ガスフレキ接続のポイント:ガス栓台座セットの選定と取り付け手順
※この記事は2019年11月4日、2021年8月17日に公開しましたが、修正し2023年10月3日に再度公開しました。
ガス栓台座セット選び:統一性がもたらすメリット
「ガス栓台座セット(フレキ固定金具)」は多くのメーカーから提供されています。全メーカーでガス栓本体の六角部と台座の六角面の配置が統一されているため、異なるメーカーの商品を組み合わせて使用することも可能です。しかし、同一メーカーの製品を組み合わせることで、施工のしやすさが向上し、完成後の外観もより整ったものとなります。
ガスフレキ採用時のガス栓選択:藤井合金製作所の4種類のガス台座セット
施工業者様の多くがガスフレキを選択しています。露出タイプのガス栓にガスフレキを使用する場合、特に鉄管接続を前提とした設計では「ガス栓台座セット」が不可欠です。このセットは馬蹄式と羽根式の2つの工法で提供されています。藤井合金製作所では、これに加え、Aタイプ「可とう管ガス栓用」とBタイプ「ヒューズガス栓用」の合計4種類を提供しています。
馬蹄式のガス栓台座セット:「F-914シリーズ」
藤井合金製作所の「ガス栓台座セット馬蹄式(品番:F-914A・B)」は、バックプレートの形状が馬の蹄を彷彿とさせることから、馬蹄式と名付けられました。この商品はガス栓固定台座セットが初めて商品化された時からの仕様であり、採用実績が豊富でベテランの方々にもよく知られています。
品 番 | 付属ねじ |
F-914A | M4×40㎜ |
F-914B |
「F-914B」ガス栓固定台座セットを使用した「FV613A-T」ヒューズガス栓の取り付け手順
- 台座本体の取り付け
- ON・OFFヒューズガス栓(品番:FV613A-T)に、「ガス栓台座セット 馬蹄式(品番:F-914B)」に同梱の台座本体を固定します。
- 六角穴付き止めねじ3本を六角棒レンチでしっかり締め付けます。
- 注: 取り付け前に、台座本体の六角穴の奥のパッキンが取り付けられているかを確認してください。
- 固定座金の取り付け
- フレキ管用片ねじソケット(品番:FISシリーズ)に、台座セットに同梱の固定座金を適切にはめ込みます。
- 注: 固定座金の正しい向きに注意してください。
- ヒューズガス栓の取り付け
- ON・OFFヒューズガス栓にフレキ管用片ねじソケットを結合します。
- 事前に配管用シール剤をソケットに塗布し、しっかりとねじ込みます。
- フレキ接続とバックプレートのセット
- フレキ管用片ねじソケットとガスフレキを接続します。
- その後、馬蹄型バックプレートを壁内に設置します。
- 注: 壁の穴は50φの大きさで開けてください。
- バックプレートの仮固定
- ワイヤーを引っ張り、壁に密着させます。
- ON・OFFヒューズガス栓に固定された台座本体と馬蹄型バックプレートを2本の取付ねじで仮固定します。
- ワイヤーの巻き付け
- 引っ張ったワイヤーをフレキ管用片ねじソケットに固定します。
- 最終固定
- 取付ねじをしっかりと締め付け、施工を完了させます。
「ガス栓台座セット 馬蹄式(品番:F-914A・B)」取付けイメージ
羽根式のガス栓台座セット: 「F-917シリーズ」
「ガス栓台座セット 羽根式(品番:F-917シリーズ)」は、そのバックプレートの形状が羽根に似ているため、羽根式と呼ばれています。このセットは室内側からガス栓を直接固定することができ、馬蹄式のようにワイヤーを使用して引き込む手間が不要です。その結果、施工が簡単になり、年々この羽根式の取り扱い数量が増加しています。
品 番 | 付属ねじ |
F-917A | M4×70㎜ M4×50㎜ |
F-917B |
「F-917B」ガス台座セットを利用した「FV613A-T」ヒューズガス栓の取り付け方法
- 台座本体の固定
- ON・OFFヒューズガス栓(品番:FV613A-T)に「ガス栓台座セット 羽根式(品番:F-917B)」
- 同梱の台座本体を固定します。
- 使用ツール: 六角棒レンチで台座本体の六角穴付き止めねじ3本を締め付けます。
- 注: 取り付ける前に、台座本体の六角穴の奥のパッキンが確実に取りついていることを確認してください。
- 固定座金の設置
- フレキ管用片ねじソケット(品番:FISシリーズ)に同梱の固定座金を適切にはめ込みます。
- 注: 固定座金の正しい向きに注意してください。
- ヒューズガス栓の接続
- ON・OFFヒューズガス栓にフレキ管用片ねじソケットを結合します。
- 使用手順: 配管用シール剤をソケットに塗布後、本体にねじ込みます。
- 羽根型バックプレートの通過
- ガス栓台座セットに同梱されている羽根型バックプレートをガスフレキに通します。
- 注1: 壁の穴は50φの大きさで開けてください。
- 注2: バックプレートの裏表に注意してください。
- フレキ接続
- フレキ管用片ねじソケットとガスフレキを接続します。
- 台座本体とバックプレートの接続
- 既に固定された「ON・OFFヒューズガス栓」の台座本体と羽根型バックプレートを同梱の取付ねじ2本で接続します。
- 注: ねじ込む際、取付ねじの先端が羽根型バックプレートより1~2mm程度突き出るようにします。
- バックプレートの挿入
- 羽根型バックプレートを壁または水切り内にしっかりと挿入します。
- 最終固定
- 取付ねじを手前に引き出し、羽根型バックプレートを壁または水切り内に密着させた後、取付ねじ2本をしっかり締め付け、施工を完了させます。
「ガス栓台座セット羽根式(品番:F-917A・B)」取付けイメージ
※(A)寸法はM4×50㎜の場合、壁厚15mmに使用、M4×70㎜の場合、壁厚35mmまで対応します。
藤井合金製作所製ガス栓台座セットの品番と取り付けのポイント
藤井合金製作所製のガス栓台座セットでは、品番の末尾に「A」と「B」の表示があります。Aタイプは「都市ガス用可とう管ガス栓(品番:FV143D-T)」および「LPガス用可とう管ガス栓(品番:FV143C-L)の各シリーズと互換性があります。一方、Bタイプは「ヒューズガス栓」の全品番と対応しています。ビスを左右平行に取り付けた場合、Aタイプでは六角平面が垂直になるのに対し、Bタイプでは六角の角部が垂直になります。二口ヒューズガス栓を取り付ける際には、ビスの位置を縦に調整し、工具がアクセスしやすいようにします。
なお、ガス栓の形状はメーカーや種類により異なります。そのため、ガス栓台座セットは他メーカー製のガス栓にも適用可能ですが、同一メーカーの使用をオススメしております。
光陽産業製ヒューズガス栓取付用フレキ固定金具の選定と施工方法
光陽産業製のヒューズガス栓取付用フレキ固定金具は羽根式で、「ガス栓台座セット(羽根式)(品番:F-917シリーズ)」と同等の商品です。一口用ヒューズガス栓は「フレキ固定金具羽根式(品番:FKK1P)」を、二口用は「フレキ固定金具羽根式(品番:FKK2P)」を正しく使用しましょう。壁穴の推奨サイズはφ50mmで、「ウッディングコアドリル(品番:PCWSシリーズ)」のφ50用を用いると迅速な施工が可能です。また、対応壁厚は45mmまでとなっています。
品 番 | 付属ねじ |
FKK1P | M4×75㎜ |
FKK2P |
まとめ
ガス機器の導入にはガス栓の増設が必須で、ガスフレキの使用が一般的です。しかし、露出タイプのガス栓には適切な「ガス栓台座セット」の選定が必要です。この記事では、ガスフレキ接続時のガス栓台座セットの選び方や施工方法を、特に藤井合金製作所や光陽産業の製品を中心に詳細に解説しました。適切な製品の選定と施工手順の理解により、安全かつ確実にガス栓の取り付けを行うことができます。
永井達也
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