原液の循環液で積載を効率化する
原液タイプのエスケーブラインPGなら保管・運搬スペースが半分以下
前述の通り、希釈済みの循環液より原液の方が積載効率を改善できます。しかし、いわゆる原液といわれる循環液でも、メーカーによって濃度が違うことがあります。また、同じメーカーでもシリーズによって同様の事があります。
この点、エスケーブラインPGなら、主成分のプロピレングリコール濃度が93〜95wt%と業界トップクラス。プロピレングリコール濃度が60~70wt%という製品が多い中、格段の高濃度を誇ります。例えば、凍結温度-20℃に設定する現場では、希釈済みのノンウォーター循環液より約58%、他社原液より約25%~35%も保管・運搬時の積載効率が改善します。
具体的には、200Lドラム缶の「エスケーブラインPG(品番:SKAF-200L)」を製品濃度37%、凍結温度-20℃設定に希釈すると約540Lの循環液ができます。それは、希釈済みの「エスケーブラインノンウォーター(品番:SKNW20LP)」に換算すれば27箱分にもなります。また、保管・運搬の積載効率だけでなく、コスト面でもSKNW20LP(基準価格:¥7,500)が27箱ですと¥202,500ですから高くつくと言えます。
現場に適した荷姿・容量をラインナップ
エスケーブラインPGは、パネルラジエータ、床暖房、そして温水ルームヒーターなどの暖房回路の凍結防止はもとより、銅管や金属継手などの腐食の発生を長期間防ぐ防錆循環液の原液です。ご利用シーンに合わせて、以下3種類の荷姿からお選びいただけます。
自社倉庫での在庫や中規模以上の物件に最適な200Lドラム缶
品番 | 容量 | 外観 |
SKAF-200L | 200L | 緑 |
「エスケーブラインPG(品番:SKAF-200L)」は、メンテナンス現場をたくさん抱える施工業者様の在庫手段として多く使われております。もちろん、システム容量が多い中規模以上の現場への運搬効率は改善しますが、複数のドラムが必要な現場の場合はローリー配送をご提案させていただく場合もあります。
パネルラジエータなど保有数量が多い放熱端末に最適な18Lブリキ缶
品番 | 容量 | 外観 |
SKAF-18L | 18L | 緑 |
パネルラジエータのような保有水量の多い放熱端末を導入している戸建住宅から施設までの現場に最適です。また、使用量が多い現場でもドラム缶では搬入しにくいという事情があればこちらが便利です。
保有水量の少ない温水式床暖房システムに最適な10Lバックインボックス
品番 | 容量 | 外観 |
SKAF-10L | 10L | 緑 |
希釈品が充実した今となっては、必要性が見いだしにくい10Lバックインボックス。しかし、ドラム缶やブリキ缶を使用する場合、使用後の容器も保管や運搬にスペースを割かなければならず邪魔になることがあります。この点、バックインボックスなら循環液を注入後に折り畳めば場所を取りません。事業用可燃ごみとして廃棄する際にもきっと扱いやすいと感じていただけます。
積載効率だけじゃない!エスケーブラインPGのメリットとは?
エスケーブラインPGは毒性が低く長期間腐食から守る
主成分であるプロピレングリコール(PG)は、食品添加物にも使用される毒性が低い原料です。防食添加剤は、主に鉄や銅に対する腐食を抑え、ゴムや樹脂にはほとんど影響を与えません。
任意の凍結温度に対応できる
凍結温度-7℃~-38℃の広い範囲で設定できます。希釈済みのノンウォーター循環液(品番:SKNW20LP)の凍結温度は-20℃設定なので、それ以下の気温になる現場で使用すると凍結しますし、-10℃程度までしか下がらない現場で使用すると過剰スペックとなります。循環液は、濃度が高くなると粘度も高くなり循環ポンプにかかる負荷が増える分だけランニングコストが高くなります。ですから、循環液の使用量が多い現場では、原液をエリアと状況に合わせて希釈した方がコストダウンにつながります。
注入は調合してから?
品番 | 口径 | 揚水量 |
CL-1521 | 1/2 | 20L/min |
エスケーブラインPGを注入するには「ブライン注入ポンプ(品番:CL-1521)」をご使用ください。その際、都度薄めて調合する必要はありません。システム容量を算出し、必要量のエスケーブラインPGを全量を注入後、水をシステムが満水になるまで加えてください。循環するうちに攪拌され均一に混ざります。なお、ここでシステム容量を間違えると循環液を適切な濃度に希釈できないのでご注意ください。
原液タイプ使用上の注意
- エスケーブラインPGの希釈水は、できれば蒸留水を、なければ上水道水をお使いください。地下水などを希釈水としてご使用になると地下水などに含まれるミネラル分と防食添加剤が反応してスケールが発生し、流量の低下などの不具合が起こります。
- 使用範囲濃度を必ず守ってください。使用濃度範囲以下で使用すると凍結することは勿論のこと、藻やスライムが発生し、回路が目詰まりします。使用濃度範囲以上で使用すると粘度が高くなり、防食添加剤が配管やバルブ、循環ポンプに固着しシステムが動かなくなるといった不具合が発生します。
- 大規模のシステムで稀に鋼管を使用する場合がありますが、その際は黒管をご使用ください。亜鉛に対する防食剤は添加していませんので水道用白管のご使用は不可となります。
まとめ
冷暖房システムに使う循環液には、「原液タイプ」と「希釈済みタイプ」の2種類あります。「原液タイプ」は薄めることにより、大量の循環液を作ることができ、保管スペースの削減、コストダウン、幅広い凍結温度に設定できるといったメリットがあります。但し、希釈水には蒸留水、もしくは上水道水を使う、使用濃度範囲内で希釈する、水道用白管は使えない等の使用上の注意を必ず守ってご使用ください。
室橋尚哉
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