空調ダクトの分岐や延長に伴い、様々な継手が必要になります。これまでは、ダクトや継手の多くは金属製でしたが、使い勝手の良い樹脂製の選択肢が増えてきました。本稿では、空調用フレキシブルダクトに使いたい樹脂製のダクト用継手をご紹介いたします。

運搬性、施工性、そして防露性にも優れる樹脂製継手

亜鉛鋼板を原料とした堅牢な金属製ダクト継手と比較し、ポリエチレンを原料としたフレキシブルダクト用の樹脂継手はとても軽量で現場搬入が容易で、上を向く作業が多い施工にも最適です。また、結露による腐食の恐れもありません。夏場、屋内の空気と高温多湿の外気が接する部分で発生することが多い空調用のダクトや継手の結露によるクレームを回避するために、樹脂製のダクト継手を採用するのも一計の価値があります。

兼用タイプの樹脂製チャンバー

チャンバーとは、空調用フレキシブルダクトの空気室のことで、騒音を吸収するためや空気の混合・分岐などの目的で設置される箱状の装置のことです。エアチャンバー、チャンバーボックスなどとも言われます。

2分岐～4分岐に対応する「KM-040V」

品番	元部（φ）	分岐部（φ）
KM-040V	100/150	50/100

鋼板製のチャンバーボックスは樹脂製と比較し、非常に重く施工も大変です。又、φ100用、φ150用など専用品が多く、現場毎に合った製品を揃えなければなりません。KM-040Vは、発泡スチロール製で非常に軽く、元部がφ100、φ150兼用、分岐部がφ50とφ100兼用となっていて、多くの現場に対応できます。鋼板製は内面にグラスウール等を貼り付け、防音、防露対策をしていますが、オール樹脂製のKM-040Vは素材自体に防音、防露効果があり、コスト面からみてもメリットがあります。分岐部両端にはキャップが2個ついており、カットすることにより、2分岐から4分岐まで対応できます。

2分岐のみに対応する「KM-020V」

品番	元部（φ）	分岐部（φ）
KM-020V	100/150	100

2分岐は元部がφ100φ150兼用、分岐部はφ100となっています。

φ200まで揃う「樹脂製ソケット」

同径のダクトをつなぐ樹脂ソケットφ50～φ150

品番	φD	全長（mm)
KM-50S	50	93
KM-75S	75	132
KM-100S	100	103
KM-150S	150	103

同径のダクトをつなぐ樹脂ソケットでもφ200用は形状が異なる

 

品番	φD	全長（mm)
CP-T200	200	130

PE製の樹脂ソケットはセンターにビードを設け、ダクトを突き当てると過不足なく差し込むことができます。

φ100のダクトとφ150のダクトをつなぐ「樹脂レジューサー」

品番	φD	φd
DJ-1510	150	100

PE製のレジューサーは、φ150のダクトとφ100のダクトを接続する際に使用します。「D」と「d」はなだらかに口径を変化させ、抵抗を抑える設計となっています。

空気抵抗を減らす「樹脂Y管」

排気効率を上げるため、T字形状より空気抵抗が少なくなるY字形状をしています。

気流を分岐させる同径のＹ管

品番	φA	φB	φC
DY-100	100	100	100
DY-150	150	150	150

PE製のＹ管で3方向同径です。ダクトのストッパーとなるビードと締付バンドの抜け止め溝を設けています。

気流を分岐させる異径のY管

品番	φA	φB	φC
DY-1510	150	100	100

気流を合流させる樹脂異径Y管

品番	φA	φB	φC
DY45-1510	150	100	150

PE製のＹ管で本管（φA-φC)はφ150、分岐（φＢ）はφ100です。ダクトのストッパーとなるビードと締付バンドの抜け止め溝を設けています。

まとめ

空調用フレキシブルダクト用の樹脂継手は、軽量で搬入性や施工性が良いだけでなく、結露や腐食に対して圧倒的に優位性があるので、結露対策として効果を発揮します。軽量で色々なサイズが兼用で使える「分岐チャンバー」、同径のダクトをつなぐ「樹脂ソケット」、異径のダクトをつなぐ「樹脂レジューサー」、同径のダクトを分岐する「樹脂Y管」、異径のダクトをつなぎ気流を分岐させる「樹脂異径Y管DY-1510」、異径のダクトをつなぎ気流を合流させる「樹脂異径Y管DY45-1510」といった豊富なラインナップをすべて1個から受注当日出荷しております。