新規設備に使いたいフルボアコンパクトボールバルブ

「フルボア」とは、バルブ内部の流路の直径(ボア径)が配管内径と概ね同じ構造のことを表す表現で、一般的なグローブバルブと比較すると約3割程度圧力損失が少ないと言われています。「コンパクト」とは面間寸法が従来のボールバルブに対して短くなっていることを表しています。

この記事は、2019年11月29日に公開しましたが、校正し直して2022年5月6日に再度公開しました。

業界で最もコンパクトな面間寸法のFF2型

2011年にオンダ製作所から発売された「フルボアコンパクト」シリーズは、文字通り国内に流通している一般的なフルボアボールバルブと比べて約9mm~16.5mmも面間寸法が小さくなっている点が最大の特徴です。僅かな差かもしれませんが、ポンプやヘッダーなどとケースに点検スペースに収めたい時などは非常にありがたいものです。

モデル 1/2 3/4 1″ 1 1/4 1 1/2 2″
フルボアコンパクト(FF2型) 48.5mm 57mm 64mm 77mm 85.5mm 105mm
従来型フルボア(FF型) 65mm 68mm 79mm 86mm 96mm 119mm
面間寸法差 ▲16.5mm ▲11.0mm ▲15.0mm ▲9.0mm ▲10.5mm ▲14.0mm

耐圧性能は業界トップクラス

許容圧力は4.2MPa(-15℃~70℃時)もあり、国産フルボアボールバルブの中でも業界トップクラスです。フルボアコンパクトボールバルブ(FF2型)の製造元であるオンダ製作所が製造している、従来型フルボアボールバルブ(FF型)の許容圧力が2.8MPaだということから大きく改良されていることいえます。特に油圧システムなどに組み込む場合には耐圧性能が重要になりますのでご利用ください。

ちなみに冷温水を利用した暖房・空調システムでは2.8MPaになることもまずないと思いますので、従来からご愛顧いただいておりますTハンドルボールバルブFF型も安心して使うことができます。

枝管にも使える1/2サイズまでをご用意

業界No.1のコンパクト仕様で、価格も安いフルボアコンパクトボールバルブFF2型ですが、実は販売数量はまだ従来のFF型の方が多いのです。なぜなら、設備入替え現場では、従来型と同じ面間寸法のバルブの方が入れ替え作業がラクなのでFF型を使われることが多いからです。しかし、フルボアコンパクトシリーズは1/2サイズまで用意されているため枝管に使えてとても便利。フルボアコンパクトは2011年に発売された新しい商品なので、今は新規設備への採用が中心ですが、近い将来入替え需要も加わり販売数量が増加するものと見込んでいます。

フルボアコンパクトのラインナップ

Tハンドルボールバルブ

「Tハンドルボールバルブ(フルボアコンパクト)」は1個から当日(一部翌々日)出荷です。

品番 ねじA L H
FF2-T15 1/2 48.5 37.0
FF2-T20 3/4 57 41.0
FF2-T25 1″ 64 49.0
FF2-T32 1 1/4 77 54.0
FF2-T40 1 1/2 85.5 64.0
FF2-T50 2″ 105 73.0

※は翌々日出荷です。

レバーハンドルボールバルブ

「レバーハンドルボールバルブ(フルボアコンパクト)」は1個から当日(一部翌々日)出荷です。

品番 ねじA L H
FF2-15 1/2 48.5 48.0
FF2-20 3/4 57 52.0
FF2-25 1″ 64 56.0
FF2-32 1 1/4 77 61.5
FF2-40 1 1/2 85.5 69.5
FF2-50 2″ 105 79.0

※は翌々日出荷です。

まとめ

「フルボアコンパクト(FF2型)」は、バルブ内部の流路の直径(ボア径)が配管内径と概ね同じ構造をもつバルブで圧力損失が少ないうえに、面間寸法が従来のボールバルブに対して短くなっていることを表しています。さらに従来よりボディがコンパクトになった分だけ価格もお手頃になっているコンパクトボールバルブを新規設備に採用することをオススメします。

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