賃貸マンション・アパートなどにエアコンを設置する際、管理会社の許可が下りず壁に配管用の穴開けができないことがあります。また、持ち家であっても、耐震計算に影響を与える場所へ穴を開けることは厳禁です。本稿では、外壁に穴を開けなくても配管ができるエアコン用の「エアコン配管用窓パネル」をご紹介いたします。

 

賃貸物件でもエアコンが取り付けられる！

通常、エアコン設置には室内機と室外機を繋げる配管を通すための穴を壁に開ける必要があります。しかし前述の通り、賃貸物件だとそれが難しい場合も少なくありません。

「エアコン配管用窓パネル」は、ルームエアコンの配管を窓から屋外に出すことができる商品です。しかし便利な反面、「エアコン配管用窓パネル」を取り付けると本来の窓の鍵は使用できず、簡易鍵（補助錠）で施錠を行うことになります。そのため、メーカーも「防犯が不十分な場所では使用しないで下さい。」と注意喚起しています。施工業者様には、防犯面の留意点を説明したうえで「壁に穴は開けられないけどエアコンを取り付けたい！」というユーザーに対する解決策としてご利用いただきたい商品です。

換気小窓がある場合は「分割式換気小窓用パネル」

「分割式換気小窓用パネル（品番：C-VP）」は、換気用の小窓からエアコン配管を外に出す場合に使用します。施工手順は、先に配管を小窓に通してから分割式スリーブを取り付けて、パネルを小窓に合わせてカットして押さえ板とねじで固定するだけ。スリーブと配管の間に隙間がある場合はシールパテで隙間埋めを行ってください。なお、鉄製の窓やすべり出し窓、上げ下げ窓などといった特殊な窓には設置できませんのでご注意ください。

品番	適合窓高さ	取付窓有効幅
C-VP	125～149mm	6mm

 

換気小窓がない場合は「配管貫通用フリーパネルセット」

換気小窓がない場合も、「配管貫通用フリーパネルセット（品番：C-MP○）」を使えば窓を利用した配管の貫通が可能です。窓の高さに合わせてアルミ組品（本体）を伸ばして取り付けます。なお、窓高さ280mm未満および381mm～550mm未満に対応する規格はありませんが、現場で切断・加工して長さを合わせることも可能です（図1参照）。

品番	適合窓高さ(mm)	配管用貫通穴(mm)	幅(mm)	色
C-MP4-B	280～380	44×90	81	ブロンズ
C-MP8-B	550～820			ブロンズ
C-MP14-B	850～1380			ブロンズ
C-MP22-B	1280～2240			ブロンズ
C-MP4-S	280～380			シルバー
C-MP8-S	550～820			シルバー
C-MP14-S	850～1380			シルバー
C-MP22-S	1280～2240			シルバー

補助錠の取り付け方

「配管貫通用フリーパネルセット（品番：C-MP○）」は、前述の「分割式換気小窓用パネル」と仕組みは大きく変わりませんが、窓が完全に閉まらなくなってしまう関係から補助錠が付属しています。必ず取付けて施錠を行えるようにしましょう。また、補助錠はあくまでも簡易的なものですので、防犯面で不安な方には別途後付けの鍵を取付けることをオススメします。

補助錠取り付け手順
	半開きにした窓2枚の隙間に補助錠を入れ、外側のクレセント掛にワイヤーの先端を引っ掛ける。
	補助錠のねじを一度緩め、爪を内側のクレセントに引っ掛けてからねじを締付ける。
	一度補助錠を外し、裏側にマジックテープを貼り付ける。
	再度クレセントに引っ掛けて、補助錠をガラス面にしっかり押し付け貼り付ける。
	最後に既設のクレセントが上手く掛かるか確認して終了。

 

まとめ

賃貸物件で建物の管理会社の許可が下りなかったり、耐震・安全面の問題で、壁に配管用の穴を開けられない場合があります。解決策をお探しなら「エアコン配管用窓パネル」をお使いください。設置の際は防犯面で対策を施す必要がありますが、換気小窓があるなら「分割式換気小窓用パネル（品番：C-VP）」を、換気小窓がない場合は「配管貫通用フリーパネルセット（品番：C-MP○）」をご利用いただければ、壁に穴を開けずにエアコン配管ができます。エアコンの需要がますます高まる今、ユーザーの要望に応えるための選択肢としてぜひご検討ください。

※本稿は、2021年5月10日に公開した記事を2022年4月14日、2024年5月7日に校正し直し再度公開しました。