビニテープクリーム色  HV-粘着テープの画像
商品名

ビニテープ#101(カラー粘着テープ)

粘着テープ(HVシリーズ) 高耐侯性粘着テープ
幅50mm幅19mm 幅50mm幅25mm 幅50mm
クリーム・グレー・ホワイト・ブラック・レッド・グリーン・ブルー・クリア アイボリー アイボリー

まとめ

本稿では、冷媒管用テープのタイプ別の特徴とおすすめの商品をご紹介しました。「非粘着」タイプと「微粘着」タイプは、冷媒管とケーブル、ドレンホースなどを結束・保護する目的で使用し、「粘着」タイプは非粘着(微粘着)テープの端末処理に使用します。劣化が不安な場合は、施工する環境に合わせて、防カビ剤入りコーテープ高耐候性粘着テープなどもご検討下さい。

※この記事は2020年3月16日に公開したものですが、校正し直し2025年4月11日に再公開いたしました。

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