換気用ダクトの選択ガイド:アルミダクトとワイヤアルミダクトの特徴と使い分け
アルミダクトとワイヤアルミダクトの違いと現場での活用法
では、なぜアルミダクトとワイヤアルミダクトという2種類を揃える必要があるのでしょうか?主な違いは、構造と不燃材料認定の有無にあります。防火区画など特定の建築基準法に従う必要がある場所での使用には、不燃材料認定を受けたワイヤアルミダクトが適しています。ここでは、両製品の特性を詳しく比較し、どのような現場にどちらのダクトが最適かを解説します。
不燃材料認定品の「ワイヤアルミダクト 悟空」
「ワイヤアルミダクト 悟空」は、国土交通省から不燃材料認定を受けているため、建築基準法による内装制限を受ける場所でも使用可能です。これは、防火区画などの特別な要求がある現場での使用に特に適しています。以下は、悟空シリーズの主要な仕様です。
ワイヤアルミダクト 悟空(品番:WAD-XXX)
品番 | 呼び径(φ) | 全長 | 使用温度 |
WAD-50 | 50 | 10m | -30℃~250℃ |
WAD-75 | 75 | ||
WAD-100 | 100 | ||
WAD-150 | 150 |
このモデルのダクトは、レンジフードの排気ダクトとしても使用可能ですが、その場合は各自治体の条例に従う必要があります。
丈夫な構造
ワイヤアルミダクト 悟空は、3層のアルミ箔と2層のポリエステルフィルムで構成された特殊ラミネート構造を採用しています。この構造により、製品は破れにくく、高い気密性を保持しています。また、狭いピッチでらせん状に配置された高炭素鋼線により、形状の安定性が高まり、扁平化による風量の減少を抑えます。
ロスが少なく優れた施工性
ワイヤアルミダクト 悟空の施工は非常に容易です。カッターとニッパを使えば、誰でも簡単に所望の長さにカットすることができます。また、製品は圧縮時に70cmまで縮小可能で、伸張時には10mまで伸ばすことができます。これにより、在庫スペースの削減、材料ロスやダクト継手の数の削減が実現されます。
ローコストの「アルミダクト」
「アルミダクト(品番:AD-XXX)」は、コストパフォーマンスに優れた一般換気用ダクトです。不燃材料認定品ではないため、建築基準法の定める内装制限がある場所での使用は適しませんが、その他の多くの現場で有効に活用できます。以下はこのモデルの主要な仕様です。
アルミダクト(品番:AD-XXX)
品番 | 呼び径(φ) | 全長 | 使用温度 |
AD-75 | 75 | 4m | -30℃~100℃ |
AD-100 | 100 | ||
AD-150 | 150 | ||
AD-200 | 200 |
コストを優先する
コストを重視する現場には、このアルミダクトが最適です。他のメーカーとの競争により、価格が抑えられており、大量購入や予算制約があるプロジェクトに適しています。
施工には注意が必要
アルミダクトは施工が容易ですが、柔軟性が高いため、取り扱いには注意が必要です。特に引き伸ばし時に破れやすいので、安全を確保するためには、引き伸ばしは推奨される3.5m程度に留めることが望ましいです。不燃性のアルミニウム素材を使用しているため、使用温度は最大100℃までとなります。
まとめ
アルミダクトは、特にコストを重視する一般換気用途に適しています。しかし、施工時にはその柔軟性に注意が必要です。一方、ワイヤアルミダクト 悟空は不燃材料認定を受けており、防火区画など特別な要求がある現場での使用に最適です。施工業者様におかれましては、現場の要件に合わせてこれらの製品を適切に選択することが重要です。
※本稿は2021年1月6日に公開しましたが、校正し直し2024年2月5日に再度公開しました。
室橋尚哉
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