【架橋ポリエチレン管専用循環液】は樹脂管時代のニュースタンダード
※この記事は2021年11月11日に公開したものですが、校正し直し2023年5月25日に再公開しました。
樹脂管を侵さない配合でメンテナンス費用を削減
循環液は大きく分けると、プロピレングリコール、防錆防食添加剤、そして水の3つの成分で構成されています。プロピレングリコールと水の品質管理が行き届いていることが大前提ですが、製品の特徴を決めるのは防錆防食添加剤の種類と配合です。
架橋ポリエチレン管への防食性能に重点を置いた配合
「架橋ポリエチレン管専用循環液(品番:PGKP-20L)」は、現在普及している架橋ポリエチレン管に代表される熱可塑性樹脂管の劣化(硬化)を抑える防食添加剤を高濃度配合した循環液です。特に放熱端末に温水式床暖房マットを用いている場合は、設備のほぼすべてが樹脂管となるので、長期間、安定した能力を発揮することができます。もちろん、鉄や銅といった暖房回路に使用される金属材料に対する防錆目的の添加剤も含有されています。
架橋ポリエチレン管専用循環液(品番:PGKP-20L)
品番 | 容量 | 外観 | PG濃度 | 凍結温度 |
PGKP-20L | 20L | 黄緑 | 30wt% | 約-15℃ |
希釈済みなのでそのまま使える
「架橋ポリエチレン管専用循環液(品番:PGKP-20L)」は、凍結温度-15℃になるように工場であらかじめ濃度を調整しているノンウォータータイプです。希釈水には、純水を使用しているので、塩素やカルシウム、マグネシウム等の様々なミネラル分が含まれている水道水と異なり、長期間に渡り品質を一定に保つことができます。くれぐれも現場で希釈せず、そのままシステムへ投入してください。
液交換の目安はおおよそ10年サイクル
「架橋ポリエチレン管専用循環液(品番:PGKP-20L)」は、防食添加剤が高濃度配合されているため、液自体の劣化も少なく、長期間安定した性能を発揮できます。試験環境ではありますが、温水式床暖房マットと架橋ポリエチレン管によるシステムにおいて、おおよそ10年程度性能を維持できるという報告もあります。循環液の主成分であるプロピレングリコールは石油由来の成分なので、交換頻度の低減は環境負荷の低減やユーザーの維持費削減につながります。
まとめ
温水式床暖房マットの普及により、循環液もこれまでの銅管などの金属管だけでなく樹脂管の劣化を抑制する性能が求められています。温水暖房設備に樹脂管が多くなった今、「架橋ポリエチレン管専用循環液(品番:PGKP-20L)」を定番として採用してはいかがでしょうか。
大宮彰大
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