CD管とPF管。どちらの電線管を使えばいいでしょうか?
※この記事は2019年2月5日に公開された記事ですが、一部修正し2022年2月28日に再公開しました。
ポイントは耐候性と自己消火性
「CD管」は耐候性がない合成樹脂可とう電線管のことを言います。また、自己消火性がないため基本的にコンクリート埋設専用ということがCD管の特徴です。その点、耐候性が付与されている「PF管」は露出配管も隠蔽配管にも使用可能なうえ自己消火性もある可とう電線管になります。
耐候性と自己消火性に違いがある
基本的にコンクリート埋設専用のCD管
耐候性が無い「CD管」はコンクリート埋設専用ということが分かりやすいように各メーカーで色はオレンジに統一されています。ただ、ややこしいことに、埋設で使用しなければならないのは電線管として使用する場合のみであり、ケーブル類の保護管として使う分には露出配管をしても構いません。電線とケーブルの見分け方については、後ほど説明させて頂きます。
品番 | 内径 | 外径 | 全長 |
MFCD-14 | φ14 | φ19 | 50m |
MFCD-16 | φ16 | φ21 | |
MFCD-22 | φ22 | φ27.5 | |
MFCD-28 | φ28 | φ34 | 30m |
耐候性が付与されているPF管は露出配管に最適
PF管には、「単層構造のPFS」と「複層構造のPFD」の2種類があります。たとえば、太陽光発電の引込など、長時間直射日光が当たるような場所では複層構造のPFDと言われる高耐候2層管をオススメします。また、PF管は耐候性が付与されているうえ様々なカラーがあるため、露出配管に最適な可とう電線管です。
単層構造のPF管
品番 | 内径 | 外径 | 全長 |
MFS-14 | φ14 | φ21.5 | 50m |
MFS-16 | φ16 | φ23 | |
MFS-22 | φ22 | φ30.5 | |
MFS-28 | φ28 | φ36.5 | 30m |
MFS-36 | φ36 | φ45.5 |
複層構造のPF管
品番 | 内径 | 外径 | 全長 |
MF-16K | φ16 | φ23 | 50m |
MF-22K | φ22 | φ30.5 | |
MF-28K | φ28 | φ36.5 | 30m |
MF-36K | φ36 | φ45.5 | 20m |
電線管の施設場所についておさらい
施工場所 | 電力線 | 情報線 | ||||
絶縁電線 | ケーブル | LAN・TV・電話線 | ||||
PF管 | CD管 | PF管 | CD管 | PF管 | CD管 | |
コンクリート埋設 | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ |
屋内(露出・隠蔽) | ○ | × | ○ | △ | ○ | △ |
屋外(雨線内・雨線外) | ○ | × | ○ | △ | ○ | △ |
表から「PF管」はあらゆる場面で活躍することが分かりますね。一方で「CD管」はコンクリート埋設には安価で最適ですが、露出配管には好ましくありません。屋内・屋外でもケーブルの保護管として使用する分には法規的な問題はありませんが、露出配管や隠蔽配管には難燃性が求められます。CD管には難燃性がありませんので、ケーブルの保護管として使用する場合もPF管を使用することが望ましいでしょう。
電線とケーブルの見分け方
「CD管」は、ケーブル類の保護管として使用する場合に限り露出配管でも問題ないと説明しましたが、電線とケーブルって何が違うのでしょうか?厳密にいうと、電線はケーブルの一種になります。電線は一般的に、導体が絶縁体である保護被覆に覆われているものを言います。写真で言うと赤、白、黒の部分が「電線」です。
それに対しケーブルは、銅に絶縁性の被覆をし、さらにシースと呼ばれる保護被覆をしたものになります。上の写真がケーブルです。また、LANケーブルなど、光や通信目的の線は全てケーブルと呼びます。
ややこしいですが、複数の電線をシースで被覆を施されているものがケーブル、シースで覆われてない場合が電線です。
まとめ
可とう電線管は継手を使わず電線を保護できるため隠ぺい部や埋設部に敷設に便利です。コンクリート埋設配管は「CD管」、露出配管は「PF管」という具合に使い分けることが必要です。なぜなら、耐候性が異なるため、安価なCD管を露出配管に使用すると紫外線劣化で脆化してしまうからです。よって、お客様の住宅にあった部材選びを最優先するように心掛けたいものですね。
佐々木瞭
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