やわらかい空調用ダクトを「傷つけず、扁平させない」支持部材
※本稿は2021年4月20日に公開しましたが、編集校正し2022年12月9日に再公開しました。
扁平を避けて断熱性能を100%発揮させる
ダクトが扁平すると設計時の期待風量が確保されず、空調・換気装置の性能を100%発揮できません。また、ダクト外装材は薄いアルミフィルムで設計されていることが多く、ちょっとしたことで傷が付き破れる事があります。破れると断熱性能が大幅に低下するばかりか、最悪の場合はグラスウールが飛散する事態に陥る恐れがあります。そこで、にわかに注目を集めているのが、やわらかい空調ダクトを傷つけず扁平させない各種の支持部材です。
軽量な樹脂製だからできる幅広の吊バンド2種
吊バンド(樹脂)
見た目から、従来の金属製巻きバンドが樹脂(PE)になった程度だと思われる方が多いはず。ところが「吊バンド(樹脂)(品番:DTBシリーズ)」は、〝幅が広い吊バンド″に進化しています。金属製吊バンドの幅は10mmと24mmしかないところを、幅30mmと50mmに拡幅してダクトとの接地面積を倍以上に広げる事で扁平を抑制しているのです。施工面では、従来の「鉄製吊バンドAKBシリーズ」と同様に長尺のバンドを必要な長さにカットして無駄なく使えるメリットに加え、樹脂製でとても軽いので作業性が大幅に向上している点も魅力です。品質面においても腐食の恐れがない樹脂製なので、ダクトの外層のアルミフィルムに傷をつける確率も非常に低減されています。
品番 | 幅 | 全長 |
DTB-30B | 30mm | 30m |
DTB-50B | 50mm | 30m |
ワイドバンド
WB-50は黒色の樹脂(PE)の吊バンドです。幅が50mmと「グラスフレキダクト」のワイヤーピッチより幅広の仕様ですから食い込みを最小限に防ぎます。φ4とφ12の穴が交互に空いており、φ4はビス止め用、φ12は専用中間固定金具「パッチンロック(品番:WB-PR)」用です。
品番 | 幅 | 全長 |
WB-50 | 50mm | 30m |
ボルト・ナットに代わる省施工止め金具2種
従来はボルト・ナットを用いて吊金具に固定していましたが、樹脂製の省施工タイプが増えてきました。
吊バンド中間固定金具
両端のバンドを引き寄せバンドの穴に固定金具の爪を差し込み、固定具を2つ折りにして先端の爪に固定します。
品番 | 幅 |
DTB-30B-K | 30 |
パッチンロック
パッチンロックは3本の指だけで固定できます。
品番 | 材質 |
WB-PR | PA66 |
保護テープがついたグラスフレキ専用吊バンド
「グラスフレキダクト専用吊バンド」は、バンド幅が100mmととても広く、「グラスフレキダクト」がつぶれにくい設計です。さらに金属製でありながら端面に保護テープを付けることでグラスフレキダクトの外装材に傷がつくことを防止します。ラインナップは「品番:TB100-S」はΦ100用、「品番:TB150-S」はφ150用、「品番:TB200-S」はΦ200用と3サイズを当日出荷で在庫しております。
品番 | 適用ダクト(φ) |
TB100-S | 100 |
TB150-S | 150 |
TB200-S | 200 |
「グラスフレキダクト専用吊バンド(品番:TB○○-S)」のための専用吊金具です。なお、「グラスフレキダクト専用設計の為、スパイラルダクト等にはご使用いただけない点にご注意ください。
品番 | 耐荷重 |
TB-K | 5Kg |
まとめ
グラスウール製ダクトの標準施工要領では、横走り円形ダクトの支持ピッチは最大2000mm以下とされています。「断熱ダクト」や「グラスフレキダクト」の施工では、標準施工要領を遵守するだけでなく、本稿でご紹介いたしました幅広の支持部材を用いれば、扁平と外層材(アルミフィルム)の傷による性能低下のリスクを回避し、長期間にわたりダクトの断熱性能を100%発揮させることが可能になります。
室橋尚哉
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