「水フレキ用ツバ出し工具」は多数のメーカーより発売されています。価格だけで選定し狭小箇所などで使用する際に大きすぎて使いづらい、「水フレキ」のサイズが3種類あるのに2種類しか利用できなかったなど、購入してから別のツバ出し工具にすれば良かったと思ったこともあるはずです。本稿では「水フレキ用ツバ出し工具」の選定ポイントをご紹介させて頂きます。

※この記事は2019年4月19日、2020年11月26日公開しましたが、商品を追加し2023年8月9日に再公開しました。

ツバ出し工具の選定のポイントは作業性と水フレキのサイズにあり

「水フレキ」は、給湯器の給水給湯配管や浴室の水栓への給水給湯配管、食洗器への分岐配管、トイレの給水管など、多岐にわたる使用箇所で活用されています。しかしながら、水フレキを使用する現場ではいくつかの課題があります。例えば、作業場所が狭いため操作が難しいことや、床に置いてツバ出し作業を行う際に床が傷つく可能性があること、普段使用しているサイズと異なる水フレキを支給されることなどが挙げられます。これらの困りごとは絶えることがありません。

こうした現場の課題に対処するためには、価格だけでなく作業性と水フレキのサイズを重視することが大切です。自身の作業現場を具体的にイメージすることで、最適な水フレキを選定するポイントが明確に浮かび上がってきます。価格よりも、作業をスムーズに行えるかどうかや、現場で必要なサイズが選択肢に含まれているかが、選定の決め手となることでしょう。

手動タイプの水フレキ用ツバ出し工具厳選3機種

本体に磁石が付いて、水フレキがズレないハンマー式のフレキツバ出し工具「マジックパンチ（品番：MGPC）」

「マジックパンチ（品番：MGPC）」は、写真の通り丸くて持ちやすく手のひらサイズなので狭い場所でもツバ出し加工が容易にできます。水フレキをセットする際は、本体真ん中で開くことができ「水フレキ」3山をセットし専用のポンチも開いた本体に入れ閉めればセット完了。あとは「プラスチックハンマー」で叩くだけで水フレキのツバを出すことができます。本体印字の1/2側は16.0、16.8mm、3/4側は20.0mmとサイズによって入口が分かれているため、使用する水フレキにより使い分けてください。小さくて持ち運びが便利、部品がバラバラにならないのも特徴です。

※プラスチックハンマー以外で叩くと破損の恐れがありますのでご注意ください。

品番	適合サイズ	質量
MGPC	φ16.0・16.8・20.0	1.25kg

叩かずにラチェットハンドル操作でツバを出す「フレキ用ツバ出し工具ラチェット式（品番：TH406R）」

「フレキ用ツバ出し工具ラチェット式（品番：TH406R）」は、画像では見えにくいですがグリップに小さい凹凸があり持ちやすい構造で、持ち手に負担が無いので使いやすいと高評価です。サイズの変換は駒を反転させるだけで、他の道具を使わなくても変更ができます。小型でラチェットハンドル操作でツバが出るので、作業がカンタンにできます。1台で「水フレキ」の16.0mm、16.8mm・20.0mmの2山・3山の均一できれいなツバ出しができます。これ以上良いツバ出し機はないと言っても過言ではありません！

品番	適合サイズ	質量
TH406R	φ16.0・16.8・20.0	1.48kg

叩かずにハンドルを押し込む力でツバを出す「ツバ出し工具　押込み式（品番：R833）」

「フレキツバ出し工具　押込み式（品番：R833）」のハンドルはゴム製で持ちやすく操作もカンタンです。一定の力でレバーを押込みツバを出すので、「水フレキ」の山のつぶれ方が都度違うことは無い工具です。屋内での連続作業に最適ですが、作業台や床に傷が付く可能性がありますので傷止め防止用のシートを敷いて作業することをオススメします。

品番	適合サイズ	質量
R833	φ16.0・16.8・20.0	2.6kg

手持ちの電動工具で作業時間の短縮が可能

インパクトドライバ―を利用する「フレキツバ出し工具インパクトドライバー専用（品番：600-005シリーズ）」

「フレキツバ出し工具インパクトドライバー専用（品番：600-005シリーズ）」は施工業者様ならもちろん持っているインパクトドライバーを使用してツバ出しする工具です。専用のソケットビットを装着し正転させツバを出すタイプの工具です。ポンチ部を叩くスペースが無い狭い場所や、数をこなしたい現場などで使用すると時間短縮も見込めて便利です。

品番	適合サイズ	質量
600-005-13	φ16.0・16.8	771g
600-005-20	φ20.0	764g

使用サイズが決まっていてローコストで済ませたい

　本体一体型で部品が無くならない「フレキツバ出し工具　ハンマー式（品番：SKTD1316）」

「フレキツバ出し工具　ハンマー式（品番：SKTD1316・20）」は、本体一体型のツバ出し工具なので部品を無くす心配がなく、どこでも安心して作業することが可能です。本体を開き「水フレキ」3山目を止め金具にセットしてからハンマーで叩くだけでツバ出しが可能です。残念ながら、本体一つで水フレキ3種のツバ出しが出来ません。例えば、「SKTD1316」はΦ16.0とφ16.8、「SKTD20」はΦ20.0という具合に使い分ける必要があります。ただ、他のツバ出し工具と比べ価格が安いので人気があります。

品番	適合サイズ	質量
SKTD1316	φ16.0・16.8	780g
SKTD20	φ20.0	780g

つば出しの善し悪しは切断面の影響が大きい

「水フレキ」のツバの精度を左右するのは、ツバ出し機の能力だけではございません。意外と重要なのが水フレキの切り口です。写真を見て頂くと分かりますが、「ステンフレキ管カッター（品番：TC105NF）」で切った時の左側が良い切り口、右側が悪い切り口です。悪い切り口のままツバを出すと面が曲がっており、「水フレキ用パッキン」との接触面にズレが出て漏水する可能性が高まります。

まとめ

工具自体がコンパクトで低価格なオプションとして、「マジックパンチ（品番：MGPC）」や「フレキツバ出し工具　ハンマー式（品番：SKTD1316・20）」のようなハンマー式工具があります。しかしながら、これらのハンマー式工具は叩く際に手に負担がかかるため、日常的に多くの「水フレキ」作業を行う施工業者の皆様にはおすすめできないかもしれません。

一方で、価格は高めですが、一度使用すれば満足いただけるであろう「フレキ用ツバ出し工具ラチェット式（品番：TH406R）」もオススメです。この工具は、カンタンなラチェットハンドル操作で作業スピードアップが可能です。

さらに、まだご利用でない施工業者の方には、「フレキツバ出し工具インパクトドライバー専用（品番：600-005シリーズ）」もご紹介いたします。この工具は、既存のインパクトドライバーを活用してツバ出し作業を行うことができ、施工時間の短縮が見込める便利なアイテムです。