原材料、輸送費、梱包副資材の高騰により価格改定が続いています。とりわけ温水暖房部材では、非鉄金属製品の価格上昇幅が目立っています。本稿では、進化を続ける温水式床暖房用の樹脂製継手と、それらがもたらすコストダウンについてご説明いたします。
温水式床暖房向け樹脂製継手に再注目!
都市部のマンションを中心に採用されていた「温水式床暖房マット(以下温水マット)」は、今や戸建住宅での採用も当たり前になり、対応する熱源機もガス、ヒートポンプ、石油と選択肢が多くあります。温水式床暖房システムは、熱源で作り出した温水を分配する「ヘッダー」、温水を搬送する「架橋ポリエチレン管」、放熱を行う「温水マット」、そしてそれらを繋ぐ「継手」で構成されています。既に多くの部分が樹脂に置き換えられていますが、いまだに「ヘッダー」と「継手」については黄銅製が多く使われています。
樹脂製は強靭性と耐熱性が心配?
樹脂製継手を敬遠される理由としてよく耳にするのが「壊れやすそう」や「温水を流したら劣化しそう」というお話しです。確かに樹脂製継手に用いられる材料「PPS」と「黄銅」の物性データを比較すると、耐熱性と強靭性のいずれの数値においても黄銅の方が優れているようですが、例えば「PPS」の耐熱温度は220℃もあります。樹脂製継手は、絶対値では金属製継手に及ばないものの、温水式床暖房の要求性能に関しては全く問題はないと言って差し支えありません。強靭性についても、タケノコ部に架橋ポリエチレン管を挿入する際、無理な力を掛けないよう「スムーサー」を用いて挿入すれば、破損することはありません。
マルチスムーサー
樹脂管挿入の必須アイテム!
ヘッダーと継手を樹脂化するとコストが下がる?
例えば、温水式床暖房で必ず使用する黄銅製の「CHジョイント(品番:XPE-HJ7)」と樹脂製の「CHジョイント(品番:XPE-HJ7J)」を比較すると約27%もの開きがあります。
黄銅製のCHジョイント
温水式床暖房で必ず使用するCHジョイント。もちろん当日出荷しております!
樹脂製のCHジョイント
樹脂製のCHジョイントも当日出荷!
クリップ要らずの樹脂製継手
黄銅製のCCH継手には欠かせない「クリップ」
黄銅のCCH継手やCH継手をヘッダーや熱源機に接続する際には、必ず「CCHクリップ(品番:CCHC)」、「CHクリップ(品番:XPE-10C)」が必要になります。しかし、樹脂製継手の中にはクリップ機能が搭載されており、別途「CCHクリップ(品番:CCHC)」や「CHクリップ(品番:XPE-10C)」を必要としないモデルもあります。これにより部材点数を減らし継手のコストダウンだけでなくクリップ分のコスト削減ができます。
クリップ機能が搭載された樹脂製継手のラインナップ
CCH止水栓
クリップ付きのCCH止水栓も当日出荷!
CCHジョイント
クリップ付きのCCHジョイントも当日出荷!
CCHエルボジョイント
クリップ付きのCCHエルボジョイントも当日出荷!
CHジョイント
クリップ付きのCHジョイントも当日出荷!
CHエルボジョイント
クリップ付きのCHエルボジョイントも当日出荷!
CH止水栓
クリップ付きのCH止水栓も当日出荷!
まとめ
温水式床暖房システムに採用される部材の内、「ヘッダー」と「継手」だけは、いまだに黄銅製の材料が買われています。確かに樹脂製継手に用いられる材料「PPS」と「黄銅」の物性データを単純比較すると、耐熱性と強靭性のいずれにおいても黄銅の方が優れているようですが、温水式床暖房システムの要求性能はクリアしています。加えて、最新の樹脂製継手にはクリップ機能まで搭載されているラインナップも増えています。まだお使いになっていない施工業者の皆様はぜひお試しください。