『ねじガス栓』と『可とう管ガス栓』何が違う?ガス栓の種類について解説
用途で異なるガス栓の種類
そもそもガス栓は都市ガスでもLPガスでも、「ねじガス栓」、「可とう管ガス栓」、「ヒューズガス栓」の大きく3つに分類されます(図1参照)。これらは設置する用途によって異なり、それぞれに合った配管方法が必要です。
流量から操作・用途まで。基本的な違い
ヒューズガス栓はガス栓とガス機器の接続に使われるホースやコードが外れていたり、一度にガスが大量に流れるなどの異常がおきた際に、自動的にガスを遮断する構造になっている安全構造型ガス栓です。見た目も「ねじガス栓」や「可とう管ガス栓」などのガス栓と異なり、特徴的で区別しやすいです。しかしながら、形状が似ている「ねじガス栓」と「可とう管ガス栓」は用途や設置場所の違いに合わせて安全性や流量が異なります。特に「可とう管ガス栓」は、つまみを押してから回すダブルアクション構造を採用しており、誤操作を防ぐ効果があります。誤った使い方・ガス栓の選択をすると、事故に繋がりますのでどちらのガス栓を使えばよいのか確認が必要です。それぞれ何が違うのか確認していきましょう。
種類 | ねじガス栓 | 可とう管ガス栓 |
流量(㎘/h) | 接続口径1/2で6.0、3/4で10.0以上 |
接続口径1/2で2.0、3/4で4.0以上 |
特徴 |
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用途 |
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メーター入口や中間ガス栓に用いる「ねじガス栓」
都市ガス用ねじガス栓
品 番 | 接続口径 | 流 量(Kℓ/h) |
FV751B-T | Rc1/2 | 8.0 |
LPガス用ねじガス栓
品 番 | 接続口径 | 流 量(Kℓ/h) |
GB73Z-L | Rc1/2 | 6.0 |
メーター入口に使うガス栓や配管系統に使う中間ガス栓のことを「ねじガス栓」と言います。用途から求められる流量が接続口径1/2で6.0㎘/h、接続口径3/4で10.0㎘/h以上と多いので、抵抗が低い内部構造になっています。「ねじガス栓」に使用する配管材としては、ガスフレキシブル管や白ガス管になります。
ガス機器直近に用いる「可とう管ガス栓」
都市ガス用「可とう管ガス栓」
品 番 | 接続口径 | 流 量(Kℓ/h) |
G331N-T | Rc1/2 | 2.0 |
都市ガス用の「可とう管ガス栓」は、その名の通りガス可とう管(金属可とう管・強化ガスホース)を使って配管するガス栓のことを指しています。ガス機器の直近で使用するガス栓の為、「ねじガス栓」程の流量は不要な場合がほとんどです。機器が要求するガス量を確認して最適な「可とう管ガス栓」をお選びください。なお、「可とう管ガス栓」の流量はガス種に関係なく同じです。ただし、LPガス仕様に限りつまみの色が水色になっています。
つまみの色でねじガス栓と見極める「LPガス用可とう管ガス栓」
品 番 | 接続口径 | 流 量(Kℓ/h) |
FV141C-L | Rc1/2 | 2.0 |
LPガス用は、金属フレキシブルホースと合わせて使用することからフレキガス栓と言われております。形状がよく似た「ねじガス栓」との誤設置を防ぐために、平成20年10月以降製造分からLPガス用に限り、つまみの色が水色に統一されてます。ただし、形状が明らかにねじガス栓と異なるものはその限りではありません。
まとめ
見た目だけではわかりにくい「ねじガス栓」と「可とう管ガス栓」ですが、設置場所が違います。「ねじガス栓」はメーター入口、配管系統付近で使用します。それに対して「可とう管ガス栓」はガス機器の直近で使用できるように設計流量が異なります。また、ユーザーが開閉作業を行う可能性が高い可とう管ガス栓の操作は、つまみを押してから回すダブルアクション構造なのに対して、ねじガス栓はシングルアクションを採用している点も違いの一つです。
※この記事は2020年8月5日に公開された内容を、校正し直し2022年3月11日と2024年5月28日に再度公開しました。
楠功央
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