「見苦しい冷媒配管」を無くすスリムダクトSD浮かし工法システム
※本稿は、2020年7月6日に公開しましたが、編集校正し2021年7月12日に再公開しました。
進化するスリムダクトSDを使い倒せ!
スリムダクトSDに新たなパーツ追加発売され、いよいよ低層マンションや一般住宅でも浮かし工法が可能になりました。その一つ前の浮かし工法「スリムダクトPD」は、非住宅を中心に多くの現場に導入されています。浮かし工法にはどのようなメリットがあるのでしょうか?
意匠性が格段に向上する
エアコン配管用ダクトといえばスリムダクトSD。敢えて余計な主張はしないので、住宅の裏で目につかない壁面に多く設置されています。しかし、エアコンをすべての部屋に設置する今、住宅の表側にも冷媒配管をする必要に迫られる現場が増えています。
新たなパーツを追加!
スリムダクトSDに、新たに追加された「浮かし工法システム用パーツ」を使えば、冷媒配管と外壁の縁を切り、自立させることができるので、見苦しいエルボを使わずスリムダクトSDのラインをスッキリと見せることができます。
追加された浮かし工法システム用パーツの仕様
浮かしウォールコーナー(品番:SWU-77/IV)
取り出し部をスマートに収める「浮かしウォールコーナー(品番:SWU-77/IV)」は、エアコン用ダクトカバーの古典とも言えるウォールカバーを究極まで洗練させたデザイン。壁からの離隔35mmを取ることにより、継手の数量削減や施工工数の低減にもつながります。
品番 | 浮かせ高さ |
SWU-77/IV | 35mm |
SWU用スペーサー(品番:SWUS-77/IV)
新築の場合、下地から外壁までの厚みは計算されておりますが、雨どい同様に現場での微調整は必要になります。横引き配管がない「浮かしウォールコーナー(品番:SWU-77/IV)」の場合は、「SWU用スペーサー(品番:SWUS-77/IV)」を使って外壁との離隔を調整してください。厚さは5㎜ですので、SWUに1枚使えば合計40㎜、2枚で45㎜外壁面から浮かせることができます。
品番 | 調整高さ |
SWUS-77/IV | 5mm |
「ダクト架台(品番:SDUD-77/IV)」
シンプルな美しさが特長の「SDスリムダクト(品番:SD-77/IV)」のラインをスッキリと見せるため存在を感じさせない一体感がある「ダクト架台(品番:SDUD-77/IV)」。これ自体はごついですが、ダクトの前面に見えるのは「カバー外れ防止金具(品番:SDUO-77/IV)」だけですからご安心ください。
品番 | 浮かせ高さ |
SDUD-77/IV | 35mm |
施工方法は、以下の手順です。
- 外壁に「ダクト架台(品番:SDUD-77/IV)」の脚部をビス固定
- 切断した「スリムダクトSD(品番:SD-77/IV)」のベース板をダクト架台に仮組み
- 溶融亜鉛メッキ鋼板製の内側補強金具を「スリムダクトSD(品番:SD-77/IV)」のベース板内側にはめ込む
- 「スリムダクト用配管固定サドル(品番:SL-300)」のSLベースと一緒にビス固定
- ダクト架台の差し込みガイドに「カバー外れ防止金具(品番:SDUO-77/IV)」を挿入
「カバー外れ防止金具(品番:SDUO-77/IV)」
「ダクト架台(品番:SDUD-77/IV)」の施工方法5で使う「カバー外れ防止金具(品番:SDUO-77/IV)」は、ダクトのはずれを防止します。「ダクト架台(品番:SDUD)」の差し込みガイドに挿入するだけのワンタッチ取付けで、爪を押し込むことにより取り外しも可能です。意匠面では細くてシンプルなデザイン、互いにシンクロするカラーが控えめで統一感のあるトータルコーディネートが可能です。
品番 | 色 |
SDUO-77/IV | アイボリー |
「パーツ架台(品番:SDUP-77/IV)」
「SD端末カバー(品番:SE-77/IV)」などのパーツと「パーツ架台(品番:SDUP-77/IV)」はビスで固定します。高さ調整が必要な時は、「架台スペーサー(品番:SDUS-77/IV)」を壁面の間に使用して壁からの離隔距離を調整してください。
品番 | 浮かせ高さ |
SDUP-77/IV | 35mm |
「架台スペーサー(品番:SDUS-77/IV)」
「ダクト架台(品番:SDUD-77/IV)」又は「パーツ架台(品番:SDUP-77/IV)」と壁面の間に使用して壁からの離隔距離を調整してください。厚さは5㎜で重ねて使用することができます。
品番 | 調整高さ |
SDUS-77/IV | 5mm |
既存住宅にエアコンを追加設置する際も便利
スラブ付近に乗り越えなければならない凹凸がある場合、従来工法では、下図のようにフリーコーナーや段差継手を使用して、段差に沿ってダクトの中の冷媒配管を曲げ加工する必要がありました。
でも、浮かし工法なら、段差部を曲げることなく一直線に室外機まで持っていけます。冷媒管の曲げ加工も不要なので施工時間を短くすることができます。
まとめ
SDスリムダクトに新たなパーツが追加発売され、従来の工法に加えて浮かし工法が増えたことにより、非住宅のみならず、低層マンションや一般住宅で浮かし工法を選択できるようになりました。裏側の人目につかない外壁には従来工法で十分ですが、どうしても表側に配管しなければならない場合は外壁から縁を切り自立した配管をしたいものです。境界線ギリギリという環境には不向きですが、土地に余裕があれば、是非一度使ってみてください。
室橋尚哉
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