
環境に適した検知方式の降雪センサーを選んでロードヒーティングの融雪コストを抑える
※2018年12月25日に公開した記事ですが、一部修正して2020年10月14日に再度公開いたしました。
環境に適した検知方式の降雪センサーを知る

設置例
降雪センサーは、外気温だけでなく、降雪を検知します。特に降雪の検知方式は、「センサー部に付着する雪を検知する水分検知式」と「前面を通過する雪を検知する赤外線検知式」の2種類があり、それによって設置位置が変わります。
雪が当たらない場所にも設置できる「赤外線検知式(SSタイプ)」
センサーに着雪しなくても降雪が検知できる「赤外線検知式(SSタイプ)」は、軒下に設置できるメリットがあります。ただし、赤外線センサーの検知距離は最大1.0mまでなので、軒の出がそれ以上深い場所は避けてください。
あらかじめ定められた順序制御は、赤外線センサーが降雪を検知→外気温が設定温度(4℃がデフォルトで―2℃~10℃の範囲で設定)以下になった場合に運転を開始します。さらに降雪の有無に加えて降雪量も検知して運転時間を調整するので、無駄な運転や雪の融け残りを防止します。
品番 | 反応距離 | 電圧 | 消費電力 | 基準価格 |
SS-3001 | 0~0.5m | 100V~200V | 7W | ¥80,000 |
SS-3001E | 0~1.0m | 100V~200V | 7W | ¥100,000 |
地温センサーと組合わせて多彩な運転モードを設定できる
「降雪センサー(赤外線検知式)(品番:SS-3001およびSS-3001E)」に、オプションの「地温センサーSS-3001用(品番:SS-3001-TH1)」を追加すれば、外気温が設定を下回り雪が降っていても路面に陽が差して地温が設定温度より高くなっている場合に運転を止めたり、逆に降雪の有無にかかわらず地温が設定温度より低くなると路面凍結防止目的の運転を行うといったより環境に適した複雑な省エネ運転を実現します。
地温センサーSS-3001用(品番:SS-3001-TH1)
品番 | コード長 | 適合降雪センサー | 基準価格 |
SS-3001-TH1 | 10m | SS-3001・SS-3001E | ¥15,500 |
SS-3001-TH2 | 20m | ¥21,000 |
最大延長は80m以内です。延長の際には「VCTケーブル(品番:VCT-1.25-2C)」を使用してください。
着雪する場所にしか設置できない「水分検知式(HBCタイプ)」
センサー部に着雪した雪を内蔵ヒーターで融かして水分を検知する「降雪センサー(水分検知式)(HBC-S4-100VおよびHBC-S4-200V)」は、いわゆる無落雪屋根の住宅に最適です。ただし、センサー部に雪が乗りづらい強風が吹いたり、降雪が少ないが気温が低く凍結が多い地域には不向きです。
外気温が設定温度(2℃がデフォルトで0℃~7℃の範囲で調整可能)を下回る→水分を設定時間(0分がデフォルトで~30分間の範囲で調整可能)以上検知し続けた場合に運転する順序制御です。
品番 | 電圧 | 消費電力 | 基準価格 |
HBC-S4-100V | 100V | 7.5W | ¥65,000 |
HBC-S4-200V | 200V | 7.5W | ¥66,500 |
地温センサーと組み合わせれば、より融け残りのない運転ができる
「降雪センサー(水分検知式)(HBC-S4-100VおよびHBC-S4-200V)」に、オプションの「地温センサー HBC用」を追加すれば、降雪の有無にかかわらず地中温度が設定温度を下回った時に運転したり、路面を一定温度以上にしておくことで路面凍結が生じないようにと、より融け残りのない運転を実施できます。
HBCシリーズ用 地温センサー
品番 | コード長 | 適合降雪センサー | 基準価格 |
HBC-T1-10 | 10m | HBC-S4 | ¥14,800 |
HBC-T1-20 | 20m | ¥23,500 |
最大延長20m以内ですが仮に10mタイプを購入して延長したい場合はICQEV0.3Sq-2芯を使用してください。
センサー部と制御部の距離が遠い場合の配線
制御部を納屋などに設置し、センサー部と制御部が離れてしまい、付属の電線では足りない場合は延長が必要になります。その際には必ずメーカー推奨のケーブルを使用することをオススメします。選定を間違えると正しく動作しないことがあり、いざ降雪があったときにうまく融雪できなくなってしまいます。
適合降雪センサー | 付属ケーブル長 | 最大総延長 | 推奨ケーブル |
降雪センサー(赤外線検知式) | 10m | 60m以内 | MVVSケーブル(品番:MVVS-0.75-4) |
降雪センサー(水分検知式) | 5m | 25m以内 | VCTFケーブル(VCTF-0.5-6C) |
まとめ
センサーで外気温、降雪、そして地温を検出して、順序制御の段階を進めていくロードヒーティングは、設置環境に適した降雪センサーを選定しないと路面を無駄に温めすぎたり、逆に融け残りが発生したりします。
北海道で開発された「降雪センサー(水分検知式)(HBC-S4-100VおよびHBC-S4-200V)」は、いわゆる無落雪屋根の住宅に最適な設備です。しかし軒天がある住宅では、「降雪センサー(赤外線検知式)(品番:SS-3001およびSS-3001E)」の方が設置が容易だといえます。また、降雪量が多くない地域では、降雪の有無に加えて降雪量も検知できる赤外線検知式をオススメします。

大宮彰大

最新記事 by 大宮彰大 (全て見る)
- 複雑な間取りにも対応する床暖房システム『キュア真打』 - 2024年4月1日
- スペースと予算を節約!CALEFFIの高性能コンパクト圧力計の魅力 - 2024年3月22日
- 広範囲に冷温水を効率的に循環させる【小型温水循環ポンプUPS】 - 2024年3月13日