ガス用PE管継手の融着には専用のEFコントローラが必要です。
2020.06.04
ガス用PE管の参入メーカーは三井化学産資、積水化学工業、そして桑名金属工業(旧日立金属)の3社に集約されましたが、融着機は未だ使い分ける必要があります。パイプと継手は規格が統一されているのに融着機が共通化できないのはなぜだろうか?と感じる人は多いのではないだろうか。その原因の一つは電極アダプタの違いにあります。
目次
EFコントローラは2タイプある
ガス用ポリエチレン管とガス用エレクトロフュージョン継手(以降EF継手)は日本工業規格で仕様が定められています。それにも関わらず、ガス用PE管の融着機であるEFコントローラには2タイプあります。
ガス用PE管とEF継手は全メーカー統一規格
ガス用ポリエチレン管はJIS K 6774、エレクトロフュージョン継手はJIS K 6775で、それぞれ日本工業規格で、都市ガス及び液化石油ガスの供給に用いる埋設用ポリエチレン管として規定されています。
MMSはレッキス工業、桑名金属工業は自社ブランドのEFコントローラ
かつてMMSと呼ばれたグループ(三井化学産資、三菱化学産資、積水化学工業)のEF継手に適応しているレッキス工業社製「ガス用PE管EFコントローラ(品番:GEF200-B2)」。グループと言っても淘汰を経た現在では、三井化学産資株式会社と積水化学工業株式会社の2メーカーしかありません。残りの桑名金属工業は自社ブランドのEFコントローラ(品番:EFC-102N)だけに適応しています。
ちなみに、3社のパイプとEF継手は規格が同じですから、それらの組み合わせはメーカーを気にせず施工することが可能です。
2社のEFコントローラに違いはあるのか?
レッキス工業社製【GEF200B-2】 | 桑名金属工業(旧日立金属)社製【EFC-102N】 | |
電 圧 | AC80 ~120V | AC80 ~120V |
出 力 | 2KVA以上 | 2KVA以上 |
周 波 数 | 45~65Hz | 45~65Hz |
電 力 | 1.5㎾(最大) | 1.5㎾(最大) |
電 圧 | 24~76V | 24~76V |
電 流 | 2~36A | 2~36A |
適合継手 | 呼び径25~200 | 呼び径25~315 |
表の通り性能は同じで、更にバーコードの指定電圧を温度補正した時間で通電制御する融着方式も同じ。では、どこが違うかと言うとEF継手に接続する電極アダプタのコネクタです。
融着工具の互換性について
融着機であるEFコントローラは互換性がありませんが、融着接続するための融着工具には一部を除き互換性があります。具体的には「ガス用PE管クランプ」「ソケットスクレーパ」「ガス用PE管パイプカッタ―」が共通で使用可能ですが、唯一「サドルクランプ」だけがMMSと桑名金属工業とでサドル形状が違うため使用できません。
まとめ
融着機(EFコントローラ)はEF継手のメーカーによって使い分けてください。なぜなら、電極アダプタのコネクタ形状が異なるからです。
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星孝幸
2013年入社。給排気筒担当。1963年生まれ
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