安全な電気設備のために!絶縁抵抗計を正しく使おう

電気設備が安全に動作するためには、「絶縁」がしっかり保たれていることが重要です。しかし、長年の使用や環境条件によって絶縁が劣化すると、漏電や火災といった重大な事故につながる可能性があります。そこで欠かせないのが「絶縁抵抗測定」です。本稿では、絶縁抵抗測定がなぜ必要なのか、その基本的な考え方や具体的な測定方法、そして測定時に役立つ機器について詳しく解説します。電気設備の安全を守るための知識をしっかり押さえていきましょう。

絶縁抵抗測定は、安全な電気設備を守る最前線

絶縁抵抗測定は、電気回路や設備が正常に機能し、安全性を保つために欠かせないプロセスです。ここからは、絶縁抵抗計の基礎知識から使い方までを分かりやすく解説します。

絶縁不良は電気事故や火災の原因にもなりうる

絶縁が劣化すると、漏電や機器の故障だけでなく、人体への感電や火災につながることがあります。これを防ぐために、定期的な絶縁抵抗測定が重要です。電気設備に関する技術基準を定める省令第58条には以下の表のように絶縁抵抗値が定められていますが、最低条件ですので、これを満たしていれば万事OKとはいきません。工事の種類によっても異なりますが、特に新築の場合はすべての機器が新しいので200MΩ以上が望ましいでしょう。

電路の使用電圧の区分 絶縁抵抗値
300V以下 対地電圧(接地式電路においては電線と大地との間の電圧、非接地式電路においては電線間の電圧をいう。以下同じ。)が150V以下の場合 0.1MΩ以上
その他の場合 0.2MΩ以上
300Vを超えるもの 0.4MΩ以上

 

絶縁抵抗計(メガー)

ベストパーツオンラインでは3種類の絶縁抵抗計を取り扱っております。一般住宅のみを担当するのであれば、125Vの1レンジ式アナログ絶縁抵抗計(商品コード:IR4011-10)で十分といえます。ご自身の作業範囲に合ったものを選ぶようにしてください。

3種類の絶縁抵抗計の写真

ベストパーツオンラインでは3種類の絶縁抵抗計を取り扱っています。

商品コード メーカー 表示形式 定格電圧レンジ(DC)
IR4051-10 日置電機 デジタル 5レンジ
50V、125V、250V、500V、1000V
IR4011-10 日置電機 アナログ 1レンジ
125V
PDM5219S 三和電気計器 アナログ 3レンジ
125V、250V、500V

 

測定の前に0確認を忘れずに

機器の確認

絶縁抵抗計の電源を付けてリード線の赤と黒をつなげると当然0に振り切れます。ここで0にならなかった場合には、機器内部の問題かリード線の断線が考えられますので、リード線に異常がないようでしたら機器の交換も検討してください。

 

対地間の場合はアースの確認も必須

大地間(対地間)測定をする場合には、そもそもアースが効いているかを確認する必要があります。黒線をアース線に繋ぎ、赤のリード線を、測定対象とは全く関係のないアースが効いている金属部分(ドアノブなど)に繋ぐことで0に振り切れればアースが効いています。

 

線間測定と大地間測定で短絡・地絡を確認

線間測定で短絡のチェック

赤黒の線をN側とL側につなげることで線間測定ができます。線間測定はそれらの回路が短絡していないかを調べることができます。

線間測定のイメージ図

図1 線間測定のイメージ図。

 

大地間測定で地絡のチェック

大地間測定は絶縁抵抗計の黒線をアースにつなげて、赤線でN側とL側それぞれを測定します。それぞれの線で0に振り切れないかを確認しましょう。

大地間測定のイメージ図

図2 大地間測定のイメージ図。

 

まとめ

絶縁抵抗測定は、電気設備の安全を守るための基本であり、漏電や短絡などのリスクを事前に防ぐために欠かせない作業です。本稿では、絶縁抵抗計の選び方や具体的な測定手順を紹介しました。測定を行う際には、正確な測定器の準備や事前確認を徹底することで、より信頼性の高い結果が得られます。

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寺島 佳希

業務部所属。皆様の施工のお役に立てるような部材をご紹介します。
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