「大きな鍋を使いたい」「シンクの端まで水を行きわたらせたい」「浴室の洗い場を広く使いたい」「水はねを減らしたい」「節水したい」等のユーザーニーズを満たす【取替用吐水パイプ】が増えています。止水不良などの相談が入った際には、潜在的な要望も聞き出して最適な吐水パイプをご提案してみてはいかがでしょうか？本稿では、その中でも人気の高い商品を一気にご紹介いたします。

まず吐水方向、次にパイプ形状、最後に吐水機能

ねじ式の吐水パイプが取りついている水栓金具なら、多くの場合はパイプ径φ16（W26山20）なので水栓本体のメーカーを問わず取り替えられます。最初に上吐水、下吐水、横吐水の3種類の吐水方向を確認し、次に最適なパイプの長さや高さを選び、最後に泡沫や節水といった機能を追加して品番を確定させていきます。そのほか、現場で自在に吐水位置を調整できるフレキ吐水パイプも選べます。セットアップされていた吐水パイプでは考えられない使い勝手の良さを、間違いなく実感していただけるはずです。ただし、パイプ径φ20（W30山20）の水栓の場合は、選択肢がほとんどありません。

下吐水で人気の取替用吐水パイプ

下吐水の水栓金具ユーザーからは、「吐水位置を変更してシンクや洗い場のスペースを有効活用したい」というニーズ以外に、「吐水空間を高くして大きい鍋を使用したり浄水器を取り付けたい」というニーズも聞かれます。

混合栓や自在水栓に最適！高い汎用性が人気の「ベンリー自在パイプ」

品番	呼び	ねじ	長さ
PA18A76X2-16	16	W26山20	240㎜
PA18A76X3-16	16	W26山20	300㎜
PA18A76X4-16	16	W26山20	400㎜

万能ホーム水栓にはこれ一択！「ベンリー自在直パイプ」

品番	呼び	ねじ	長さ
PA286A76X316	16	W26山20	300㎜
PA286A76X416	16	W26山20	400㎜

万能ホーム水栓など、パイプ接続口が横向きの水栓金具に対応する「ベンリー自在直パイプ」。前述のベンリー自在パイプ同様の特性を持っていますが、パイプ長さは240㎜と300㎜の2種類のみの設定です。

上吐水で人気の取替用吐水パイプ

上吐水の水栓金具ユーザーからは、「吐水位置を変更してシンクや洗い場のスペースを有効活用したい」というニーズが多く聞かれます。

上吐水タイプには「横型自在パイプ」

品番	呼び	ねじ	長さ
PA20J61X1-16	16	W26山20	120㎜
PA20J-60X-16	16	W26山20	170㎜
PA20J61X2-16	16	W26山20	240㎜
PA20J61X3-16	16	W26山20	300㎜

上吐水タイプの水栓金具にマッチする「横型自在パイプ」は、別名「Uパイプ」とも呼ばれます。こちらも長さ120㎜から300㎜の設定があり、ユニットバスの洗面に取り付けられた混合栓から浴槽にお湯を落とし込む際に吐水パイプの長さが微妙に合わないといった場合に使えます。

上吐水タイプで作業スペースを広く取りたい場合には「腰高パイプ」

品番	呼び	ねじ	長さ
PA25J-60X-16	16	W26山20	200㎜
PA25J61X2-16	16	W26山20	240㎜
PA25J61X3-16	16	W26山20	300㎜

Uパイプの高さを伸ばした吐水パイプで、よりシンク内での作業性を上げたい、スペースを広く使いたいという場合に有効です。

浄水器などを吐水パイプ先端に取り付ける際に最適な「横型ツル首パイプ」

品番	呼び	ねじ	高さ
PA26J-60X-16	16	W26山20	170㎜

外観の通り「ツル(鳥)の首」に似ていることからこう呼ばれる「横型ツル首パイプ」。シンク内を広く使えるのはもちろんの事、パイプ先端に浄水器やフィルターを取り付けたい場合は特に有効です。上吐水タイプの混合栓と組み合わせて使います。

【番外編】業務用厨房向け吐水パイプ

一般向けと比較してダブルシンクが必須の業務用厨房においては、より長さの長い物や吐水量が確保できる吐水パイプが好まれる傾向にあります。番外編として「業務用厨房向け吐水パイプ」の人気2商品をご紹介します。

一般的な水栓金具の吐水パイプ取付ねじ「W26山20」用

品番	呼び	ねじ	長さ
A181-76X3-16	16	W26山20	300㎜
A181-76X4-16	16	W26山20	400㎜

業務用の水栓金具においても、多くは一般向けと変わらない「16㎜パイプ+ねじW26山20」が設置されていることが多いため、ここまででご紹介した吐水パイプも使用することが可能です。一方で業務用厨房まわりで使用する際は、自在に曲がる(フレキ形状)ことや吐水量の多さも求められることから、この「厨房用自在パイプ」が人気となっています。泡沫キャップが内蔵されていない分、より多くの水(湯)を吐水することができます。

ボールバルブにも取付可能な接続「G1/2」用

品番	呼び	ねじ	長さ
A181-77X3-13	16	G1/2	300㎜
A181-77X5-13	16	G1/2	500㎜
A181-77X8-13	16	G1/2	800㎜

業務用においては一般的な水栓金具が設置されておらず、いわゆる「ボールバルブ」がそのまま設置されているケースがあります。また、一部の厨房用二口横型自在水栓には別途吐水パイプを購入し現場に合わせてカスタマイズするパターンもございます。この「厨房用パイプ」は接続がG1/2の袋ナットなので、一般的なオス×オスタイプのボールバルブや、前述の厨房用二口横型自在水栓と組み合わせて使用することができます。

まとめ

様々なユーザーニーズを満たすべく、たくさんの種類が発売されている【取替用吐水パイプ】。選定の際確認が必要なのが 「吐水方向」「パイプ形状」「吐水機能」の３点です。混合栓や自在水栓など下吐水の場合は「ベンリー自在パイプ」や「Sパイプ」、万能ホーム水栓など横吐水の場合は「ベンリー自在直パイプ」、上吐水の場合は「Uパイプ」や「ツル首パイプ」が適合します。多くの場合、吐水パイプ径φ16で接続ねじがW26山20なので、メーカー問わず取替可能です。ただし、パイプ径φ20で接続ねじがW30山20の水栓の場合は、選択肢がほとんどありません。