第一種換気の非断熱ダクトは現場によって材質を変える
非断熱ダクトは金属製と樹脂製を使い分ける
非断熱ダクトには金属製と樹脂製の2種類あり、それぞれに特徴があります。用途は同じなのですが、まるっきり異なる特徴を持っていますので、それぞれの特徴を理解し、現場に合ったダクトを選定してください。
第一種換気 空気の流れ
まずは、冒頭に記述した空気の流れを図で詳しく解説します。
新鮮な屋外の空気はアウトドアエアー(OA)と呼び、換気ユニットで熱交換されます。熱交換された空気(青色のダクト)はサプライエアー(SA)と呼び、各部屋に供給します。屋内の汚れた空気(赤色のダクト)はリターンエアー(RA)と呼び、屋内の汚れた空気を換気ユニットに戻します。換気ユニットで熱交換された空気は、エキゾーストエアー(EA)と呼び屋外に排出します。図1の白四角の換気ユニットから出ている青いダクトと白三角の分岐チャンバーから先の青いダクトに非断熱ダクトを使用します。
金属製非断熱ダクトは不燃認定品で低コスト
品番 | 呼び(φ) | 使用温度範囲 | 最小曲げ半径(mm) | 全長(m) |
WAD-50 | 50 | 250℃ | 25 | 10 |
WAD-75 | 75 | 37.5 | ||
WAD-100 | 100 | 50 | ||
WAD-150 | 150 | 75 |
高炭素鋼線が狭いピッチでらせん状に入っていますので形くずれを防ぎます。 アルミ箔3層・ポリエステルフィルム2層の特殊ラミネート構造により、優れた耐久性と気密性を有しています。3階以上の建物には不燃材料を使用する事が義務付けられていますが、ワイヤアルミダクトは国土交通大臣「不燃材料」認定をうけていますので安心してお使いいただけます。φ75は10mのダクトが700㎜に圧縮梱包されていますので輸送も保管も大変楽になります。製品単価も樹脂ホースと比較しローコストの商品です。一方、内面はアルミ箔の蛇腹構造上、曲げ半径は小さくなりますが、抵抗は樹脂ホースに比較し大きくなります。又、カットにはニッパとカッターが必要です。
平滑な内面で空気搬送能力の高い樹脂製ダクト
品番 | 呼び径(φ) | 使用温度範囲 | 最小曲げ半径(mm) | 全長(m) |
KM-050K1 | 50 | 50℃ | 15 | 10 |
KM-050K | 20 | |||
KM-100K1 | 100 | 300 | 10 | |
KM-100K | 20 |
ポリエチレン製でフレキシブル性に富み、内面が平滑なため圧損が低く空気の輸送効率に優れていますので、金属製と比較し回路数を増やしたり、長い距離を引き回せます。樹脂製の芯は、ハサミやカッターで簡単にカットでき、型崩れもしません。一方、型崩れしない程の強度がある為、曲げ半径は大きくなります。また、ワイヤアルミダクトのように伸縮しない為、梱包が大きくなり保管スペースや輸送コストは高くなり、金属製ダクトよりコストアップになります。
まとめ
第一種換気システム用の非断熱ダクトは、結露の影響を受けない換気ユニットや分岐チャンバーから先のサプライエアー(SA)用のダクトに使用します。3階以上の建物には不燃材料認定品の金属製非断熱ダクト:ワイヤアルミダクトをご使用ください。ワイヤアルミダクトは小さな曲げ半径で施工でき、圧縮梱包しているので保管、輸送スペースが削減できます。又低コストも魅力の商品です。樹脂製非断熱ダクト:コンパクトールKは内面が平滑なため、圧損が少なく空気輸送効率に優れ、長い距離を引き回しできます。
室橋尚哉
最新記事 by 室橋尚哉 (全て見る)
- 紫外線から配管を守る!保温材用テープの進化と選び方 - 2024年4月4日
- レンジフード完全ガイド:選び方から交換のタイミングまで - 2024年3月27日
- 即日出荷可能!高須産業のコストパフォーマンス抜群の天井埋込型換気扇3選 - 2024年3月18日