内断熱と外断熱に対応:適切な換気スリーブの選び方と取り付けガイド
2024.01.26
戸建住宅の断熱工法は、内断熱と外断熱の2つに大別されます。それぞれの工法に適した換気スリーブの選定と取付方法の違いを理解することは、効率的な断熱性能と快適な住環境の実現に不可欠です。この記事では、内断熱専用と外断熱専用の換気スリーブについて、その特徴と取り付け手順を詳しくご紹介します。
目次
内断熱と外断熱に最適な換気スリーブの選択と取付方法
戸建住宅の断熱工法は、構造に応じて適切な換気スリーブを選ぶことが重要です。内断熱工法には特化したスリーブと外断熱工法に最適な別のスリーブがあり、それぞれの取付方法にも違いがあります。この記事では、内断熱用「AT-100PSM」と外断熱用「AT-100PSL」の両換気スリーブの特徴と取り付け手順を詳しく解説します。
内断熱用 換気スリーブ「AT-100PSM」の特徴と取付方法
「内断熱用換気スリーブ(品番:AT-100PSM)」は、内断熱工法専用に設計された換気スリーブです。内装壁、断熱材、通気層、外装壁を合わせた総壁厚110~180mmに対応し、適切な換気機能を提供します。
内断熱用換気スリーブ(品番:AT-100PSM)
品番 | 適合壁厚 | 適用パイプ | 穴径 |
AT-100PSM | 110~180㎜ | φ100 | φ120 |
取付手順
- 事前に内装壁を除く壁厚+5㎜でスリーブをカットします。
- 合板と断熱材をφ120で穿孔してから本体のパッキン・ナットを合板にビス固定し、スリーブを屋内側からねじ込みます。
- 屋外側からスリーブとナットの継ぎ目にコーキングを施した後に、フランジの周囲を防水シートと防水テープで処理をします。
- 2°の勾配があるスリーブの位置に合わせてφ120で穿孔した外壁を張り、すき間にコーキングで防水処理をします。
- スリーブのフランジにある電源引出口は、パイプファンの電源位置により左右どちらかをお選びください。
AT-100PSM の寸法図及び取付例
外断熱用換気スリーブ「AT-100PSL」の特徴と取付方法
「外断熱用換気スリーブ(品番:AT-100PSL)」は、外断熱工法に特化した換気スリーブです。内装壁、骨組み、断熱材、通気層、外装壁を含む総壁厚130~270mmに対応しており、高い断熱性と換気機能を実現します。
外断熱用換気スリーブ(品番:AT-100PSL)
品番 | 適合壁厚 | 適用パイプ | 穴径 |
AT-100PSL | 130~270㎜ | φ100 | φ120 |
取付手順
- 事前に内装壁を除く壁厚+5㎜でスリーブをカットします。
- φ120で穿孔した断熱材に対して屋内側からスリーブを差し込んでから付属の2つのナットで挟み込みます。
- 屋外側からスリーブとナットの継ぎ目にコーキングを施した後に、フランジの周囲を防水シートと防水テープで処理をします。
- 2°の勾配があるスリーブの位置に合わせてφ120で穿孔した外壁を張り、すき間にコーキングで防水処理をします。
- スリーブのフランジにある電源引出口は、パイプファンの電源位置により左右どちらかをお選びください。
AT-100PSLの 寸法図及び取付例
まとめ
戸建住宅の断熱工法として、内断熱と外断熱の2つの方法があります。これらの工法に適した換気スリーブの選定と正確な取り付け方法を理解することは、住宅の快適性と効率を高めるために重要です。内断熱工法には「内断熱用換気スリーブ(品番:AT-100PSM)」を、外断熱工法には「外断熱用換気スリーブ(品番:AT-100PSL)」を選択し、それぞれの取り付け手順に従って施工することで、最適な断熱性と換気機能を実現できます。この記事で紹介した情報が、より快適で効率的な住環境を作るお手伝いとなれば幸いです。
※この記事は2022年8月22日に公開した内容ですが、校正し直し2024年1月26日に再公開しました。
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室橋尚哉
1989年ベストパーツ株式会社(旧東北綜合器材株式会社)入社。分類は空調換気を担当。1963年生まれ。
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