樹脂管継手 いつもと違った3つの選定ポイント
止水構造・接続方法・材質で選定する
様々なメーカーが群雄割拠する樹脂管継手。価格や調達のしやすさで選定されるケースも多いようです。一方で、止水構造や接続方法、材質に目を向けると、それぞれの特性がより鮮明になり、よりご自身の考え方に合った継手を見つけて頂けます。
選定ポイントその1【シール(止水)構造】
漏水リスクの少ない「内径シール」を選ぶ
内径シールとは架橋ポリエチレン管の内面をシールします。キズがつきにくい内面をシールするので漏水のリスクは少ないと言えます。一方で流路が狭くなるため外径シールの継手よりは流量が少なくなる場合があります。又、製造メーカーが多く価格競争が激しいため、購入費を安くできます。
品番 | 呼び径 | ねじ |
SMOA13G | 13A | G1/2 |
SMOA16G2 | 16A | G3/4 |
流量が確保できる「外径シール」を選ぶ
外径シールとは架橋ポリエチレン管の外周をシールします。流路が広く、流量を確保できます。一方、管外周のキズによる漏水のリスクは内面シール継手より高いと言えます。又、部品点数が多くなり製造原価が高くなる事から製造メーカーが限定的で技術革新が遅い面があります。
品番 | 呼び径 | ねじ |
WJ1-1310C-S | 10A | R1/2 |
WJ1-1313C-S | 13A | R1/2 |
WJ1A-1316C-S | 16A | R1/2 |
WJ1-2013C-S | 13A | R3/4 |
WJ1A-2016C-S | 16A | R3/4 |
WJ1A-2020C-S | 20A | R3/4 |
選定ポイントその2【接続方法】
継手にパイプを挿入するだけ「完全ワンタッチ」タイプ
継手を架橋ポリエチレン管に差し込むだけで施工完了。施工確認は目視や音などメーカーにより様々な工夫がされています。
品番 | 呼び径 | ねじ |
SPF10 | 10A | G1/2 |
SPF13 | 13A | G1/2 |
SPF132 | 13A | G3/4 |
SPF16 | 16A | G1/2 |
SPF162 | 16A | R3/4 |
SPF20 | 20A | R3/4 |
外径シール方式の継手に多い「ツータッチ」
インコア(樹脂管を真円にする)を架橋ポリエチレン管に挿入後、継手本体に差し込めば施工完了です。施工確認は目視となります。
品番 | 呼び径 | ねじ |
WJ18-1310C-S | 10A | G1/2 |
WJ18-1313C-S | 13A | G1/2 |
WJ18-2013C-S | 13A | G3/4 |
WJ18A2016C-S | 16A | G3/4 |
WJ18A2020C-S | 20A | R3/4 |
選定ポイントその3【材質】
比較的安価な「樹脂ボディ」が現在の主流
強化樹脂であるPPSU(ポリフェニルスルホン)、PPS(ポリフェニレンサルファイド)、PC(ポリカーボネート)で主に構成されています。耐熱性・耐衝撃性・耐薬品性に優れ軽量な事も大きな特徴と言えます。青銅製と比較すると安価であるため現在主流です。
品番 | 呼び径 |
SPL13 | 13A |
SPL16 | 16A |
SPL20 | 20A |
信頼と実績の「金属ボディ(黄銅/青銅)」も根強い人気
硬さと強度では鉄に劣るものの、その一方で加工性に優れ、鉄より錆びにくくバランスの取れた材質と言えます。以前から水廻りに使う材料として広く使われており信頼と実績においては他を圧倒します。昨今、原材料の高騰もあり価格は安くありません。
品番 | 呼び径 |
WL3-10C-S | 10A |
WL3-13C-S | 13A |
WL3A-16C-S | 16A |
WL3A-20C-S | 20A |
まとめ
・シール構造(止水)の内径シールまたは外径シールで選ぶ。
・施工性に関わるワンタッチまたはツータッチで選ぶ。
・継手材質の樹脂製または青銅製で選ぶ。
この他にも重要視するポイントはあると思いますが、今回は数ある架橋ポリエチレン管用継手の選び方の一例を紹介しました。
ベストなパーツでは、施工業者様の疑問やお困りごとの解決のお手伝いをさせて頂きます。
高島秀樹
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- 樹脂管継手 いつもと違った3つの選定ポイント - 2018年11月6日