広い面積をレイアウトフリーで敷設できるキュア10™

冬に暖かいだけでなく、結露に伴うカビやダニ、アレルギー症状の解消など健康面に期待して、住宅のみならず幼稚園や介護施設など非住宅での採用も増えている温水式床暖房。現時点では、建築の低い断熱性能を補うべく55℃以上の高温水を循環させる温水マットが主流ですが、品確法が改正および新設されて以降の新築住宅では、送水温度が更に低くなると予測されます。

圧力損失を抑え、広い面積でも少ない回路数で敷設できる

現在、温水式床暖房の主流である厚さ12mmの温水マットの内部配管には、5Aや6Aの細い架橋ポリエチレンパイプがあらかじめ敷設されています。そのスペックのままで広い面積を床暖房をしようとすると、回路数が増えて圧力損失が大きくなります。その点、厚さ15mmの温水パネルに10Aの「キュア真打専用パイプ（品番：10CS-○○）」を現場敷設する温水式床暖房の新・定番「キュア10™」なら、圧力損失が低い分だけ１回路あたりの敷設面積を広くとることが可能です。もちろん、温水パネルにはアルミ製の遮熱板と伝熱板が埋め込まれていますので表面温度を均一に保てます。

小根太が組み込んでいるため、幅広い床暖房用木質フローリングと組合わせることができる。

１回路あたりの配管長は100mまで。パイプは専用品に限る

「キュア10™」は、目安としては１回路あたり100mまでの長さの配管を敷設することができます。この値は、一般的な家庭用ヒートポンプ熱源器の内蔵ポンプ能力を基に算出されています。よって、100m以上の配管長を要求される回路がある場合は、システムの圧力損失を算出したうえで設置される熱源器のポンプ能力と比較検討してください。なお、配管には必ず専用品の「キュア真打専用パイプ（品番：10CS-○○）」か「O2ストップパイプ（品番：O2-10C）」を使用してください。なぜなら、市販の架橋ポリエチレンパイプを「キュア10™」と組合わせて使用した場合、熱による膨張と収縮を繰り返す度に本体に擦れる音鳴りが発生する恐れがあるからです。

パネルの組合わせやカット加工で自由設計

R部と直線部の組合せで自由にレイアウトできる

直線部とＲ部の2種類のパネルを組合わせてレイアウトしてから現場配管する「キュア10™」は、温水マットに比べて圧倒的に自由度の高い敷設を可能にします。また、最近増えてきているデッドスペースを生かした5角形や円形などの変形レイアウトにも対応することができます。2種類のパネルは、「キュア10™（品番：FB15-0909S-6）」を直線部分に、「キュア10™（品番：FB15-0902R-9）」を部屋の隅でパイプをターンさせる部分や狭いエリアに敷設する場合に用います。

小根太に沿って丸ノコでサイズ調整

「キュア10™」の2種類のパネルは、いずれも303mmピッチで通っている小根太に沿ってカッターなどで分割することができます。上図での横方向については小根太が通っているため、丸のこなどがあれば任意の場所でカットしてサイズを調整することができます。

キュア10™直線部のFB15-0909S-6の平面図

キュア10™R部のFB15-0902R-9の平面図

まとめ

2022年に改正および新設される品確法の要求を満たす住宅は、平成28年（2016年）基準と比べて暖冷房一次エネルギー消費量が31％～47％も改善します。そのような断熱性能の高い住宅の暖房設備には、冬に暖かいだけでなく、結露に伴うカビやダニ、アレルギー症状の解消など健康面も考慮すれば温水式床暖房が最適です。現在主流の温水マットでも対応可能ですが、床暖房敷設面積が広くなると圧力損失が高い分だけ不利になります。

新・定番「キュア10™」は、内部配管径がφ10と太くて１回路あたり配管長を100mまで対応できるので、広い面積を少ない回路数で賄える温水パネルです。パネルをカットしてお部屋の形状にピッタリ合わせることも容易な点も魅力です。