サーモスタッドの位置を気にしないで施工できる外気温検知式「エコセブンヒーター」
外気温検知式のヒーターを施工する前に知っておきたいポイント
「凍結防止ヒーター」に使用されるサーモスタッドは、13℃で通電停止する仕様なので、サーモスタッド部を配管に密着させず外気にさらしてしまうと外気温度が13℃になるまで加熱し続けます。そのため、水道の利用頻度が低くなると配管内の温度が上昇してしまい、過剰加熱でボヤや火災が発生する恐れが高まります。そこに今、外気温検知式で新たなスタンダードを打ち立てようとしているのが「エコセブンヒーター」です。
エコセブンヒーターの中枢「コントローラー(品番:ECO7-C)」
エコセブンヒーターの特徴は数々ありますが、最大のポイントは5℃で通電停止ができるサーモスタッド部「コントローラー(品番:ECO7-C)」の構造です。詳細は披露できませんが、この構造がサーモスタッド部を配管に密着させなくても過剰加熱による事故を未然に防いでいます。
ただし、数カ月間も水道利用がない別荘などの現場では、外気温度5℃まで加熱を続ける仕様に不安を感じるかもしれません。その場合には、配管温度を検知するPLDおよびDシリーズの凍結防止ヒーターを選定してください。
商品コード | 最大負荷電力 | 差込プラグ電圧 | 本体長さ |
ECO7-C | 700W | 100V | 220mm |
準寒冷地において節電効果を発揮するON・OFF特性
図のように、上段配管温度検知式は約5℃でON、約13℃でOFFが一般的です。一方、「エコセブンヒーター」は外気温約5℃からON・OFFを繰り返しながら加熱、0℃でフル通電という動作をします。停電動作はその逆で、外気温0℃でON・OFFを繰り返しながら徐々に消費電力量を減らし5℃で停電という具合に、フル通電時間が他の凍結防止ヒーターより圧倒的に短いのが特徴です。
以上の特徴から「エコセブンヒーター」は、いわゆる「準寒冷地」と呼ばれるような外気温度0℃~5℃前後で行ったり来たりする回数が多いエリアにおいて節電効果を発揮します。ただし、準寒冷地といえども風が強い現場の場合は、配管内部が急激に温度低下するのを検知できず凍結する恐れがありますので、配管カバーが設置されていない現場では注意が必要です。
故障が一目でわかる表示内容
「コントローラー(品番:ECO7-C)」の緑色ランプは電源ランプで、故障していなければ常時点灯します。外気温が5℃以下になるとサーモスタッドが「ON」になり赤色の通電ランプが点灯し、逆に5℃以上になると「OFF」になり消灯します。LED電球を採用していますので、消費電力量や球切れの心配も不要です。
差込みプラグは防滴処理をしてください
「エコセブンヒーター」を取り付ける際は、コントローラーを屋外の防水コンセントから垂れ下げるように施工して下さい。なお、ヒーター差込みプラグは防水仕様ですが、ヒーター接続部分から水が入らないよう粘着テープ等で防滴処理を施し漏電を回避してください。
「エコセブンヒーター」のラインナップ
商品コード | 差込プラグ~ヒーター接続部長さ | 発熱体長さ | 消費電力 |
ECO7-0.5 | 1.3m | 0.5m | 6W |
ECO7-1 | 1.0m | 12W | |
ECO7-1.5 | 1.5m | 18W | |
ECO7-2 | 2.0m | 24W | |
ECO7-2.5 | 2.5m | 30W | |
ECO7-3 | 3.0m | 35W | |
ECO7-3.5 | 3.5m | 42W | |
ECO7-4 | 4.0m | 48W | |
ECO7-5 | 5.0m | 55W | |
ECO7-6 | 6.0m | 60W | |
ECO7-8 | 8.0m | 80W | |
ECO7-10 | 10.0m | 100W |
防水コンセントの差込口が足りない時に便利な「分岐コネクタ(品番:BNCタイプ)」
給湯器周り等でコンセントが不足する場合に使用します。給湯器付近の防水コンセントは2~3口が多いですが、既存の防水コンセントが2口の場合は1口足りなくなります。その時に便利なのが「分岐コネクタ(BNCタイプ)」です。また、防水コンセントの増設や交換をする場合、機能性とデザイン性に優れた「スマート接地防水トリプルコンセント(WK4603シリーズ)」をお選びいただくと美観も整います。
品番 | 許容電流 | 合計最大負荷 | 分岐数 |
BNC-2C | 15A | 125V・1500W | 2口 |
BNC-3C | 3口 |
まとめ
外気温検知式の「エコセブンヒーター」は、コントローラー部とヒーター部が分離できるので、施工や保守に有効です。外気温検知式なので過剰加熱を心配される向きもありますが、コントローラーが外気温5℃で停電する仕様なので従来より安心です。ただし、数カ月間も水道利用がない別荘などの現場では、配管温度を検知するPLDおよびDシリーズの凍結防止ヒーターを選定してください。
※この記事は2020年10月21日に公開した記事ですが、修正を加え2024年10月21日に再度公開しました。
佐々木瞭
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