
エルメックスパイプに架橋ポリエチレンパイプを継ぎ足す方法
※2019年1月31日に公開した記事ですが、樹脂管E種をM種に変換する方法を追記、その他の部分も修正して2020年5月11日に再公開、さらに加筆修正して2023年5月8日に再度公開しました。
融着不要!ワンタッチ接続可能なE種変換継手が施工現場を変える
エルメックスパイプは、工場で継手とパイプをEF(電気融着)で一体化させ現場に搬入するプレハブ工法が大多数を占めます。そんな事から経年による給湯器交換などで、一般的な継手が使えず困った方も多いのではないでしょうか?意外と知られていないのが「融着不要のワンタッチタイプ」の継手が存在する事。これを知っていれば現場で緑色の樹脂管にぶち当たってももう怖くありません!
そもそもエルメックスパイプとはどんなパイプ?

パイプと継手を融着機で接続できるのが架橋ポリエチレン管E種の本来のメリットです。
JISでは単層の架橋ポリエチレンパイプをM種、2層構造の架橋ポリエチレンパイプをE種に分類しています。どちらも耐久性、耐食性、耐電食性、耐薬品性に優れた特性があり、赤水・青水の発生がなく、安全で衛生的な水を供給することが可能です。2層構造のエルメックスパイプは、E種の架橋ポリエチレンパイプということです。
管種 | 種類 | 呼び | 外径 | 内径 | 肉厚 |
M種(単層) | PN15 | 13A | 17.0 | 12.8 | 2.1 |
E種(2層) | PN15 | 13A | 17.0 | 12.2 | 2.4 |
2層構造のエルメックスパイプと継手は、専用のコントローラ(電気融着機)を使用してパイプ外層のポリエチレンと継手内層のポリエチレンに熱を加え、溶解し一体化接合します。パイプと継手は物理的かつ化学的に結合しているため漏水リスクが極めて低く、数多くの集合住宅に採用されています。
手軽なワンタッチ継手を管種変換の切り札に
一方で、給湯器交換作業などで管を切断してしまった場合、肉厚が厚く内径が狭いエルメックスパイプは一般的な架橋ポリエチレンパイプ用の継手が接続できません。また、エルメックスパイプ用の電気融着用コントローラを現場に持参して施工できる方は限られます。そんな時に知っておきたいのが「ワンタッチ継手」の存在。専用工具不要でネジに変換できるので、途中で管を切断しても全く問題ありません!
ねじに変換して管種を変える三井化学の純正継手
既存配管がエルメックスパイプだった場合は、三井化学産資社のWEシリーズ継手をオススメします。パイプとの接続は、付属のインコアをパイプに挿入し継手本体にパイプを差し込むだけ。信頼と実績があるダブルロック方式のエルメックスパイプ用特注仕様ですので安心安全な継手と言えます。
オスアダプターのラインナップ
品番 | 呼び径(ねじ) | 呼び径(樹脂管) |
WEOS-10R1 | R1/2 | 10A |
WEOS-13R1 | R1/2 | 13A |
WEOS-16R3 | R3/4 | 16A |
WEOS-20R3 | R3/4 | 20A |
ユニオンアダプターのラインナップ
品番 | 呼び径(ねじ) | 呼び径(樹脂管) |
WEYS-13G1 | G1/2 | 13A |
WEYS-16G3 | G3/4 | 16A |
エルメックスと架橋ポリエチレン管M種の変換用ソケットも登場!
機器入替や配管更新などで、既設のエルメックスパイプ(E種)と新設の一般的な単層架橋ポリエチレンパイプ(M種)を直接接続したい場合は、”樹脂管EM変換継手”がオススメです。既設管のE種13Aと16Aと、新設管のM種13Aと16Aが直接接続できるソケットですので、既設管E種を途中で切断してしまった場合に持っておくと便利です。

「樹脂管EM変換継手(品番:WJ72-1313C-S)」は13A同士の両ソケット=EM変換継手です。継手本体に指示ステッカーが貼られているので施工ミス防止にも役立ちます。16A同士は(品番:WJ72A-1616C-S)です。
品番 | E種側呼び径 | M種側呼び径 |
WJ72-1313C-S | 13A | 13A |
WJ72A1616C-S | 16A | 16A |
まとめ
集合住宅の既存配管は、エルメックスパイプを使ったプレハブ工法が多く採用されています。リフォームする際、エルメックスパイプを架橋ポリエチレンパイプに変換する継手を使うと非常に便利です。まず、「樹脂管EM変換継手(品番:WJ72-1313C-S)」を使って架橋ポリエチレンパイプに変換してください。そして、設備機器やバルブなどにはオスアダプタでRねじに変換したり、ユニオンで平行ねじに変換して接続することをオススメします。

佐々木 克仁

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