樹脂管の曲げ角度を保持する「自在Rサポート」

古くなった電気温水器を、新たにエコキュートに入れ替える現場が増えています。一般的な戸建住宅では問題にならない「連絡配管(渡り配管)」の施工が、ことマンションなどの集合物件では入れ替えの阻害要因の一つとなっています。本稿では、現場に合わせて連絡配管を曲げて保持する「自在Rサポート(品番:SJR-24)」を使った施工方法をご紹介します。

※この記事は2019年12月24日に公開したものですが、一部校正し直し再公開いたしました。

外壁から出た連絡配管を化粧カバーの中に収めたい

エルボを使用せず架橋ポリエチレン管で施工したエコキュート連絡配管は、スリーブ角に配管が接触してしまい、過度なストレスが掛かる恐れがあります。

マンションなど集合住宅での電気温水器からエコキュートへの入替現場では、機器メーカーが更新可能性と信頼性の高い「架橋ポリエチレン管(品番:HC-10)」「更新可能被覆さや管(品番:CD-22HON10B/CD-22HON10P)」の組み合わせを推奨することが一般的でした。

そこに風穴を開けたのが「エコるーぷ(品番:EL10A-120)」。最高使用温度100℃の耐熱性と、柔軟さ故の優れた更新性で、徐々に集合物件での採用が増えています。一方で、製造メーカーのブリヂストン社では圧損(管相当長≒15m)の問題からエルボを用意していません。

そこで問題になるのが、PS扉内のタンクユニットから天井裏を伝って配管された連絡配管を、バルコニーに設置されたヒートポンプユニットに接続する際の仕上げ方法です。架橋ポリエチレン管ではエルボソケットが用意されていますので、圧損は増えますが一般的な「SDウォールコーナー(品番:SW-77/IV)」などに収めることが可能です。しかし、エルボの設定がないエコるーぷでは、さや管に挿入された状態のまま無理矢理ウォールコーナーに押し込める形になるので、スッキリ収まらないどころか配管に過度なストレスが掛かり、美観を損ねる上漏水等トラブルの原因にもなりかねません。そこで活躍するのが「自在Rサポート(品番:SJR-24)」です。

現場に合わせて曲げる、保持する、エルボ不要な自在Rサポート

「自在Rサポート(品番:SJR-24)」1本から当日出荷します。

では、「自在Rサポート(品番:SJR-24)」を使用すると、エルボを使わずに同様の仕上げができるのでしょうか?一見するとムカデかイモムシにしか見えないこの部品は、ベストパーツが長年輸入販売していた「スナップベンド(SNAPシリーズ)」の欠点を解決した逸品です。サイズは架橋ポリエチレン管やエコるーぷの10A裸管からサヤ管または被覆厚5㎜までの断熱材入り、要は10A樹脂管用しか設定がありません。

品番 適合管
SJR-24 架橋ポリエチレン管10A,エコるーぷ10A,10A×5㎜保温材厚樹脂管,遮熱管14/16など

曲げ半径R60まで角度の保持ができ、座屈の心配なく手曲げできる

座屈の心配なく90°曲げ加工が可能

「自在Rサポート(品番:SJR-24)」を配管に被せた状態で手曲げすれば、カンタンに曲げ角度を保持してくれます。写真は全部ロックさせている状態ですが、部分的にロックさせなければ任意の角度に調整が可能です。これでしたら座屈する心配もありません。

配管を通した後でも曲げ加工ができる

背割れ形状で配管後でもカンタンに施工できます。取外しもロック機構を解除するだけで簡単です。

新品の状態では下図のように開いた状態になっていますので、配管後に曲げ加工したいところで管を挟み込むように折り曲げて筒状にしながら被せてから手曲げ加工します。

カットして使用できる

長い場合は片面をカットして使用する事も可能です。

もう少しコンパクトに収めたいという場合は、端部をカットする事で全長を短くすることもできます。ただし、強度は落ちますので充分注意の上ご使用頂ければと思います。

まとめ

集合物件での電気温水器からエコキュートへの交換工事が増加しています。そこで問題になるのが天井裏に通した樹脂管をバルコニーに取り出す部分の曲げ角度。エルボソケットを使用すれば解決しますが、圧損が大きくなることを嫌い品ぞろえをしないメーカーも出てきました。その場合、樹脂管の曲げ部に上から被せて手曲げするだけで曲げ形状を保持できる「自在Rサポート(品番:SJR-24)」を使えば、管にストレスを与えずに一般的な「SDウォールコーナー(品番:SW-77/IV)」にスッキリ収まります。配管距離が長く圧損を抑えたい現場に是非ご採用いただきたい部品です。

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佐々木 克仁

2001年ベストパーツ株式会社(旧東北綜合器材株式会社)入社。2002年より営業職。分類は給水給湯を担当。1976年生まれ。
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