冷媒配管の断熱材の食い込みを防ぐ保護プレート
※この記事は2020年8月31日に再度公開した記事ですが、修正を加え2022年8月3日に再度公開しました。
断熱材の扁平が結露の原因
店舗のみならず家庭でもマルチエアコンが普及し始め、冷媒配管やドレン配管を吊って配管する現場が増えてきました。断熱材付きの冷媒配管やドレン配管を使用する場合、自重で吊バンドの断熱材の下部が潰れてしまい、断熱材としての本来の機能を発揮できず結露が発生する場合があります。そんなときに使いたいのが「断熱材保護プレート」です。
断熱材保護プレートで潰れを軽減する
「断熱材保護プレート」を市販の吊バンドに取り付けるだけで、吊バンド周辺の結露を抑えます。平成28年国土交通省機械設備工事標準仕様書では「①冷媒管の吊り用支持受け材として保護プレートを、断熱材被覆銅管と吊金物との間に設け、自重による食い込みを防止する」「②保護プレートは冷媒管に応じた曲面を形成し、吊金物部による断熱材の食い込みを防止できるものとし、材質は合成樹脂等とする」と記述があります。このことからも「断熱材保護プレート」で断熱材の食い込みを防止することは結露対策に有効な手段であると言えます。
広い接平面で断熱材の潰れを防止
断熱材の潰れは、配管の重量を吊バンドの限られた接平面で受け止めることで発生します。「断熱材保護プレート」を吊バンドに取り付けて数倍広い接平面を生みだせば、配管の自重を分散して断熱材の潰れを抑え高い断熱効果を維持します。
取付は吊バンドにはめるだけのカンタン施工
「断熱材保護プレート(品番:TB-HG)」の施工はとてもカンタンです。吊バンドに通してアームを内側に持ち上げツメに引っかけるだけで固定できます。
50A~125Aまで対応できる「断熱材保護プレート(品番:TB-HG)」
「断熱材保護プレート(品番:TB-HG)」を1個使用した場合は、50A~90A、2枚連結させることで100A~125Aの大口径サイズにも対応できます。連結した場合は図3の通り、アームが4つになりますが、引っ掛けるだけのカンタン施工ですので、手間にはなりません。
品番 | 適合吊バンド | 長さ(mm) | 幅(mm) |
TB-HG | 1枚:50A~90A 2枚:100A~125A | 200 | 80 |
100A~150Aまでの大口径なら「断熱材保護プレート(品番:TB-HGL)」
「断熱材保護プレート(品番:TB-HGL)」は、それだけで100A~150Aに対応しています。事前にまとめて大きな吊バンドに通すことがわかっていれば、「断熱材保護プレート(品番:TB-HG)」を連結使用するよりお求めやすく、施工も楽にできます。
品番 | 適合吊バンド | 長さ(mm) | 幅(mm) |
TB-HGL | 100A~150A | 200 | 200 |
断熱材プレート選定早見表
吊りバンドサイズ | TB-HG | TB-HG-L |
50A | 1枚 | – |
65A | 1枚 | – |
80A | 1枚 | – |
90A | 1枚 | – |
100A | 2枚 | 1枚 |
125A | 2枚 | 1枚 |
150A | 2枚 | 1枚 |
まとめ
天井裏の冷媒配管やドレン配管において、支持金具の周辺で結露が発生した場合には、配管用断熱材の扁平が無いか確認してください。よく見られるのは、接平面が狭い市販の吊りバンドを使用したために、自重で断熱材が潰れている現象です。その場合、50A~125Aまでは「断熱材保護プレート(品番:TB-HG)」、100A~150Aの大口径サイズには「断熱材保護プレート(品番:TB-HGL)」を吊バンドに取付けて接平面を広げて自重を分散する結露防止対策が有効です。
佐々木瞭
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