都市ガス用金属可とう管のユニオン構造とシール構造の選び方

都市ガスの安全で効率的な利用には、適切な金属可とう管の選択が不可欠です。この記事では、都市ガス用金属可とう管の中で主に使用される「ユニオン構造」と「シール構造」の基本的な違いと特性、そしてそれらの選び方について解説します。

基本的な構造の理解

金属可とう管の選択には、それぞれの構造の特性や適用シーンの理解が必要です。ユニオン構造とシール構造の基本的な違いを簡潔に把握することで、適切な製品を選ぶ際の参考とすることができます。

ユニオン構造の違いとその特性

金属可とう管のユニオン構造は、燃焼器具やガス栓との接続部分に関するもので、その設計や形状によって取り付けのしやすさや信頼性が異なります。

両ユニオン構造

両端の継手が回転することが特徴です。そのため配管の調整が容易となり、施工時間が短縮できるため、効率的な作業が可能となります。そのうえ、位置合わせの調整も簡単に行えるため、施工ミスのリスクを低減できます。ただし、部品点数が多い分だけ製造コストが高くなる傾向にあります。

片ユニオン構造

器具側がユニオンで、ガス栓側がRねじとなっています。ガス栓側を先に取り付け、器具側を後から取り付ける方法です。この構造は、ガス栓側を先に固定してから器具側を後から接続するといった手順に制約はありますが、両ユニオン構造と比較すると製造コストを抑制できるという特徴があります。

シール構造の違いとその特性

金属可とう管のシール構造は、接続部分の気密性を保持するための設計となっており、その性能によってガス漏れのリスクが変わります。

メタルタッチシール

このシール方式では、接続部の金属面を高精度に加工して金属部品同士を密接に結合させます。このため高い加工技術が必要となり、製造コストは高めになります。しかし、その結果として、ガスの漏れを効果的に防ぎ、長期間の使用でもシール性能の低下が少ないという利点があります。

Oリングシール

ゴム製のOリングを使用して、接続部分の隙間を埋めることでシールを行います。素材の柔軟性により、微細な隙間もしっかりと塞ぐことができますが、経年劣化によるシール性能の低下に注意が必要です。

個々の製品の特性と選び方

以下では、主要な金属可とう管の製品とそれらの特性、おすすめの使用シーンについて詳しく説明します。

桑名金属工業(旧日立金属)製の「ソフレミニ」

都市ガス用の「金属可とう管 ソフレミニ」は、フレアシート突き合わせのシール構造を持つ高い気密性を誇るメタルシール構造の金属可とう管です。接ガス部は黄銅製金具を採用し、加えて補助用のOリングも搭載しており、これによってさらなる気密性が確保されています。また、この管は両側ユニオン構造を採用しており、施工の手間を大きく減少させることができます。なお、特殊プラスチック製の保護カバーは、屋外に加え厨房や浴槽エプロン内での使用を想定し、洗剤、調味料、油脂、漂白剤などにも耐性があります。

保護カバー付きの「金属可とう管 ソフレミニ(FHOシリーズ)」は1本から当日出荷可能です。

品番 メス側ねじ オス側ねじ 全長(mm)
FHO-1/2-200 Rc1/2 R1/2 200
FHO-1/2-250 250
FHO-1/2-300 300
FHO-1/2-350 350
FHO-1/2-400 400
FHO-3/4-200 Rc3/4 R3/4 200
FHO-3/4-250 250
FHO-3/4-300 300
FHO-3/4-350 350
FHO-3/4-400 400

正英製作所製の「ショーフレN」

都市ガス用の「金属可とう管 ショーフレN」は、フレアシート突き合わせのメタルシール構造を採用しており、その接ガス部はステンレスチューブに特殊ポリエステル樹脂コーティングを施しています。このシール構造に補助用のOリングを組み合わせることで、非常に高い気密性を実現しています。また、ソフレミニと同じく、この管も両側ユニオン構造を採用しているため、施工時の手間を大きく削減できます。そして、特殊プラスチック製の保護カバーにより、ソフレミニと同じく、洗剤や調味料、油脂、漂白剤といったものにも耐性を持っています。

保護カバー付きの「都市ガス用金属可とう管 ショーフレN(SHCシリーズ)」は1本から当日出荷可能です。

品番 メス側ねじ オス側ねじ 全長(mm)
SHC-1/2B-250 Rc1/2 R1/2 250
SHC-1/2B-300 300
SHC-1/2B-400 400
SHC-1/2B-500 500
SHC-1/2B-600 600
SHC-3/4B-250 Rc3/4 R3/4 250
SHC-3/4B-300 300
SHC-3/4B-400 400
SHC-3/4B-450 450
SHC-3/4B-500 500
SHC-3/4B-600 600

正英製作所製「ショーフレN」の保護カバー無し

都市ガス用の「金属可とう管 ショーフレN(SHFシリーズ)」は、保護カバーを省いた屋内専用の金属可とう管で、前述の「ショーフレN(SHCシリーズ)」と同じシールおよびユニオン構造を持っています。そのユニオン構造のおかげで、屋内設置の先止め式湯沸器を始めとする常設形ガス機器との接続が簡単に行えます。

保護カバーの無い「金属可とう管 ショーフレN(SHFシリーズ)」は1本から当日出荷可能です。

品番 メス側ねじ オス側ねじ 全長(mm)
SHF-1/2B-250 Rc1/2 R1/2 250
SHF-1/2B-300 300
SHF-1/2B-400 400
SHF-1/2B-500 500
SHF-1/2B-600 600
SHF-3/4B-250 Rc3/4 R3/4 250
SHF-3/4B-300 300
SHF-3/4B-400 400
SHF-3/4B-450 450
SHF-3/4B-500 500
SHF-3/4B-600 600

日本継手製の「メタルホース」

都市ガス用の「金属可とう管 メタルホース(OMHシリーズ)」は、Oリングシールを採用した片ユニオン構造の屋内外兼用金属可とう管です。この片ユニオン構造により、振動を伴わない給湯器やビルトイン調理器との接続が容易であり、めねじ側の自在機構を採用することで、施工の手間を減らし、分解も不要となっています。接ガス部はニッケルクロームめっきを施したアダプター部と、樹脂コーティングを施したステンレスチューブを使用し、高い耐食性を確保しています。

保護カバー付きの「金属可とう管 メタルホース(OMHシリーズ)」は1本から当日出荷可能です。

品番 メス側ねじ オス側ねじ 全長(mm)
OMH-1/2-200 Rc1/2 R1/2 200
OMH-1/2-250 250
OMH-1/2-300 300
OMH-1/2-400 400
OMH-1/2-600 600
OMH-3/4-200 Rc3/4 R3/4 200
OMH-3/4-250 250
OMH-3/4-300 300
OMH-3/4-400 400
OMH-3/4-600 600

協成製の「キーロン」

都市ガス用の「金属可とう管 キーロン(TO-Iシリーズ)」は、保護カバー付きで屋内外対応の金属可とう管として設計されています。この管はエポキシ樹脂コーティングを施したステンレスチューブを採用し、接ガス部ではOリングシール方式を用いて気密性を担保しています。片ユニオン構造を採用することで、ガス栓側を先に固定してから器具側を後から接続する一方向からの取り付け手順となるため、作業スペースが限られるビルトイン調理器との接続が容易になっているといえます。さらに、特殊樹脂製の保護カバーは屋外や厨房、浴槽エプロン内での使用にも適しており、多くの物質に対する耐性を備えています。

保護カバー付きの「金属可とう管 キーロン(TO-Iシリーズ)」は1本から当日出荷可能です。

品番 メス側ねじ オス側ねじ 全長(mm)
TO-I-1/2B200 Rc1/2 R1/2 200
TO-I-1/2B250 250
TO-I-1/2B300 300
TO-I-1/2B400 400
TO-I-1/2B600 600
TO-I-3/4B200 Rc3/4 R3/4 200
TO-I-3/4B250 250
TO-I-3/4B300 300
TO-I-3/4B400 400
TO-I-3/4B600 600

業界唯一の純正ユニオン継手をご紹介

現場の要求に応じた接続変換:ショーフレN専用のユニオン継手

国内工場で完全自社生産している正英製作所だからこそ発売できる「ショーフレN専用ユニオン継手」は、現場での柔軟性を重視し開発されました。ショーフレNの器具側ユニオンを外し、おねじやめねじに簡単に変換可能なこれらのユニオン継手は、現場作業の効率化を図ることができます。ただし、この「ショーフレN専用ユニオン継手」は、専用継手として設計されているため、他メーカーの製品との接続はできませんのでご注意ください。

「ショーフレN専用ユニオン継手」は1個から当日出荷可能です。

品番 適合口径 可とう管側
SHM-15 R1/2 3/4-16UNF
SHM-20 R3/4 11/8-12UNF
SHW-15 Rc1/2 3/4-16UNF
SHW-20 Rc3/4 11/8-12UNF

まとめ

都市ガスの安全な利用のためには、適切な金属可とう管の選択が欠かせません。本記事では、金属可とう管のユニオン構造とシール構造の特性と選び方を詳細に解説しました。ユニオン構造は、両ユニオンと片ユニオンの特性や施工の特徴を、シール構造では気密性を保持するためのメタルタッチシールとOリングシールの違いを中心に説明しています。また、市場にある主要な製品についてもその特性や使用シーンに応じたおすすめのポイントを紹介しました。特に、正英製作所のショーフレN専用ユニオン継手については、その柔軟な接続変換機能や、他メーカー製品との非互換性についても触れています。
ベストパーツオンラインショップ

  • シェア
  • twitter
  • twitter
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • Pocket
PAGE TOP
LINE it!
MAIN MENU SUB MENU